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五打席連続敬遠のことは書かないよ。前に書いたし。だが、松井の引退は、やっぱりさびしい。甲子園の逸材が、プロに入ってからっきしという例は結構あるから、松井がプロに入った当時、私など、ものすごく心配して、気が気ではなかった。だから、松井が、プロ初ホームランを打ったときのことは良く覚えている。ヤクルトの高津からだった。左に引っ張った打球が、ライナーで、スタンドに突き刺さった。「まさにゴジラ打法だね」と、当時の監督だった長嶋茂雄が試合後のインタヴューで語った。掛け値なしに大砲であり、MLBに行かず、日本でずっとやっていれば、通算本塁打700本は越えていたはずだ。松井に匹敵するのは、日本では、全盛期の清原くらいではないか。広島球場では、場外ホームランも放って見せた。球場が狭かった時代の、王、田淵、山本浩二あたりとは単純に比較できないだろう。
松井がメジャー行きを、ジャイアンツとのすったもんだの末に決めた年、日米野球があった。昔、二年に一回やっていたあれだ。あの、日米野球が、松井のプロ野球選手としての日本での最後の舞台だったのだが、最終試合が終わった後、テレビのカメラが、肩を震わせて泣いているジャイアンツファンの姿を映していた。別にジャイアンツファンじゃないが、その気持はなんとなくわかった。イチローがメジャーに行った時以上の感慨を、私は松井のときには感じていた。松井は、或る意味、日本の野球ファンの夢を載せてメジャーにいったのだと思う。正直に言うと、私は、子供のころから、日本のプロ野球が、来日するメジャーの球団やメジャーのオールスターチームに、ホームランで勝てないことが凄く悔しかった。ボルティモア・オリオールズのエディ・マレイや、カンサスシティ・ロイヤルズのジョージ・ブレッドらの、ど迫力のホームランをみる度に、「王、田淵。あいつらの度肝を抜くホームランを打ってくれ!」と思ったものだが、日本の選手が打つと、王でも山本浩二でも、スタンドすれすれに入る、イマイチのホームランが多くて、なんとなく、しょんぼりしたものだ。まあ、今にして思えば、素朴でマッチョなナショナリズムなのだが、野球が好きな日本人なら、たいてい、同じように思ったのではないか。
とまれ、野球の華と言えば、やっぱりホームランだ。王貞治が、世界記録を塗り替えたなんていってるのは、日本人だけだ。だから、多くの日本人は、松井が、メジャーで、ホームランを40本、50本打つところを見たかったのだと思う。松井が、メジャーで打つホームランの一本一本には、単にホームラン以上の意味があった。日本の野球人は、よく昔、「本当のワールドシリーズを!」という言葉を使ったものだ。それは、多分に、こちらの勝手な「思い上がり」だったのだけれど、日本の選手がメジャーに行くのが当たり前になり、WBCで二連覇までした今日、そんな言葉も聞かれなくなった。思うに、松井は、本人の意思とは無関係に、野茂、イチロー、松坂以上に、「本当のワールドシリーズを!」という、日本の野球ファンの夢を背負ってメジャーでプレーした野球選手だったと思う。
今後は、その経験を、指導者として生かしてほしいと思う。間違っても、選挙とか出ちゃダメよ。
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えっ。ヤだそんな、選挙だなんて。ないですよね……。
2012/12/29(土) 午前 4:51
スポーツ選手が政治をやるとロクなことがありませんからね。ま、彼は野球界の大物だから、そんなことにはならないと思いますけど。
2012/12/29(土) 午後 11:03
中畑や堀内のようなお調子者とは違いますよね。
2012/12/30(日) 午前 5:24
彼は、わりと責任感のあるタイプだと思いますよ。控え目なところがありますから。挫折も経験したから、良い指導者になれると思います。
2012/12/31(月) 午前 11:53