海にふる雪・・・・ 空のぼる雲★

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 『たましいの生まれるところ』


 「パパはサル!!わたしは人間なの!」

 エリカの声がクリニックに通じるドアから聞こえた。
 珍しい。エリカが興奮して大きな声を出している。
 それも、大好きな父親に向かって・・・。

 続いて、階段を上る足音。1分もたたないのに
 もう興奮は冷めているらしい。静かだった。

 「エリカ、怒ってたか?」

 少しして、夫がリビングをのぞきにきた。

 「引きずって八つ当たりする子じゃないわ」
 「いやあ、まいった。魂について議論してたら、
  いきなり怒り出してさ」
 「訂正したほうがいいんじゃない?
 (たましいについて議論させて、怒らせてしまった)」

 「おいおい・・・。かよわい夫の味方になってくれる妻は
  今日はルスなのか?」
 「そうよね。剣道+柔道+空手、あわせて14段のあなたでも、
  議論では負けるようになったんだものね」

 「あいつの知識の深さには舌を巻くよ。
  議論の組み立て方は、キミそっくりだ」

 「家庭訪問のとき、担任が言ってたけど、エリカ
  学校の図書館の本、全冊制覇したらしいわ。
  読むのがとにかく速くて、記憶力もすごいって。
  それはあなたゆずりね」

 「マチで見かけたら、普通の小学生なのになぁ」

 「何よ・・・エリカがあなたに声を荒げるなんて」
 「つい、クーニャンのことをナジっちゃってさ」
 「それならわかる。あなたのことだから、
  金魚にたましいなんかない・・・なんて言ったんでしょ」
 
 「そうだよ、その通りだよ・・・聞こえてたのか?」
 「まさか。防音防火のドアを通すほど、あなたの声は
  大きくないもの。エリカが開けたとき、聞こえたのよ」

 「オレの祖先はサルで、自分の祖先は人間だってさ。
  ナースたちが笑う笑う・・・。オレってサル顔か?」
 「なら、結婚しなかったわ」
 「だろう?だろう? サルって顔じゃないよ」

 (サルじゃない、オランウータンでしょ)という
 妻の心の言葉には気がつかないで、夫は戻っていった。

 二階は静かだった。エリカを見たいと母は思った。

 初めて父に声を荒げた娘は、出窓のクッションに座り、
 ぼんやり海を見ていた。

 何も言わずに、サイドテーブルにメロンソーダを置く。
 じゅうたんに座り、部屋をひと通りながめてみる。

 最近までピンクピンクしていたインテリアが、薄いブルーと
 オレンジになって、大人っぽさを感じさせる部屋になっていた。

 エリカはおもちゃをほしがらないこどもだった。
 誕生日に贈ったピンクのうさぎは、一度包装をとき、
 カメラにおさめてから、園のバザールに出された。

 夫は何か言いたそうだったけれど、
 娘はほほえみで黙らせた。

 そのときわたしが夫に見せたアルバムが、
 少し枚数を増やして、ベッドサイドにある。

 ピンクのウサギの写真が10枚ほど貼られ、エリカとの
 ツーショットも何枚かあった。同じページにエリカの字で
 思い出のエピソードがぎっしりと書かれてあった。

 「この幼さで物に執着しないなんて、おかしくないか?
  知事賞をとった絵さえ飾ってない」

 というのが夫の心配だったけれど、わたしも笑って無視した。

 プレゼントはすべて、思い出日記と一緒に、アルバムの中。
 8歳までの思い出は、写真にしてから、手放している。

 そのエリカの心を、わたしたち夫婦は、完全に誤解していたのだろう。

 金魚のクーニャンの死以来、命の短さ、物のはかなさを思い、
 自分のそばで汚れて朽ちていくことに恐怖を感じているなんて、
 エリカに限ってそんなことはないと、高をくくっていたのかもしれない。

