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 『楽しい笑い声の子』

 エリカは本当によく笑う子に育った。

 話を聞きながら、絵本を読みながら、自分ひとりの空想の世界にひたりながら、
 声を上げてケラケラと笑っている。その声をきくと、

 どうしてそんなにおかしいの?

 と、聞かずにはいれなくなるほど、楽しい笑いだった。

 わたしが高校のときに書いた育児日記の中に、

 「シールをはがせる子」

 という項目がある。

 最初は、目を閉じさせておいて、少し大き目のシールを手にはり、
 目を開けさせて、はがさせる。そう、小さな子の運動機能を育てる単純なものだ。

 からだのあちこちにはって遊ぶ。手が終わると、顔。腕。ひざ、ふくらはぎ、足・・・。

 これは、「おふろゲーム」にも発展した。
 
 背中にはって、それをはがさせる。

 肩甲骨(けんこうこつ)の間になんかはられたら、大人でもはがせない。

 手のゲームでもよく遊んだ。

 てのひらを目の高さに固定して、親指を鼻につける。
 その上に、お手玉を乗せて歩き、おじぎをしてお手玉を落とす。
 じゅうたんにもお手玉が置いてあって、それに当てるとビンゴ!。

 かくれんぼも活用した。自分が隠れるのじゃなく、自分の分身、
 ぬいぐるみだったり、指人形。ビー玉、おはじき。マッチ棒のときもあった。

 最初の頃は、エリカが隠してあるに場所に近づくと、大げさにあわててみせた。

 「ああっ・・・」とか、「もうダメ・・・」とか、声を出したり、目をおおったり。

 わたしのおかしな声が楽しいのか、前に行ったり、さがったり、
 近づいたり、離れたりして、隠し場所を特定していた。

 ドイツに行ったときに買ってきた「秘密のボックス」は、小学生になっても
 よく遊んだ。これは遊びというより、「なぞ解き」の訓練だった。

 それは、文字つみ木のようなもので、いくつかつなげると「言葉」ができる。
 それが、わたしがしかけた「言葉」と同じだったとき、ファンファーレが響いて、
 箱が全部開く・・・というもの。

 正解したときは、箱からごほうび。キャンディーだったり、ヌガーだったり。
 幼稚園時代には、そのころ気に入っていた「ままごとセット」のフィギアを
 いれておいた。

 そんなこともあって、エリカは「なぞ解き」の大好きな少女に育っていった。

 色々な遊びを知っていて、それに「なぞなぞ」も得意。

 わからないことから逃げないで、笑顔でチャレンジする。

 そんな女の子になってほしかった。それをさりげなく練習させるのに、
 ゲームが最高に便利だったのだ。



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