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相当ひどい労働環境である。いや、なに、日揮のことだ。別に、日揮に限らず、海外で開発に従事している労働者の住環境はかなりひどいいらしい。先程、ニュースで見ていたが、あれが居住区なのだそうである。誤解を恐れずに言えば、震災地の仮設住宅以下である。アメリカあたりのアンダークラスが住むトレーラーハウスにすら及ばない。中は、簡単なベッドにトイレと簡易給湯施設のみ。敷地内は、フェンスで囲まれているのだろうが、刑務所のようなものである。
もちろん、彼らの金銭的待遇は悪くない。立場にもよるだろうが、平均年収一千万円は超えるらしい。派遣労働者は、そこまで行かないかもしれないが。その意味では、国家的犯罪に等しい原発事故のしりぬぐいをしている、発電所現場の末端労働者よりはましかもしれない(もっとも、日揮は核燃料関連の事業もしているらしいが)。しかし、それを勘案したとしても、他にチョイスがないか、その土地に執着があるとかなら別だが、あれでは割に合わず、任期を全うして、帰国する労働者は、刑期を終えて娑婆に出てくる囚人のような心持なのではないか。土地に執着もなにも、木一本見えない砂漠である。外出も概ね禁止なのだから、土地の人とのふれあいなんてのも、皆無に等しいだろう。そもそも、どこに何者がいるかわからないような場所だ。
一日のうちで、楽しみは、飯を食う時ぐらいってのを、以前東南アジアで似たような業務に従事していた人から聞いたことがあるが、肉体労働者が多く、それも各々言葉がことなる多国籍集団で、酔っぱらうとトラブルが起こるので、酒も飲めない。ご家族は、こういう心境だろう。「会社の命令なんだから、しょうがない。なんとか任期を終えて、無事に帰ってきて欲しい」。農業で食えなくなったアメリカ人が、高給だってんで、バクダッドあたりに赴任して命を落としたりしたが、あれに近い。 私はアメリカに3年住んだ。心配性の祖母は、その間、撃たれるようなこともなく、無事に帰ってきて欲しいと思っていたそうである。撃たれはしなかったが、車にはねられて死にかけた。しかし、心配をかけたくなかったので、それを祖父母に伝えたのは、帰国してからだった。3年教えなかったのである。それと、メインストリートの南側の、低所得者が住む、治安の悪い地域に住んでいたが、それも教えなかった。大学が運営する既婚学生用のアパートだが、周囲は、5メートルを超える高さの金網で囲まれ、入口にはセキュリティスタッフが24時間常駐している。そんな場所だった。夜、外を歩き回るなんてことは出来ない。それでも、敷地内は広く、緑もあり、動物園並に環境は良かった(笑)。
日揮のあの居住区の建物は、もうはっきり言って、ヨドコウの物置レベルである。福利厚生の常識からいっても、もう少しまともな住環境にすべきじゃないのか、というようなことを言いたいわけじゃない。御本人達も、そこは百も承知で赴任しているのだろうから。企業なんてのは、システム論的に言えば、軍隊とそう変わらない。辞令を断れば、出世も出来ない。要するに、言いたいことは、あれでは、外からの襲撃に対する耐性がものすごく低そうだということだ。銃撃が始まった時、部屋に閉じこもっていて、難を逃れた人ってのがいたそうだが、そりゃあんな独房みたいなのが、100も並んでいるのである。通気口に毛の生えたような窓しかない。その中に隠れていたほうが見つかる可能性は低いってこともあるだろう。
テロ攻撃ってのが、許せない所業であるのは明らかだが、亡くなった方の中には、アルジェリア政府の「救出作戦」の犠牲になった方もおられるはずだ。「テロリストには妥協しない」の一言で正当化されてはたまらない。そう言いたい遺族の方もおられるだろうが、それすら言えない雰囲気だろう。そもそも、マスコミは取材を抑制するようであるし、直接的な死因も公表されない。確かに、こういう場合、日本のマスコミは、プライバシーもへったくれもない、無茶苦茶な取材をする場合が多いのではあるが、それにしても、これはかなり異常な雰囲気だ。
ところで、ビシッと背広を着た、会社のお偉いさんが、記者会見で喋っていたが、あんまり会社を擁護する気にはなれない。政府は、自衛隊を送りたくてたまらないわけで、今夜のNHKの報道番組にも、かなり露骨にそれをヨイショする外務省出身の方が出演されていたが、そんなことをしても、双方の死者が増えるだけである。やるべきは、超危険な地域には進出を控えるか、さもなければ、建設業者を送って、周囲に堅牢な壁を築くことだろう。しかる後、アウシュビッツ並に、施設の要所に監視塔を配置し、「有資格の」現地武装警官だか軍人だかを配置する。この度は内通者がいたらしいから、監視塔の銃器は施設の外側と内側の両方を向いていたほうがいいだろう。緊急時の地下シェルターもあったほうが良い。外部と連絡が取れるようにして、少なくとも、一か月は過ごせる食料も備蓄しておくと安心だ。
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萬の事
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そうですね、テロに屈しないといって立ち向かうのじゃなくて、テロに負けない環境を整える方がずっといいとおもいます……。
2013/1/27(日) 午前 6:37
現地完全撤退も、自衛隊派遣も、なんとなく話の寸法が合ってないと思うんで、まあ、防御を強固にするのが一番でしょう。自衛隊派遣ってのは、結局、軍事の世界展開への下心が見え見えで、格差が広がれば、食っていけない人は、「軍」に吸収されざるを得なくなりますからね。アメリカがそうなってますから。自分で行かなくていい人は、そりゃ気楽に色々議論できますけどね。
2013/1/27(日) 午後 10:03