錯乱気流

無茶苦茶忙しいやんけ・・・

映画

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]

これ全部見るのに半年以上かかった。全部で165話である。なぜこれほど時間がかかったかと言うと、あまり面白くなかったからである(笑)。ところが、つまらないかと言うとそうでもなく、そこそこなので、やめるにやめられず、結局最後まで見たわけだ。しかし、これを見た一番の動機は、やはりイ・スンヨンが主演だからだ。彼女は、韓国軍事政権下に起こった光州民衆抗争を扱った『砂時計』に出演して、一躍人気者となったが、それ以前にも、高度経済成長下の韓国を背景にした、名ドラマ『初恋』にも出ていて、名女優の一人と言える。光州民衆抗争に関しては、全羅道の道庁政府ビルに、実際武装してたてこもり、韓国軍と対峙した経験者の一人から、以前、話を聞いたことがある。まさに、現場は阿鼻叫喚の様相を呈していたようだ。韓国市民は、徴兵を経験しているので、ああいう限定的な市街戦になると、結構強いらしい(笑)。笑いごとじゃないが・・・。いずれにせよ、韓国の民主化闘争に興味がある方は、是非『砂時計』をご覧いただきたい。あれは、私がこれまで見たドラマ作品でも、確実にベスト10に入るものだ。

で、この『スカーレットレター』だけど、典型的な韓国ドラマで、男女の愛憎劇である。しかし、盛り上がりに欠け、最初の50話など、似たような話が延々と続き、今の日本だと確実に途中打ち切りとなる類のものだ。韓国の場合、視聴者の感想などに従って、筋を変えたりすることがあるようだが、この作品は、まさにそうであった可能性が高い。冒頭で、主要登場人物の、女優チャ・ヘラン(キム・ヨンジュ)と、同棲相手の脚本家チャン・ジェヨン(キム・ヨンホ)が、前者の妊娠・堕胎を巡って、別れるシーンが示され、そこに、後者の元カノであったハン・ギョンソがジェヨンと寄りを戻すこととなるが、ヘランはジェヨンを諦めておらず、ジェヨンを巡って、二人の女性の闘争が始まるというわけだ。そこに、ドラマ監督のイ・ドンジュ(チョ・ヨヌ)が絡み、三角関係ならぬ、四角関係となる。韓国ドラマに多い、家族や子供の問題も登場し、それなりに面白いが、やはり起伏がなく、全体に平坦なのと、脚本が甘いのが痛い。演技も、ちとわざとらしかったりする。セットと外部ロケの併用だが、撮影角度も限定的で、これまた起伏がない。

ただ、韓国のドラマを見ていて面白いのは、息子や娘が世間的に申し訳の立たない行動をしたりすると、親(特に母親)が、「なんて子なのあたなは。私と一緒に死にましょう!」と、いきなり、話が「心中」までぶっ飛ぶことである。ところが、あれは、お決まりのセリフで、別に本当に死ぬわけじゃない。要は、子供の不忠は家族の問題と言うわけだ。それから、非がある登場人物には、だいたいそれ相応の罰が最後に用意されているのも面白い。

これは、ドラマの作成現場が背景になっているので、或る意味劇中劇の体裁だけど、しかし、よく165話も引っ張ったなと思う。しかし、長いということには、それなりの利点もある。見ているうちに、登場人物にだんだんと親近感がわいてきて、最後のほうになると、なんとなく去りがたいような気分がしてくるからだ。これだけ長いと、子役が、作品を通じて成長しているのまでわかる。身長も伸びてるし。南伸介似のベテラン俳優ペク・イルソプが出てくる。日韓共作ドラマの話も、背景として同時進行していて、日本マーケットを意識した部分もある。作中、ある俳優が、日本の女性との間に隠し子を作っていたということが発覚し、マスコミの餌食になるなんて話まで出てくる。それから、韓国の愛憎劇では、妊娠、堕胎等が重要な役割を果たす。妊娠してしまえば、女の勝ちみたいな・・・。この作品も例外じゃない。

