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論文の結果も出て そろそろ帰国の用意をと 思っているところです
その後 フランも サッカー少年クンも 少しずつ健康を取り戻し
元気になっています
長い間の心労が 心やからだに 大きな負担をかけていたのでしょう
ふたりが やっと 本来の自分に目覚めたとき ふたりの体力は
最低レベルに落ちていました
でも 長い夢を見ていた人のように ぼんやりしている時間が
どんどんと短縮されていき あとはただ 「笑えるだけの元気」を快復する
それだけになっています
精神が傷ついたときは 本当に 笑う力さえ 奪われるものなのですね
フランは 笑うたびに ふらふらとベッドに倒れ 大きくあえいでいました
でも 昨日は 大きな声で笑い 隣で笑っている婚約者に 甘えていました
サッカー少年クンの心の傷は フランよりは少しだけ 軽かったようです
パニック症状もおさまり 体力の快復を待って 自宅療養を勧めました
家の庭や 近くの小さな公園で ボールをおもちゃにしながら
ぶつぶつとつぶやき 他から見れば なにか(あやしい)感じでした
近づいて 聞いてみると アメフトの「ボールのパスコード」
それを自分につぶやいて 頭の中の「試合」や「作戦」を ひとり
モニターしているようでした
そんな彼も 日ごとに 目に光を取り戻し グランドに立てる日も
近いようで フランの祈りのおかげでしょうか 期待ができますね
★ 最近 Ryoと話していて 思い出したのですが ボクたちが 特にRyoが
「親の記憶はまったくなく 顔さえ思い出せない
町ですれちがっても 名前も言えない」と 嘆いていたとき
オジさんは こう言ってくれました
「特に誰かと見たという そんな記憶もないのに 海を見ていて ふとした波の形に
あっ!と 心が騒ぐ ステキだと思う・・・それは きっと 父親と そして 母親と
楽しく見た記憶なのだと思うんだ
幼くて その状況は記憶できなかったけど 一緒に見たものの楽しさは 心に
刻まれた・・・そんな思い出を残してくれた 父や母に 感謝してる」と。
ハッとして ボクたちは オジさんも 本当の両親を知らないと聞いていたのに
自分たちの辛いことばかり話していたと 反省したのでした
ふたりに 捨てた親の記憶はありません。でも 髪の色 目の色は 優性遺伝
父や母も きっとそうだったという オジさんの言葉に ボクたちは川面に走り
大きな岩のそばの水鏡に 自分を映してみたりしました
否定し 拒否しながら 本当は 親のことを知りたくて そんな心にもないことを
誰かにぶつけ ストレスを解消していたのでしょう
★ 心の謎解きは ふしぎなことの連続です。もつれた記憶の糸は 心が描いた新しい絵を
つむぎだし 真実を隠そうとするのかもしれません
そんな「心の迷路に踏み込むこと」を 仕事に選びました
Ryoやフラン 小夜香の力を借りて 小さなネットワークを作り 世界の症例を
チェックしながら もつれをほぐすことに 力を注ぎたいと思っています
・・・ ・・・・
研究の成果をお話したくて つい部屋を うろうろ歩いてしまうことがあります
帰国の用意を進めながら 話したいことをメモ書きにして まとめておきますね
イタリアの憎めない人たちの 笑えるエピソードが またまた 山積みです
楽しみにしていてください
エルフより
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