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尖閣諸島における今回のゴタゴタですが、日本のマスコミがなぜかあまり強調しない点を書いておきます。事件発生当時、領海内に30隻ほど、さらに領海外に40隻ほどです。ただ、領海内に何隻かの中国漁船が存在していたようです。さてその上で重要な問題が一つあるのですが、海保の巡視船が船長以下漁船の乗組員を逮捕したのは、領海外(排他的経済水域)であることです。海上保安庁が配布した資料によれば、以下のごとくです。
9月7日 午前10時15分 漁船よなくにに衝突(領海内)
9月7日 午前10時55分 漁船みずきに衝突(領海内)
9月8日 午後0時58分 漁船停止(領海外)
9月8日 午前2時3分 みずき逮捕状執行(領海内)
この経緯をみると、どうもこの度の逮捕は無理があったと考えられます。まず、漁船を領海外まで追跡するということ自体が、これまでの慣習的な日中合意に反しているのですが、漁船を拘束したのが領海外であることです。この経緯からみると、巡視船のよなくにとみずきの2船が漁船を追跡し、追い込み、進路を塞いだ可能性があります。それも二隻で。よなくにとみずきに衝突した時間的間隔は40分です。さらに追跡し、ほぼ1時間後、「領海外」で漁船が停止。前原が言うような「悪質な事案」であれば、当然海保独自の判断で現行犯逮捕でもよいわけですが、逮捕状執行まで1時間かかっています。ここがもう怪しい。「毅然」というわりには、随分時間がかかってます。これを主導したのが、イケイケの前原、岡田コンビとなるわけですが、どうもこれは、民主党が言うように、漁船に退去を命じたら、いきなりぶつかってきたというような状況ではなかった可能性があります。漁船が故意にぶつかるなんてことは、かなり不自然です。ある意味自殺行為ですから(それも2度も?)。よなくには1300トンの船、みずきはもっと小さく195トン。確か、漁船は116トンくらいだったと記憶しているが、いくらなんでも116トンの船が1300トンの巡視船にぶつかりにくるだろうか。そのわりには、漁船のダメージは少ないように見える。それに、海保は釈放時に「意図的ではなかった」みないな発言をしたようにも記憶してます。要するに「しどろもどろ」(-_-;)。
さて、こうなると、この逮捕の法的妥当性自体に問題があると言う可能性も出てきす。単に「領海外」に追いやるのではなく、故意に進路を塞ぎ「接触」する形になった可能性を否定できない。しかも停船拘束したのが領海外です。そのあと、「国内法に基づいて粛々と対応する」と威勢の良かった前原がとたんに「しゅるん」となって、釈放に至った背景には、中国の反発が予想以上に強かったのと、起訴は無理だと判断したからだろうと思われます。だいたい、尖閣領域に中国や台湾の漁船が入り込むなんてことはしょっちゅうあることで、なんで今回だけこれほどの大捕物になったのか。
もちろん、中国も国内世論の反発を気にせねばならず、フジタの職員を一応別件として拘束してみたものの、国際世論の目もあって、どこかで落とし所を探っていたと思えます。となると、野党やマスコミがまず追及すべきは、「毅然と対処すべき!」「違法行為は罰して当然!」ではなく、その前に、「真相を明らかにせよ!」ではなかろうかと思います。ビデオもどうやら出てきそうにないですなあ。それどころか、なんか、この話は沙汰やみになりそうだぞ。産経新聞などの保守メディアは、ここぞとばかりに反中を煽っているけど、まあそれは、それが彼らの仕事だから。問題は、リベラルなメディアでさえ、五十歩百歩の議論をやっていることです。「平和」と「護憲」が看板の共産党も、「毅然」「法律」の一点張り。それどころか、「良く言ってくれた」と賛同の意を表した自民党議員がいたことを大威張りでHPに載せる始末(-_-;)。
「占有」だの「領海」だの、20世紀帝国主義の遺物みたいな「おれのもの」的発想はもうそろそろ止めにして、それを超えた議論を始めたほうが双方にとって得策なのは確実でしょう。実際、尖閣領域の共同資源開発の交渉は行われた経緯があるようだし、いつまでもも領土主権の枠内に留まっていると、誰が政権に就こうが、紛争の火種は常に残る。実現しようがしまいが、私は一生そのように主張し続けたい。当分「反戦」「平和」からは一歩距離を置き、瞑想したい気分になってきました(-_-;)。