 「あっ、たましいが、のぼってく」

 急に立ち上がり、エリカが言った。
 
 胸騒ぎの言葉だった。



 「人生ではじめての死を見た娘」


 ひたいを汗でいっぱいにしてエリカが帰宅したとき、クーニャンのからだは
 わたしの手の中だった。

 エリカは、自分が抱きたいと言って、両手に受け、ほほをすり寄せた。

 どうしてそんなに悲しめるのか。ポロポロと涙をこぼして嗚咽(おえつ)している。

 クーニャンは・・・10年は生きたのだろうか。桜の木の下に新居をかまえてから、
 2倍に大きくなっていた。その生涯の半分近くを、エリカと過ごした。

 エリカが話せるようになって、会話をはずませるようになって3年。

 そうか。3年も毎日会話を弾ませた相手なら、わたしもポロポロ泣くだろう。

 エリカにとって、人生で最初の、親しいものとのお別れなのだ。

 しかし! 幼稚園児なら、金魚が死んだら、まっさきに「お墓」でしょう!

 なのに、エリカは・・・クーニャンを・・・「火葬」にした!

 どんな精神的構造を・・・わが娘は持っているのだろう。

 言葉を選びながら、わたしはやっとたずねた。

 エリカの答えはいつものように単純だった。

 『クーニャンがそうしてほしいって・・・。

  土の中でからだがとけてくのは、かなしいんだって。

  虫さんたちのごちそうになりたくないって・・・えっ?』

 自分で話しながら、エリカは「えっ?」という顔をした。

 『お墓、作ってあげたら、虫さんたちのごちそうになるの?』

 おいおい・・・自分でそう話していたんだよ。

 知らないで? 知識もなく、そんなこと、話したの?
 
 それに、それ、いつ聞いたんだよ・・・。

 残留思惟(ざんりゅう・しい)? 

 ついてけない。

 エリカが「ニュータイプ」なら、クーニャンも「それ」だったのかもしれない。

 あ。。。わたし、洗脳されてる?


「この子を残して」


 「この子を残して・・・春の嵐(1)」


 クーニャンの新居は、桜の木の下だった。

 土を掘ったり、池を備え付けたりしたのは夫、エリカは・・・

 あんなに嫉妬むきだしで絶交を宣言したのに、かいがいしく水を運び、
 水草を整え、赤い水車までセットした。

 わたしは池より少し高めの柵を作り、白くペイントした。そして、
 雨や雪が直接水面に当たらないように、覆(おお)いをつけようとした。

 すぐに、エリカに反対された。

 『これからはね、クーニャンたちのお食事は、用意しないの

 「あら、それじゃ、おなかをすかせて、みんなが困るでしょう?」

 そんなに早くに意見を言わずに、待っていればいいのにと、自分で思った。

 エリカがそう言うのには、確かな考えがあるはずなのに、
 わたしのしたことといえば、自分の考えの浅さを言葉にしただけだった。

 まあ、良いわ。待っていたら、会話というものが弾まない。

 「で? My little lover のお知恵は?」

 『神様におまかせするの

 さすが、キリスト幼稚園のおりこうさん。園長先生にでもきいたのか。

 『大きな木には、たくさんの生き物を育てる、大きな力があるの。
  クーニャンたちのお食事くらい、かんたんに用意できるわ』

 その後数日、心配しながら観察していると、確かにエリカの言葉の通り、
 クーニャンたちのお食事は、そのつど、天から降ってきた!

 それは、陽気に誘われてやってきた「羽虫」だったり、小鳥から
 逃げようとあわてた「小虫」だった。

 新居は戸外にあるのだから、雨も、砂ぼこりも、当然のように押し寄せる。
 池の水はにごり、いつのまにか池の底のほうでよどんでいた。

 なんと、そこには小さなミミズが育っていた!

 そして、クーニャン夫妻のからだも、ぐんと大きくなっていた。

 エリカは相変わらず池の水に指を入れ、クーニャンたちとの
 会話を楽しんでいた。

 今さらながら、エリカの知識には感心する。

 彼女には、確かに雌雄の区別がわかっていた。 

 繁殖期のころに、オスには「追星」といって、ほほに白い突起が出るという。
 
 エリカが「男には、おひげがあるの」

 と言ってたのがそれだった。

 百科事典を買って与えたわけでもない。

 夫やナースから聞いたのではなさそうだ。

 動物好きの園長先生の知識でもない。じゃあ、どこから?

