|
ベートーヴェンのピアノソナタはどれも好きで、ひとつだけ選ぶことは困難だ。32番は本当に素晴らしいし、「狩り」と呼ばれる18番は、ハスキルやルービンシュタインなど、必ずしもベートーヴェン弾きとして認知されていないピアニストも好んで弾いた。24番や「かっこう」の副題がついた25番なども好きだ。4番の静謐なラルゴも捨てがたい。でも、どうしてもひとつ選べと言われれば、27番を挙げる。これは、ベートーヴェンのソナタには珍しく、速度表記ではなく、ドイツ語で「生気をもって、そして終始感情と表情をもって」「速すぎず、十分に歌うように演奏すること」と記された、2楽章構成である。決然とした第一楽章も魅力的だが、なんと言ってもシューベルト風の歌謡性を持った、第2楽章は非常に魅力的である。シューベルトの13番ソナタにつながる歌の世界がここにはある。バックハウス、ゲルバー、アシュケナージ、アラウ、ブレンデル等、いろいろ聴いてみたが、結局ここはウィルヘルム・ケンプの60年代の録音(DG)に軍配を挙げざるを得ない。ここでケンプは、まさに羽毛のようなタッチで魔法のような歌を紡いでおり、それまでBGMのように聴き流していたこの曲の本当の魅力を教えてくれた。私にとっては宝物のような録音である。 |

- >
- エンターテインメント
- >
- 音楽
- >
- 音楽レビュー







うちの赤ちゃん用のおもちゃに、この曲の第2楽章のメロディが使われていて好きになりました。ただ、28番以降の5曲には規模、内容ともに及ばないという認識でした。バックハウス、グルダ盤などを聴いていますがケンプ盤を聴いてみることにします。
2006/7/22(土) 午後 6:24
27番は閑話休題といった作品ですね。27番でのケンプは素晴らしいです。絶品です。バックハウスよりもシュナーベルよりも良いと思います。
2006/7/22(土) 午後 9:11
ケンプですか。私はバックハウスとリヒテルをもっています。リヒテルのヤツが笑えるほど破天荒でおもしろい(笑)
2006/11/8(水) 午後 10:16
百珍さん、リヒテルのベートーヴェンはあまり聞かないんですが、バックハウスは一部持っています。バックハウスとケンプでは、音楽の作り方がかなり違いますね。ただ、27番に関してはケンプは素晴らしいです。
2006/11/9(木) 午前 0:27