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★「タトゥー&くちびるピアスと男の子」・・・(『人生交差点』)
秋の終わりころ、若いママと園児を見かけました。
近づいてきて驚いたのは、下くちびるの真ん中に「ピアス」!
銀色に光る丸い「自己アピール」。
それは、まあ、ふつうじゃないけれど、ミニスカートのふとももに
鮮やか色の「観音(かんのん)」のイレズミ!
見られることに慣れているのか、他人の視線をまったく気にしていないのです。
朝の横断歩道…夕方の横断歩道を、男の子と並んで、幼稚園に歩いていく…。
ママは…朝は(はれ気味のまぶた)。夕方は(薄化粧のうつくしさ)。
同じなのは、視線を落として、ただぼ〜っと歩いていくだけです。
ひたすら前だけを見て、首さえ動かしません。
男の子と言えば、ひとりごとを小声で繰り返し、空想のひとり遊びを続けています。
ただ園に向かって歩く親子。ひたすら家に向かって、なんの会話もなく帰る親子…。
他とは違う母子に視線を向けながら、あいさつの声をかけ、幸せをその背中に祈っていました。
そして、冬。朝夕の気温が、マイナスになり始めた町。
ママはミニをやめ、イレズミは見えなくなりましたが、ピアスはそのまま。
ぼ〜っと歩き、男の子の園用のかばんを持ったまま、視線を動かさないで歩いていました。
そして、12月にはいったころ、驚きました。何があったのでしょう。
ふたりは手をつなぎ、ママは男の子に視線を向け、男の子はママを見上げて
はにかみながら話をしていたのです! ママは、笑顔だったのです!!
白いダウンベストを着て、足もとはブーツ。色は違いますが、同じようなファッションの母子。
長い間、ふたりのいつもの姿を見ていたので、それは新鮮な驚きでした。
それは、いかにもふつうで、仲の良い親子が、楽しそうに歩いている、そんな風景。
寒い朝は、手をつなぎたくなる? 心を近づけたくなるのでしょうか。
それなら、厳しい気温も、かなりの働き者。愛のキューピッド。
クリスマスとお正月が迫ってきている「12月」ですね。
楽しそうに歩いていく背中を見送りながら、幸せを祈っていました。
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