あと演技で気になったのは、チャ・ヘランを演じるキム・ヨンジュだが、この方、セリフを言うときに、ややリップノイズが多すぎると思う。特に、口をあけるときに「ネチャネチャ」と音が出る。これは、放送の世界では、わりと一般的なのだが、アナウンサーでも、俳優でも、女性のほうがリップノイズが出やすいと言われている。理由はわからない。しかし、これもその日の調子とかによって違ったりするので一概に言えない。ドラマ制作会社の社長役をやるノ・ヨングクは、大変低い安定した声を維持出来る人で、舞台経験なども豊富に違いない。それから、病気とかがある場合、「アメリカに行けば直せる」とか言うセリフが出てくるし、韓国に居場所がなくなった人物の行先は、大抵、アメリカ、イギリス、フランスあたりである。

韓国のドラマは、90年代のものが、独特のノワールな雰囲気があって良いと思う。最近は、なんだかラブコメが多くなって、『砂時計』並の重厚かつシリアスな作品は少なくなったように思う。

開く トラックバック(1)


KBSの『冬のソナタ』は、プロットそのものは、「赤いシリーズ」路線なんだけれど、その雰囲気というか、ディテールは、やっぱり、この『Love Letter』の影響をがあると思う。もちろん、『冬ソナ』には、『冬ソナ』のオリジナリティーがあるけれど、「雪」「記憶」「初恋」などのキーワードで一致するし、特定の場面で、「あ、似てるな」と、思うところがある。

『Love Letter』は、掛け値なしに名作で、特に、韓国において、岩井俊二の名声は絶対である。『Love Letter』のことを語り出すと、止まらなくなる人がいる。特に女性に・・・

この作品が成功したのは、何といっても、映像にあると思う。北海道の小樽は、結構映画のロケ地になるけれど、上手くいいってないものもある。しかし、この作品の場合、篠田昇の撮影は見事の一言で、明暗、遠近の使い方が絶妙である。篠田昇が、若くして世を去ったのは、本当に残念だ。彼は、自分流を貫くタイプの撮影監督だったらしく、岩井は結構、口を挟まず、任せていたようだ。

プロットは、ドッペルゲンガーが主題で、かなり荒唐無稽なんだけれど、不思議と不自然さを感じさせず、「大人の寓話」としては、まずは完璧な仕上がりである。音楽を担当したのは、Remedeiosだけど、このOSTをBGMに仕事をする人は多いのではないか。音楽も、この作品の価値を高めている。

主演の中山美穂は、一人二役だけれど、まるで違う女優が二人いるようで、彼女からここまでの演技を引き出した岩井俊二の実力には驚く。彼は、最近吸血鬼の映画を撮った。私は、岩井俊二の作品は全部見ているが、最新作の『Vampire』は、まだ見ていない。

ところで、リンクした映像は、プレビューの韓国版だが、ハングルを、こういう書体で縦に書くと、実に美しい。





    東洋的な情緒を上手く出した、メルヘンチックな久石譲の音楽
 
 
 韓国映画は、昨年来かなりの点数見てきて、その水準はもう、国際的なレベルでAクラスである。これは、朝鮮戦争がテーマの作品なのだが、同じ「南北分断もの」でも、『シルミド』や『シュリ』みないに深刻ではなく、笑いあり、涙ありのファンタジーである。韓国の映画だが、雰囲気は、ジブリのアニメに似ている。そういうわけで、音楽は、ジブリ御用達の久石譲であり、音楽を演奏しているのも、東京シティフィルハーモニック管弦楽団である。韓国では、相当数の観客を動員したヒット作である。
 
とはいえ、この作品を韓国で作るのは、『シルミド』と同様に、そう簡単ではなかったのではないか。これは、もろにアメリカ批判で、反共保守派からは、ファンタジーの名を借りた、反戦プロパガンダ映画だと揶揄されてもおかしくない内容である。この手の映画を作る勇気が、今の日本の映画界にあるとは思えない。それほどに、今、日本の映画界が作る戦争映画は、ダサいw
 
「トンマッコル」と言うのは、架空の村であり、言わばこの世には存在しない桃源郷である。そこの住人は、戦いを知らぬ純朴な人達で、ただひたすらシンプルに考え、シンプルに生きている。そこに、北の戦士と南の戦士が迷い込み、さらに撃墜されて不時着したアメリカ兵一名が加わる。彼らは、当初お互いに敵対心を持ちつつも、村人たちの生活に溶け込んでいく中で、戦いを忘れ、人間性を取り戻してゆく。しかし、村が、連合軍(米軍)の標的になる可能性があることを知った兵士たちは、共闘して、陽動作戦を敢行し、自らを犠牲にして、村を救う。
 
