錯乱気流

無茶苦茶忙しいやんけ・・・

萬の事

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国と国の関係を考える時、私は、だいたい身近なところから判断するようにしている。結構それで当たっている場合が多い。一番良いのは、ネットとかテレビを離れて、街に出ることだ。別に横浜や新大久保に行く必要はなく、アキバとか、早稲田とかで十分である。

私の場合は、非常勤で週に一回しか出講しない大学だが、外国人の留学生がたくさん集まるところにいるので、彼らと付き合っていると、だいたいのところはわかる。そういう性格の大学だからだ。一応言っておくと、留学生が増えたのは、ここ10年の傾向で、これに一番貢献したのは、小泉・安倍自民党政権である。一番多いのは中国で、その次が韓国。それから東南アジア諸国。それと、ヨーロッパだが、中でもフランス。日中韓共同教科書の件が始動しはじめたのも小泉・安倍政権からだったと思う。

で、今尖閣でごちゃごちゃやってるから、来年度からコマ数が減るかもと戦々恐々としていたら、教務によれば、全然影響なく、例年通りの出願状況なんだそうな。一度、留学生だけのクラスも教えたことがある。だいたい英語でディスカッションなので、こっちは聴いているだけなんだけど。

まず、韓国の学生なんだけど、彼らは、だいたい保守政治家が嫌い。つまり李明博とかに対しては批判的であるってこと。これは若い人ほどそういう傾向がある。その理由はというと、「李明博になってから徴兵期限が延びた」とかそういう自分の生活に関わることだったりする。それと、若い世代の場合、日本に対して批判的な気持ちを持つのは、だいたい竹島関連で、日帝の植民地支配ってのはそれほどでもない。というのは、彼らにとっては、朝鮮戦争ですら、とお〜い昔の話で、ましてやそれ以前のことってのは実感がわかないのである。これは、日本の若い世代にとって、60年前の敗戦や占領期がピンとこないのと同じ。ましてや、沖縄が、1972年までアメリカ領だったなんてのは、ほとんど他人事である。

彼らの教科書は、日本の圧政よりは、むしろ独立運動のほうに力点が置かれた記述がなされている。三・一三独立運動のことなんかは、知識としては当然知っているけれど、大事なことは、韓国ってのは、日本を上回る暗記教育の社会である。だから、折角民族の独立史が教科書には書いてあっても、試験のツールに堕してしまっているので、その意味するところをそれほど理解しているわけではない。この辺りは、結構お互い様である。「反日をだしに、民族主義を煽っているようなところもありますからね」なんて、ものすごく冷静な発言をする学生がいたりする。と、思ったら、「先生、日本政府はなぜウソをつくんですか」などと抗議めいたことを言う学生もいる。そういう場合、私はだいたいこのように言う。「あなたは、独島を自国領だと言うけれど、日本の主張や韓国の主張を裏付ける文書書類に一応目を通した結果言ってるんですか。そうじゃなきゃ、自国の言ってることは無条件に正しいっていう、一種の宗教じゃないですか」と。「先生はどうなんですか?」と聞かれた場合、「私は、この問題の専門家じゃないが、とりあえず、10指に余る二次文献を読んでみたところ、どっちとも言えず、微妙だと思う」と答える。別に、問題をはぐらかす意図はない。そう思うからである。女の子は、ファッション等に興味があって、日本の若い女の子とあんまり変わらない。男性学生は、ものすごく礼儀正しい。韓国では、教員の権威が日本より高いし、彼らは、徴兵制を経験したりしていて、そういうところはきちんとしているのである。

中国の学生と言っても、中国ってのは、もうこれは一つの国と呼べるような代物じゃない。地域によって言葉もちがうし、考え方もちがっている。だいたいの学生が、政治的なことにはあまり興味がない(笑)。ある人もいるけど、我々がテレビあたりでみて感じるほど強硬に考えているわけじゃない。一人の学生は、はっきりと「あ、私、中国共産党好きじゃないんで」と言った。そういう若者も増えているんだろう。卒業後も中国に帰るつもりはないんだそうだ。もう7年日本にいて、英語も日本語も相当出来る学生もいる。普通の日本の学生だと太刀打ちできないレベルだ。総じて、日本の学生のほうが内向きだと思う。

東南アジア、例えば、マレーシアとかインドネシアの学生だと、日本の戦争責任のことは彼らもよく学んでいて、日本の学生がこの問題をよく知らないことについて、苦笑いする。「これほど知らないとは思わなかった」という、ある種のあきれ顔というか。まあ、今にはじまったことじゃないけど。実際に交流するってのは、やっぱり大事だ。

もちろん、私は、私なりの動機によって、日本の戦争責任については行動してきているし、今後もするつもりだ。こういうことは、「ほっといてもなんとかなるだろ」って態度もOKだし、そういうこともあるかもしれないが、やはり能動的に活動している市民の力も無視できないし、その蓄積については、英語やハングル等を使って、国際的にもアピールしていかなければと思っている。日中韓(朝)の問題は、本当なら、60年代~70年代に、解決していなくてはならなかった類のものだが、冷戦期で、お互い当事国の思惑もあり、経済優先で、色々大事なことを棚上げにしてきて、それが今くすぶっている。私は、40代後半だが、私の世代で受けついて、後に渡していくしかないだろう。排外主義的空気が強くなれば、それに対抗できるカウンターの形成は大事なので、マスコミが委縮しているなら、市民がやるしかないでしょうよ。

後、語学と「赦し」について何か書きたいが、それはまたいずれかの機会に。とまれ、私の場合、書物とかネットの情報よりかは、やはり生身の付き合いから考えて行くってのが基本で、それが性にあってるし、そのほうが、理念が肥大化せずに、足に地をつけて行動出来る。それと、いつも学生に言うんだが、一時期閉じこもってもいいけど、最終的には外に開けよ、と。個人でも、閉じこもると、色々と妄想をしてしまう(笑)。「書を捨てて街にでよう」じゃないけれど、コンピューターから離れて、街を歩き、人の息吹を実感として感じとる方がよっぽど良かったりする。







閉じる コメント(2)

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来年度のコマ数確保、慶賀☆
もっと増えてもいいとおもうんですけどね。
忙しくなるので厭ですか(クスクス)☆

2013/2/14(木) 午前 9:37 ゆまりん

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非常勤の中には、3〜4校かけ持ち20コマくらい教えている人もいますが、それは収入にはなっても悲惨で、クオリティは落ちます。私の場合最大で12コマですね。今は色々あって10コマに抑えてます。

2013/2/15(金) 午前 6:52 och**obor*maru


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