ベテラン医学博士の嘆きと悲鳴

医療崩壊を招いた真犯人は誰だ!!本音で語る医学者達の声。

老いを感じるとき

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ここでは特に80歳や90歳の高齢の方と出会って感じたことを綴ってみます
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老化現象としては、一般的に身体の生理機能低下があらわれます。

たとえば
    視力低下、

    聴力力低下

    筋力低下

    思考力低下

    記憶力低下 等等

その他、ありとあらゆる生理機能は青年期に比べて衰えると言えます。

現代医療の進歩のおかげで、それぞれの生理機能改善の治療方法、補助方法が開発され、

高齢者の生活機能改善に役にたっているのは事実です。


しかし、人間としてこのように身体の生理機能が低下することは悪いことなのでしょうか?

むしろ自然の摂理を考えた場合、理にかなっていることではないかとさえ感じる時があります。

私なりの持論に友人の医師仲間も

  「そうだよね・・・・」などと共感を示してくれる者もおります。

年老いて、視力が低下すれば、若い時に美人・美人ともてはやされた過去の名声がすっかり消えうせた

自分の顔を鏡で見てもそう絶望することもないでしょうし・・・

配偶者の顔や様相が老いていても、ぼんやり見えればそう気にもならないでしょう。

娘や嫁や孫達が

「おばあちゃん(おじいさん)は、年老いてぼけているから・・・・」

とか、悪口を言われても、聞えにくいためそう気に留めることもなく、大きな問題にはならないで済みます。


  筋力が衰えているので、引ったくりにあっても追っかけて行くことは困難だし、

  腕力で、相手を殴り返すこともできないでしょう。

でも、もし筋力が衰えていることを忘れたり、たまたま筋力が保たれていて、

走って追いかけていったとしたら、その他のもっと深刻な事態が発生することが充分懸念されます。

  たとえば、心肺機能が低下しているので、狭心症や心筋梗塞が誘発されたり、

  急激な血圧上昇が起こり、脳出血が誘発されたり、

このように、引ったくりに物を盗まれるよりモット重大な生命の危機を招くことにもなりかねません。


何よりも救われるのは心が鈍くなり、記憶力や思考力が低下していくことです。

   他人に何か言われても、あまりよくわからないので

   ただ、ニコニコ、ウンウン。と言っていれば

   愛想のよいおじいさん(おばあさん)と近所の評判を勝ち得ます。


記憶力・洞察力・思考力・推理力等が若い頃と同じだけ保たれていた場合は悲劇です。

100年近い間に蓄積された知識・感情の情報がすべてがリアルに日々の生活の中に生きているのですから苦労が何十倍もあり大変です。

目の前に起こるすべての事象に対して、過去の膨大な記憶と感情を思い出し、且つ、時代の流れと

整合性をして判断したり、思ったりしなければならないからです。

もし、家のものとの揉め事で

  「君は、60年前にこのような事を言っていたではないか!

  ましては、75年前はXXOO だったくせに・・・・」
 
等といわれても、相手はもちろん覚えているはずはないので、噛み合う訳はありません。


私の遠縁の明治生まれの大祖父はある財閥の本社社長まで勤めたほどの人物です。

今も頭脳明晰・知力・記憶力・記銘力とも衰えていないためある意味では苦労が多いのかもしれません。

彼は、私が会いに行くと常に

  今の社会情勢、日本の経済状態、についての憂いを投げかけます。

その内容は、テレビ等の評論家顔負けの分析に基づくものなのでいつも驚かされます。

そして、いまだに自分が社長だった時代の会社経営についての反省を語ります。

   それも、30年間前の自分の判断が正しかったのか、どうか

   30年後の現在の状況を見て緻密に分析をしています。

   時代の流れに流されてしまったのは何故かと熱く問いかけます。


もちろん、家の者たちはそのような大祖父をけむたがります。

そんな大祖父の気持ちを慰める唯一の生き物は、妻でもなく、子供、孫でもなく、

迷子になって迷い込んだ一匹の愛犬だけです。

老いを感じるとき

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私は職業柄今までに幸いにも、多くの色々な人達に出会う機会に恵まれました。

その出会いは心の奥底に記憶として残るだけでなく

人間愛について深く考えさせられる事も多く、私にとっては大切な宝のようなものです。

ここでは特に80歳や90歳の高齢の方と出会って感じたことを綴ってみます。


年を重ねて、人生を積み重ねて人は初めてヒトであることの難しさを教えてくれます。


私の外来を受診する 90 歳を超えた老夫婦の場合彼らの生き方は私の心を痛くします。

  彼らは壮年期にはそれ相当の社会的地位と財産を築いていたようで、

  子供達も立派に育って、社会で活躍しています。

  彼らは都内の有名な高級住宅地にある自宅を長男に譲り、

  東京から約一時間ほど離れた畑の中の老人ホームに夫婦して引っ越してきました。

  どのような理由かは知りませんが、彼らが人に迷惑をかけないようにと

  毎日つつましく生活しているのが傍で見ていて良く解ります。


  ひとつ年上の姉さん女房で当時92歳と91歳でしたが、二人とも

  何時急変しても不思議でない数個の持病を持っていました。

  病気の治療の一環として、栄養・塩分その他の食事療法が必要なのですが、

  彼らにはそれが出来ません。

  老人ホームで出される食事に対して何も文句を言わず、ただ有難くいただいているそうです。

  減塩食が必要であるにもかかわらず、漬物、塩魚が食卓に並ぶのを拒否できないでいます。

  彼らの好物の牛肉を食べれば病状は改善し少しは元気になるに違いないのですが、

  牛肉は一年に一度も献立に入っていないそうです。

主治医として老人ホームに注文をつけたいと申し出でましたが、彼らは迷惑をかけるからと遠慮します。


とある日の外来で、姉さん女房の妻が

   「老いるというのはとても難しいことで、つくづく考えさせられる今日この頃です」 

   とぽつりと静かに語り始めたました・・・

私はどのような事件があったのかを尋ねる事はできず、

   「たまにはご主人とレストランで美味しい牛肉を食べる機会をつくれると良いですね。」 

    とにっこり笑って答えるだけでした。

   「ええ、先生、そうしてみます」 と 少し明るい返事が返って来ました。

私の心の中は

   「何故、彼らはそんなに世間に対して遠慮しているのか?

   90年も生を生きたそのこと自体が素晴らしいと誇れることなのに! 

   長い人生の中では悲しい・辛い事・虚しい、その他多くの理不尽な事件にも

   出会ったに違いないのに。

   人に裏切られたり、騙されたり、人間の性を恨み、運命に翻弄され泣いた事もあったはずなのに。
    
   それらにもめげずに打ち勝ってここまで来たというのに!

   人間のありとあらゆる感情を知り尽くし、そしてそれを克服し生きて来たこと自体が

    感動に値すると思えるのに!

   生きている事それだけでも誇らしい事と思えて,皆を勇気付けているのに・・・・
      
と涙が溢れていました。

それからも老夫婦は毎月病院へ通って来、つつがなくひっそりと暮らしていました。

私は約3年間ほど彼らの主治医として勤めた後、職場を変ってしまい

この老夫婦とはもう一年以上も会っていません。

その後の彼らの消息について知るには少し勇気がいります。

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