この映画には、「頭が弱い」と劇中説明される、カン・へジョン演じるヨイルという名前の女の子が登場し、「頭が弱い」が故に、恐怖も、猜疑心も知らない、平和のシンボルとして登場する。彼女は、言わば妖精のごとき存在で、映画の重要なアクセントである。白い蝶が、いたるところに羽ばたく理想郷のトンマッコルでの、つかの間の平和。北朝鮮の兵士をこれほど人間的に描いた作品も珍しいだろうし、東洋的な味を上手く出した、久石譲の音楽が泣かせる。反戦大いに結構。この作品には、所謂グロい戦闘シーンは、ほとんど出てこないので、老若男女楽しめるだろう。しかしながら、例の「パルゲンイ」って言葉も登場するし、中高生あたりが見る場合、事情のわかる大人が説明出来ればなおのこと良い。英語で言う、PG13ってやつだ。
 
俳優陣は、いつものように熱演。特撮はややしょぼいが、演出と脚本は上々である。
 
 
良くこの映画を作ったなと思う。日本では、戦争にまつわる痛みの記憶を、これほど呼び起こす作品は作れないし、その気力もないだろう。とにかく、「えげつない」。韓国に戦後は存在しない。実際朝鮮戦争は今も休戦状態だし、徴兵制は厳然として存在している。韓国は、ベトナム戦争に、アメリカに次ぐ大規模な派兵を行い、その傷から完全に癒えているとは言えない。日本がこれに無関係だったかと言うと、そんなわけがないのである。ベトナム戦争期、日本は米軍の前線基地として機能し、戦場には日本製のトラックやジープが走り回っていた。日本が、直接派兵しなくて済んだのは、集団的自衛権の行使は、「理論上可能だが、実際は不可能」だったからである。
 
この映画に、「パルゲンイ」という言葉が何度も出てくる。これは共産主義者の蔑称である。日本で言う「アカ」に近い。韓国は、イ・スンマン、パク・チョンヒ、チョン・ドファンと、強圧的な軍事政権が続き、その間、言論の自由は事実上封殺されていた。もちろん、彼らは、アメリカの傀儡であり、日本の歴代自民党政権とも縁が深い。ロナルド・レーガン−チョン・ドファン−中曽根康弘は、事実上の「お仲間」だし、リチャード・ニクソン−パク・チョンヒ−佐藤栄作もしかり。要は、「反共」で、彼らの利害は一致しており、韓国と日本は、「北東アジア」における、共産主義に対する防波堤であったわけだ。韓国では、民主化への闘争は、「パルゲンイ」の一言でかたずけられ、ひとたび、「パルゲンイ」と認定されるや、連座制によって、親兄弟や言うに及ばず、親族まで排斥される状況が現実に存在し、済州島(チェジュ島)や全羅道(チョルラド)では、それぞれ、4・3事件(1948年)、光州民衆抗争(1980年)が起こり、合わせて万単位の死者を出している。日本の場合、共産主義者への弾圧は、戦前・戦中の特高警察までさかのぼるが、韓国ではつい最近まで、これで死者を出すような状況が現実にあったわけで、その「えげつなさ」は、特高警察に匹敵するか、或いは、それを上回る。
 
『シルミド』は、1971年8月に起こった実尾島(シルミド)事件をベースにした作品だが、以上のような韓国の「戦後史」を頭に入れて見れば、大変状況が良く分かる。もちろん、映画だから、史実をもとにしたフィクションであり、あくまでエンタメである。しかし、実尾島事件の顛末をかいつまんで書けば、「シルミド」とは、パク・チョンヒ政権下において組織された、北派工作部隊であり、実在していた特殊部隊で、実尾島という島で訓練が行われたことから、そのように呼ばれている。これは、1968年に起きた、北朝鮮特殊部隊による青瓦台襲撃事件を受け、その報復として組織されたもと言われている。金日成暗殺を目的としたが、朴政権が途中で平和統一路線に転換したため、「用無し」とされた。映画では、国家に見捨てられ闇に葬られそうになった部隊が、実尾島を脱出し、バスを乗っ取りソウルを目指したが、途中で韓国正規軍と交戦状態となり、手榴弾で自爆するという、実に痛ましい展開となる。史料公開が十分ではなく、未だ詳細は不明だが、ただ、言える事は、1980年の光州民衆抗争と合わせて、この実尾島事件も、政権と御用メディアによって、「パルゲンイ」の仕業とされたということである。
 
