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私がブラームスを「崇拝」しているのは、前にも書きました。中でも、この「ドイツレクイエム」は、もう心中しても良いくらい好きです。とりわけ、この最終楽章が、もう素晴らしい。たった一曲しか聴いてはならないという法律でも出来れば、迷わずこれです。どうしてこんなものが書けるのだろうか。もちろん、確固たる作曲技術の上に成り立った作品であることは言をまたず、その上に、母親の死に接した、ブラームスのインスピレーションも加わり、もう天から降り注ぐ、眩い光のようでいて、それで慈愛に満ちた、空前絶美の楽曲。ここまで美しければ、もう「乱調」もへったくれもないです。
ブラームスを尊敬してやまなかった、ドヴォルザークは、師のブラームスの事を「なんという偉大な精神。偉大なる魂。ああ、しかし、彼は神を信じない」と言って嘆きました。ブラームスはルター派のプロテスタントですが、不可知論者でした。ブラームスの師であったシューマンの妻クララは、「今日、また神の手によって送られてきたような人に出会いました」と、ブラームスのことを書いている。このレクイエムは、ルターによる聖書のドイツ語訳にもとづいたもので、レクイエムとしては例外的にラテン語が使用されていません。
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