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東田直樹著『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール出版部 刊)
帯にもあるとおり、NHKのドキュメンタリーを見て知り、すぐに取り寄せた。
小生も広汎性発達障害、いわゆる自閉症スペクトラムで特別支援学校に通う娘を持つ親として、目から鱗の感動をしながら読んだ。
一般に言葉で表現するのが難しいところを、東田さんのお母様と「はぐくみ塾」(現在休止中)の鈴木敏子氏によって、筆談(現在ではパソコン入力も)という武器を身に付けた東田さん。
お母様と鈴木氏もまたノーベル賞ものだと称賛したい。
なかなか何を思い、考え、そして要望しているのか分かりにくい自閉症スペクトラム。そんな家族がぶつかりやすい疑問に対して、質疑応答形式で東田さんが分かりやすく答えている。娘の日常の言動に、少なからず合点がいった。分かってあげられていなかったことを猛省し、娘に詫びながら読み進めた。
自閉症について、東田さんのこんな記述がある。
「僕は自閉症とはきっと、文明の支配を受けずに、自然のまま生まれてきた人たちなのだと思うのです。これは僕の勝手な作り話ですが、人類は多くの命を殺し、地球を自分勝手に破壊してきました。人類自身がそのことに危機を感じ、自閉症の人たちをつくり出したのではないでしょうか」
自らハンデを抱えながらも、ピュアなまなざしと優しい心による洞察に、私もうなった。
本書に収録されている短編小説「側にいるから」も涙なくして読めない感動もの。
社会にあって自閉症スペクトラム児の奇行に、親が白い目を向けられることが少なくないが、そういう子を持つ親に、もっと自信を持ってもらうためにも、一人残らず読んでもらいたい書だ。
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