|
東洋的な情緒を上手く出した、メルヘンチックな久石譲の音楽
韓国映画は、昨年来かなりの点数見てきて、その水準はもう、国際的なレベルでAクラスである。これは、朝鮮戦争がテーマの作品なのだが、同じ「南北分断もの」でも、『シルミド』や『シュリ』みないに深刻ではなく、笑いあり、涙ありのファンタジーである。韓国の映画だが、雰囲気は、ジブリのアニメに似ている。そういうわけで、音楽は、ジブリ御用達の久石譲であり、音楽を演奏しているのも、東京シティフィルハーモニック管弦楽団である。韓国では、相当数の観客を動員したヒット作である。
とはいえ、この作品を韓国で作るのは、『シルミド』と同様に、そう簡単ではなかったのではないか。これは、もろにアメリカ批判で、反共保守派からは、ファンタジーの名を借りた、反戦プロパガンダ映画だと揶揄されてもおかしくない内容である。この手の映画を作る勇気が、今の日本の映画界にあるとは思えない。それほどに、今、日本の映画界が作る戦争映画は、ダサいw。
「トンマッコル」と言うのは、架空の村であり、言わばこの世には存在しない桃源郷である。そこの住人は、戦いを知らぬ純朴な人達で、ただひたすらシンプルに考え、シンプルに生きている。そこに、北の戦士と南の戦士が迷い込み、さらに撃墜されて不時着したアメリカ兵一名が加わる。彼らは、当初お互いに敵対心を持ちつつも、村人たちの生活に溶け込んでいく中で、戦いを忘れ、人間性を取り戻してゆく。しかし、村が、連合軍(米軍)の標的になる可能性があることを知った兵士たちは、共闘して、陽動作戦を敢行し、自らを犠牲にして、村を救う。
この映画には、「頭が弱い」と劇中説明される、カン・へジョン演じるヨイルという名前の女の子が登場し、「頭が弱い」が故に、恐怖も、猜疑心も知らない、平和のシンボルとして登場する。彼女は、言わば妖精のごとき存在で、映画の重要なアクセントである。白い蝶が、いたるところに羽ばたく理想郷のトンマッコルでの、つかの間の平和。北朝鮮の兵士をこれほど人間的に描いた作品も珍しいだろうし、東洋的な味を上手く出した、久石譲の音楽が泣かせる。反戦大いに結構。この作品には、所謂グロい戦闘シーンは、ほとんど出てこないので、老若男女楽しめるだろう。しかしながら、例の「パルゲンイ」って言葉も登場するし、中高生あたりが見る場合、事情のわかる大人が説明出来ればなおのこと良い。英語で言う、PG13ってやつだ。
俳優陣は、いつものように熱演。特撮はややしょぼいが、演出と脚本は上々である。
|

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー







そういう、周りからちょっと浮いたような女の子が出てくるというと、エンデの『モモ』みたいな? とおもうんですが、どうでしょう、全然違いますか。
2012/11/6(火) 午前 9:46
んん、そうですね、『モモ』とはちょっと違うような。でも、この手の作品、どこかで見たことが−或いは、読んだことが−あるんですよね。導き手として、女の子が出てきて、その女の子は、ちょっと特殊な感じでって構図ですよね。日本にもあるような気がしますが、ちょっと思い出せません。ジブリ作品の影響は確実にあって、だから音楽を久石譲に任せたのだと思います。
2012/11/6(火) 午後 7:39
では『ナウシカ』でしょうか。
2012/11/7(水) 午前 10:56
ナウシカ戦闘美少女でしょ?これまた微妙に違うような。まあ、見ればわかりますよ。
2012/11/7(水) 午後 0:48