 クーニャンから、直接教えられて・・・。

 しかし、親として、喜んでそんな結論に飛びつけやしない。

 でも、・・・。答えはそこにしかないのだ。

 と、あれこれ思案している間に、水草に小さく透明なたまごが産みつけられ、
 数週間でめだかになった。

 そのこどもたちのからだに、赤い色が現れ始めたころ、
 クーニャンのからだが水面に浮かんだ

 それを予感させたのは、エリカからの電話だった。

 夫は水族館が忙しくなり、クリニックをよく留守にする。
 わたしも何かと外出することが多くなったので、
 お子様用の携帯電話を与えた。

 でも、いっさい使う様子もなく、春の日差しが強めになったころ・・・。

 エリカからだった。園を出て、もうすぐ家に着くところらしい。

 『クーニャンの、クーニャンの声が、聞こえないの!』
 
 「・・・ ・・・ ・・・」

 わたしは、自分の予感を話さずに、エリカの言葉を待った。

 池からは、かなり離れているのに、どういうこと?

 離れていても、少しくらいなら、クーニャンの気持ちの気配を、
 エリカは感じていたというのか。

 『ママ、お願い! お池に行ってみて! わたしももうすぐ行くから!』



 『イヤな女を脱ぎ捨てて・・・何に着替えよう?』


 おどおど、びくびく、めそめその少女時代を過ごしたわたしに、鉄則がある。

 シンデレラのように、会う人会う人、見ることすること、なんでもに問いかけていた。

 「わたしを新しい世界に連れ出してくれるのは、この人?」

 そして、心配になって、自問自答。不安が大量に押しかけて、ノックダウン。
 吐き気もあって、3日寝込んでいると、自家中毒とか診断されて、おしまい。
 「レモネード」を飲まされ、学校へ行かされた。

 公園のベンチでひとりしくしくしてると、正義の味方が現れて、
 少し離れてベンチに座る、わたしの初恋の人、園長先生だ。

 近すぎない、遠すぎない、いい距離で見守って、夕日を見てた。

 そのまま黙って座っていたことも、思わず走って
 アドバイスをもらったこともある。

 「シンデレラは、王子様を何日待ってたの?

 変な質問。どこにも書いてない。わたしがきかれたら、熱、出しちゃう。
 でも、この人は、どんな問いかけにも答えてくれた。

 「待ってないよ」

 「えっ?」

 「掃除したり、水をくんだり、食器をみがいたり、してただろう?」

 そうか、こき使われてたんだった。

 「じゃあさ、じゃあさ、働くのがイヤになって、それで、それで・・・」

 「病気にならなかったのか?」

 この人も、ニュータイプだ。心が読める!

 わたしは思い切り首をふって、うなずいた。声を出すのも忘れて。

 「考えない。待たない。いつもの仕事を懸命にするだけ」

 「それって、イヤ! つまらない! すごく、さびしい・・・」

 「シンデレラは知っていたと思うよ。
 働くことのうれしさを、仕事を工夫することの楽しさをね

 「どうしてそんなこと!・・・先生に・・・わかるの」

 思わず声が大きくなった。だって、そこがポイントだったんだもの。

 イヤなことをするだけの毎日はつらい。毎日みじめだ。

 「シンデレラって、イヤな女?」

 「ううん。いい人。気持ちがすてきな人・・・」

 「気持ちのステキな人は、イヤだ、イヤだって思いながら生きてる?」

 「ううん。イヤだ、イヤだって思ってたら、イヤな人になる・・・あっ!」

 仕事をさせられてると思ったら、イヤになる。

 イヤだ、イヤだと思っていたら、もっとイヤになる。

 どんどんイヤな女になっていく・・・。

 そうか。イヤだって、思わなきゃ、いいんだ!

