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エリカは特救隊の超エリートたちを前にしても、物怖(ものお)じ
することも、調子に乗ってハイになることもなく、小二にしては
見事な礼節を持って会話に加わっていた。 初めは小さなこどもに話すように、易しい言葉を探していた
彼らも、エリカの聡明さに驚いて、だんだんと「タメ口」になって
いったのが面白かった。
水野さんがみんなを代表してエリカに質問した。
エリカがハワイやカリフォルニア、カナダにアラスカ、中国や
台湾、ロシアにヨーロッパ、アフリカ諸国の話を聞いても、
既に知っていた、というような顔をしたからだ。
「エリカちゃん、色々な国の話をしたけど、南アフリカの
中央公園って、知ってるの?」
エリカは私の方を見た。
大人相手に調子に乗らないようにしつけたからだ。
私は小さく頷いて、答える許可を出した。
『はい。中央公園の日時計に驚いたので、よく覚えています』。
うまい。知っているとは即答しないで、行った者にしか
わからないポイントを押さえて話している。
「水野さん、日時計ってなんですか」
若い女性隊員が尋ねた。
「数字が逆なんだ」
「逆って、裏返し?」
「エリカちゃん、ヒント出してあげてよ」
『はい…ここは北半球、南アフリカは南半球です』
上手なヒントだ。確かに、来たと南とでは違うのだから。
しかし、若い隊員たちには無理なようで、みんなはエリカを
拝んできた。 『南半球の時計は、上が12で下が6…』
「だよね。おんなじだろ?」
『でもね、12の次が1じゃないの』
「ええ〜どうしてさ〜」
わかった! 「3、3ばっかり並んでて、いつも3時のおやつ」
うまい乗りだ。エリカはうれしそうに笑っていた。
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2012年05月27日
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