排他的経済水域における海洋法の規定:
(3)沿岸国は又、以上の主権的権利及び管轄権を行使するにあたり、必要な法令を制定(立法管轄権)・執行(強制管轄権)することが出来る(海洋法条約第73条①)。(1)これには「乗船、検査、拿捕及び司法上の手続」が含まれるが、(2)罰則には身体刑を課してはならず(関係国の別段の合意があれば拘禁できる)(海洋法条約第73条③)、(3)拿捕・抑留があった場合は、旗国に速やかに通報し(海洋法条約第73条④)、(4)拿捕された船舶・乗組員は、合理的な保証金(ボンド)その他の保証を提供した後「速やかに釈放される」(海洋法条約第73条②)。
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「平和=反戦」関連
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不当逮捕は想定外でした。てっきりそれなりの経緯があってのものと……というより報道その他を鵜呑みにしてたわけですね、あたしは。ビデオ非公開を決めたのも中国の態度が軟化したからかと。違うかもなんですね……。
2010/10/11(月) 午前 4:22
違法操業していたのは中国漁船ですから、かならずしも不当逮捕とは言えないでしょうけれど、ただ「公務執行妨害」のところはかなり怪しいものがありますし。普通は警告の上、退去させますし、逮捕しても即追放です。「悪質な事案」だと言っているのに、「意図的じゃない」とも言ってみたり、後ろめたいものがあると思われてもしょうがないでしょう。ビデオだけじゃなく、航行経路を示すデータなども添えて発表すれば、明らかになるでしょう。もうフジタの4人は帰りましたから、公開して良いと思いますが、「不都合な真実」があるのかもしれませんね。だから、こういう場合野党(特に共産党)の対応は、「毅然としろ」じゃなくて、「真相をはっきり説明せよ」が先でなくてはならないでしょう。
2010/10/11(月) 午前 4:50
瞑想したい気分。それはあたしの「あまり長生きしたくない」のとは違うんでしょうか。違うんでしょうね。
2010/10/11(月) 午前 5:24
冷静に、平和反戦というものを考え直してみたいということですね。運動の現場からはひとまず距離を置き、どうすれば、国境を超えた関係を作り出すことが出来るのか、色々な側面から考えてみたいということです。
2010/10/11(月) 午後 0:21
人類がもうちょっとだけ賢くなればいいとおもうんですが。あと、宇宙人をそそのかして地球に攻め込ませるという手もあるとおもいますが、方法が分かりません。
2010/10/11(月) 午後 0:26
その手は、頼りになる宇宙人が存在しない以上難しいですなあ。巨大隕石の落下がもっと現実的に起こりうることでしょうけど、我々が生きている間には起こりそうもないな。「国境を超える」に関しては、EUというモデルがあるわけだし、共同統治に関しては、歴史上も例がないわけじゃないし、今もありますから時間はかかっても、前に進むほかないと思います。
ただ、今回の件で明らかになったことは、遅かれ速かれ、憲法9条が改正されるのは確実だということでしょう。
2010/10/11(月) 午後 2:28
ふざけたようなコメントにレスありがとうございます。
ホントはあまりふざけてなくて、無力で哀しい気持ちなんです。
2010/10/12(火) 午前 0:29
気持ちは分かります。私は、運動仲間には、中長期的には中国脅威論にどう対処するかが重要だとずっと言い続けていたんですけど、彼らは反米が強すぎちゃってね。およそ反戦なら、どの国の軍備だって等しく批判しないと。北朝鮮は日米韓の動きに呼応しているところがありますが、中国はかなり自律的且つ戦略的に動いてますからね。外交レベルでしっかりしたパイプを作っておくことと、後は官製じゃない民間交流を盛んにやることでしょうね。
2010/10/12(火) 午前 1:39