 仕事を・・工夫して、楽しいことを見つけて、うれしくなる!

 シンデレラって、王子様を待ってなかったんだ。

 「先生・・・わたしのこと、嫌い?」

 「どうしてそんなこときくの?」

 「だって・・・わたし、イヤな女の子だよ」

 「そんなこと、先生がいつ言った?」

 「ううん。わたしが、いつも、思ってるから・・・」

 「自分が思っていると、先生もそう考えてると思うの?」

 「ううん。わたしが自分の頭の中で、思ってるの・・・あれっ?」

 なんだか、熱いものが、こみあげてきた。
 のどのところで止まって、もう少しで口から飛び出しそうだった。

 「自分のことを思って、だれかのことも思って、頭の中がいっぱいだよね。
  それって、疲れない?」

 「疲れるよ、すごく!だからイヤなの。もう考えたくない!」

 「じゃあ、考えるのは、もうやめよう。他人のことも、自分のことも」

 「それって、無理だよ。人間は、考えるアシだって、学校で・・・」

 「シンデレラは?」

 「イヤだって思わなかった。工夫して、楽しいこと、見つけて・・・」

 「わかってるじゃないか。疲れない方法を」

 あっと、また思った。

 考えるより・・・工夫する。考えてないで・・・見つける!
 1歩前に、進んでるんだ。

 だから・・・待つことはやめた。ムダに考えることも。

 大切なものなら、出会ったときに、始まるものがある。
 それに乗ればいい。

 何も始まらないなら・・・考えない。

 それが「悪い」ものなら、わたしをどんどん小さくして、
 せまっ苦しい女にする。

 「良い」ものなら、わたしをどんどん解放して、いい女にしてくれる。

 だから・・・「いい女にしてくれるかどうか」、それが鉄則。

 「また夕焼け、いっしょに見てくれる?」

 「ときどきはね。でも、あしたの朝日をいっしょに見る人を増やそうよ」

 初恋の人がそう言ったから、一緒に朝日を見る、最高の人と結婚した。

 エリカと並んで朝日を見ていると、手を合わせたくなる。

 『何してるの? ママ・・・』

 「はつもうで」
 
 『そうだね。人生で、初めての「今日の朝日」だものね』

 (今、夏だよ)とも言わず、(ヘンなの)と笑いもしない。

 こいつ・・・ますますニュータイプだ。

 『クーニャン、りりしいイケメンを選ぶ』


 エリカが恥ずかしそうに耳に告げたことを、店長はうなずきながらきいていた。
 訂正はひとつもなかった。
 ・・・ということは、すべて、正解? 

 あそこのかたちやフンの太さ、ほほのおひげも?

 小さい子の動物相手に話すのは、すべてが「想像話」、
 全部その子の思いつきから出てる。
 
 人形も、花も、空も、海も、それを相手にすることで生まれてくる、
 その子の発想の豊かさ。

 でも、「次亜塩素酸・・・」にしても、金魚が「中国生まれのメス」だってことも、
 金魚の「オス」だけを選んで、クーニャンにお伺いを立てるのも、
 それをはるかに越えている。