映画では、青瓦台襲撃に加わった北の工作員を父親に持つ主人公が、部隊の教官から「パルゲンイ」扱いされるシーンが出てくる。もちろん、この部分はフィクションで、実際にそういうことがあったわけではないが、南北分断の痛みは十分に伝わってくる。実際、韓国には、光州民衆抗争を扱った『光州5・18』や、4・3事件のドキュメンタリー『RED HUNT I』 『RED HUNT II』なども作られており、後者は日本でも市民団体によって自主上映された。これらの映画を見ることにより、韓国の「戦後」の民主化闘争のあらましをだいたい知ることが出来るが、この『シルミド』もそうだが、かなり凄惨な描写が出てくるので、そのような映像に耐えられない向きは避けたほうがよろしいかと思う。アメリカの『ハンバーガーヒル』 『プラトゥーン』 『フルメタルジャケット』なども、かなりのもんだが、「痛み」と「哀しみ」の表出において、この『シルミド』はまことに優れている。やや、センチに流れたところもな気にしもあらずだが、俳優が全員熱演しており、本当に彼らの演技は素晴らしい。何より、発声が本格的で、もうそっから日本の俳優はかなり後塵を拝する。脚本、映像ともに優れいている。ドラマ『復活』や『魔王』でスターダムにのし上がった、オム・テウンが出ている。
 
このような作品を作らせると、今や韓国は、日本より優れたものを生み出せる。なにより、俳優の「ボイス」が力強い。K−POPやドラマなどでもそうだが、80年代初めまで、大した娯楽もなかった韓国が、短期間の間に、これだけのものを作り出せるようになったのは、まさに驚異としか言いようがない。しかし、韓国の、「戦後」の民主化闘争史は、全てが墓標であると言っても過言ではない。韓国人と付き合うということは、こうしたことが心に刻印されている彼らに直接向き合うということに他ならない。
 
 
 
東野圭吾の同名小説を原作とした映画作品である。日本でも映画化されているが、韓国版のほうが製作時期、公開時期共に早く、事実上の先行作品となる。
 
映画としての出来を較べると、この韓国版のほうがコンパクトに纏まっており良いように思う。映像の雰囲気や役者の演技もこちらの方が良い。日本版では、事件の解決に執念を見せる刑事の船越英一郎が、息子を亡くしているという心理的伏線が張られていたが、韓国版にはそのようなものはない。しかし、日本版は、その伏線を十分に描き切れていたとは思えないので、必ずしもプラスとはなっていないと思う。シンプルに、青白い雰囲気で押し切った韓国版のほうが、ディテールを加えすぎて、却って散漫になっている日本版より良いと思う。
 
主役は、日本版では堀北真希で、所謂上半身だけのセミヌードを披露。韓国版の主人公は、日本でも人気のあるソン・イェジン。で、彼女はフルヌード。って、それは、まあ良いんだが、雰囲気と演技はソン・イェジンの方が良いと思う。相手役の男性、キム・ヨハンを演ずる、コ・スも、日本版の相原亮司と良く似た雰囲気だが、演技で勝る。事件を追う刑事も、日本版の船越英一郎より、ハン・ソッキュのほうがかっちょいい。
 
原作を読んでないが、非常に長いものらしいので、こういう作品を映画化する場合は、エッセンスを如何に汲みとって、映像化するかが大事だと思うが、韓国版はそれに成功していると思う。本当は、主人公の男女が背負ったトラウマとか、お互いの関係などがもっと濃密に描ければ良いのだろうけれど、映像ではなかなかそれは困難だと思う。従って、原作にとらわれず、単独の映画作品として見るべきだろう。
 
韓国版『白夜行』公式サイト: 

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]


.
och**obor*maru
och**obor*maru
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

クラシック音楽!

自作小説関連

思想、時事、政治経済

文化、生活

教育関連

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
ふるさと納税サイト『さとふる』
お米、お肉などの好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!
コンタクトレンズで遠近両用?
「2WEEKメニコンプレミオ遠近両用」
無料モニター募集中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事