錯乱気流

無茶苦茶忙しいやんけ・・・

萬の事

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パク・ヨンハという歌手・俳優がいた。『冬のソナタ』で、ぺ・ヨンジュンの恋敵役をやって、日本でも一躍有名になって、一時期は、日本が活動拠点と言えるくらいに、日本での活動が活発になっていた。もちろん、『冬のソナタ』を去年の秋に初めて見た私は、パク・ヨンハのことなどたいして知らなかった。結果から言えば、彼は、2010年に自ら命を絶ってしまった。日本でも有名だったから、大きく取り上げられたらしいが、韓国のドラマなどに、ちっとも興味のなかった私は、そのニュースさえ知らなかった。川口市でのコンサートがあって、その後東北あたりでも公演が予定されていたのだが、全ては、追悼イベントに変わったようだ。つまり、日本での仕事の合間、韓国に一時戻った、そのわずかな間に帰らぬ人となってしまったわけで、原因につていは、事務所のトラブルとか、父親を癌で亡くしたこととか、徴兵を猶予されて、それで世間から悪口を言われたとか、当時色々言われたが、全ては憶測にすぎない。

彼のご母堂が、主に日本ファン向けに書いた手記が本になって出ている。読んでみたが、私なりに気になった部分がひとつだけある。それは、彼が、母親に、次のように語ったというくだりである。

「僕は韓国人として日本で活動しているけど、もう韓流スターとか、韓流ブームというものからは、別のところに歩んで行きたい。出来れば、自分が好きな安全地帯やTUBEのように、普通にJ−POPシーンに受け入れられる歌手になりたいと思う」

これは、かなり重大な意味を持つ発言だと思う。結論から言えば、「それは難しい」。どれほど素晴らしい日本語の発音で歌ったとしても、J−POPとして受け入れられるかどうかは、やはり別問題のように思う。別に、J−POPが、K−POPより優れているとかそういう問題じゃなくって、彼のアイデンティティの問題である。キム・デジュン以降、韓国では、日本の大衆文化が、制限付きながら流入するようになり、尾崎豊とか、安全地帯とかはかなり人気を博した。ZARDやSPEEDもそうだ。今でこそ、アイドルあたりになると、むしろK−POPのほうがクオリティが高いとさえ言える状況となっているが、パク・ヨンハが青少年時代を送ったであろう90年代、日本の大衆文化シーンは、韓国人にとっては、アメリカのそれと並んで、まさに憧れの地であった。数多くの、韓国の青年が、日本の音楽シーンから受けた影響は、やはり無視できないはずだ。

「J−POP」として受け入れられる」というのは、二重の意味で困難を生ずる。まず、日本のほうで、芸能関係者やファンが、そのようには捉えない可能性が高いということだ。どんなに曲が売れて、どれほど公演が満員になって、どれだけテレビに出ても、やはり「K−POPシンガー」という枠で括られることになるだろう、と。つまり、「J−POPとして受け入れられたい」というほどに、日本の音楽シーンからの影響を内面化している場合、韓国人であるというアイデンティティとの間に大きな葛藤を抱えることになるだろうと想像出来るのである。それと、やはり韓国での彼の立場も苦しいものにならざるを得ない。それは、韓国社会には、日本の大衆文化から影響を受けてはいても、それをおおっぴらに公言出来にくいような雰囲気が、まだ色濃くあるのである。もちろん、それには歴史的経緯があるわけで、我々日本人が、それについてどうのこうの言う資格を持たないのは言を俟たない。

特に、彼のように、兵役を免除された経験があり、そのことで非難され、あまつさえ、韓国より、日本での活動のほうが活発となると、韓国人としての彼のアイデンティティにも、どこかで亀裂が入った可能性がある。さりとて、日本にいても、日本人として認められるわけではない。人気だって、いつまでも持続するわけではないから、韓国での居場所のことも考えなくてはならない。つまり、自分のアイデンティティの置きどころが危うくなり、自己喪失してくる可能性があるのである。そういう、自己の帰属意識を巡って葛藤する人ってのは確実にいて、作家なら、鷺沢萌などがその類だろう。パク・ヨンハは、『冬のソナタ』に出たことにより、日本でも有名となり、また、彼には、圧倒的な美声と歌唱力があった。あれほどブレイクせず、日本での活動も限定的だったなら、「もしかして」と、思ってみたりする。

アメリカにいたころ、担当の教授から、「アメリカで研究者としてやりたいのなら、やはり日本人であるということをプラスに行かせる分野が良い。日米関係とか、日本文化とか」と、言われたものである。つまり、普通に、合衆国憲法成立史や南北戦争の歴史とか、そういうものを教える方向性はやはり困難だというわけだ。つまり、アメリカで仕事をするにしても、自分の「日本人性」というものは常について周って、周囲もそのように私を見るから、そこから逸脱しないほうが、仕事は探しやすいってことだ。理科系ならまた別だけれども。よく、「○○ハリウッド進出」みたいな文句があるけれど、例えば、渡辺謙だって、やっぱり、日本の俳優と認識されているだろうし、そういう扱いだと思う。そもそもアジア系だと、主役級としての役どころは、ほとんどないわけで。

こっから、安倍晋三のことに話をつなげようと言う魂胆なのだが、パク・ヨンハとなんの関係がと、ファンから怒られるかもしれない。いや、コアな韓流ファンで、自民党に投票した方もおられるだろうから、別によろしいか。でも、つながりはないわけじゃない。安倍夫人の明恵さんが、誰よりも会いたがった韓国の俳優が、パク・ヨンハだったらしいからである。安倍氏自身も、韓国とのつながりは陰に陽にある。彼も、かなりアイデンティティがねじ曲がっていて、それは彼の精神を確実に蝕んでおり、このままいくと、彼の身に、何か重大な問題が起こるのではないかと、彼には批判的な立場とは言え、ちょっと心配したりもする。精神的には、相当頽廃が進んでいると思う。別に、私がぶっ壊れても、迷惑をかける範囲は限定的だが、安倍は、日本と言う一国の総理であるから、ぶっ壊れた場合、及ぼす被害が甚大となる可能性もある。この捻じれたアイデンティティを抱えて、このままどこまで行けるのか。彼自身、自らを解放する必要があるが、もうあの年では無理だろう。では、具体的にどう捻じれているのか。そのあたりについては、次にゆずりたいと思う。













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