 わたしにはわからない。だから・・・

 「そういうものなんだ、エリカって女の子は」

 と思うことにした。

 確かに、2,3歳の頃のエリカのように

 「どうして?どうして?」

 を連発したい心境だけれど、エリカには、まだ、
 大人のわたしの質問ぜめに対抗できる理性も体力もない。

 親がわが子を威圧してどうなる? ねえ。 

 親のおしつけの権威なんて、こどもが体力や強い言葉を身につけたとき、
 簡単に崩れる。

 それよりも、こどもの心に、雪のように降り積って、尊敬と一緒に
 そこはかとない威厳を思う気持ちが育つなら
 それが一番自然で、普遍のものだろう。

 わたしがそんな思いを巡らせているうちに、「クーニャンのお見合い」は
 終わっていた。

 店長がエリカの選んだ、いえ、クーニャンが選んだ

 「りりしい、一番おひげの立派なイケメン」を

 「ホーム」の中で泳がせたらしい。

 二匹は完全にお互いを認め、ずっと昔から友達だったように
 泳ぎだしたという。ここに、めでたくカップルが誕生した。

 店長がしきりにエリカを勧誘している。中型のプラスチックの池と、
 それを加工する人口の石セット。
 
 たまごを産みつけるための「水草」のたばを、次々と夫に渡しながら・・・。

 「ねぇ、エリカちゃん、大きくなったらさ、このお店でアルバイトしない?
  お魚と話せる女の子なら、バイト代は3倍出すからさ」

 『いいですよ。大きくなったら、ですね』

 5歳にしてバイトのスカウトをOK? エリカって、大人受けが最高にいい。
 わたしの子供時代とは大違いだ。

 (えっ? なに、これ? 池、作るの?)

 そこで、わたしはやっと目が覚めた。ここはお魚専門店「フィッシュランド」。
 金魚のクーニャンの結婚相手を探しに来たのだった。

 「ねぇ・・・池、作るの?」

 わたしは夫に近づいて、そっと聞いた。

 「ああ。エリカが言ってただろ? クーニャンの結婚、クニャンの引越し・・・って」

 あ、そうだった。結婚したら、新しいおうちで暮らしたいって、
 クーニャンがそう言ってるって!

 池を持ったまま、レストランに入るのは難しい。こんなことは計算外だった。

 しかたがない。オープンカフェで軽食をいただく。

 そのあと公園のベンチでアイスを食べ始めたとき、エリカが叫んだ。

 「いやだぁ、もう・・・。ママ、持って! わたし、もう知らない。クーニャンなんか」

 え? ええっ? なに、絶好宣言なんかしてるの? 親友同士だったのに。

 「どうしたの、エリカ。仲良しを見捨てるの?」

 『だって・・・静かにして! 指、入れないで! 

  わたしたちをふたりにして! 話をきかないで!

  そう言って怒ったんだよ。もう!』

 嫉妬、なの? エリカが嫉妬してる? エリカの心に「嫉妬」が生まれてる。

 わが子が成長するのを目の前で見られるのは、こんなうれしいことはない。
 それが「心の成長」だったときは、100倍うれしい。

 「なんだよ・・・エリカが腹を立ててるのを見て、うれしそうじゃないか」

 それに気づいて夫が笑いかけてきた。

 「そうよ〜、すごくうれしい。エリカが2歳のとき、(昨日・今日・明日)の時間軸が
  彼女の中で明確化したとき以来だわ。ついさっきまで

 (あした、パン、たべたよ)とか

 (きのう、こうえんに、いこうね)って、まるでおかしな言い方をしてた。

  でも、その瞬間、顔つきが変わって、こう言ったのよ。

 (きのう、パン、食べた?・・・あした、こうえんに、いくの?

 わたし、みんなが見ている前で、ぼろぼろ泣いた。
 
 エリカが(昨日・今日・明日)の意味を悟った、その瞬間だったんだもの」

 「母親には・・・かなわないな。オレが唯一自慢できるのは、
  エリカの初オナラだもんな」

 「あっ! 初めてでっかい夫婦げんかしたときだ! 

  わたしが買い物に出かけたとき、エリカの初オナラの現場にいたのに、
  録音しなかったんだもの」

 「それって、無理だって言ったのに、マイクをお尻にとめておけば
  いいでしょうって、すごい剣幕だったよな」

 「そうよ。次にオナラしたときは、あるのは悔しさと腹立たしさだけ。
  本当に悔しかった」

 「忙しい、とか言って、食事は、お茶漬けときゅうりの漬物だったよな。
  力が出なかったよ」

 昔をなつかしんでいると、エリカが歩き出した。池をかかえて、ふらふらと。

 『ママ、パパ! 帰りますよ! 帰ってすぐにお池を作ります!』

 怒ってる。クーニャンを家から追い出すの?

 これはけっこう長引くかも。

 エリカは「への字口」。

 夫婦は「ニヤニヤ」。

 おかしかった。


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