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番神堂のお堂の周囲には、鳳凰・桐・水波・亀など
桃山風の見事な彫刻が施されています。
と書きつつ、「見事な」という言葉は、
全くこれらの彫刻を表現するに足りません。
おそらく、これほどの表現力をもった神社彫刻は、
なかなか無いではないでしょうか。
彫刻にあたった出雲崎の原篤三郎、脇町の池山甚太郎、直江津の彫富の仕事は、
正に、一流ジャズプレイヤーのセッションを思わせます。
まず、驚かされるのは、ただ単に一枚の木材を彫刻し
立体的な表現をしているということではない点です。
非常にダイナミックで、奥行きを感じさせ、今にも動き出しそうです。
動きを感じるということは、同時に、その動きが発する音や風さえも
見るものに感じさせることができるということです。
特に、波のうねりが表現されている部分、
波頭が奥から手前に迫り、幾重にも重なっているところは、
うねる波の躍動感が、すごい迫力で伝わってきます。
一方、鳳凰の羽や尾、花びら、葉といった繊細なものの表現も、
ただ軽やかに見せるだけでなく、ねじれを入れることで
柔らかさまでもが伝わってくるほどです。
とにかく、驚くばかりです…。
巧いとか美しいとか、そういう次元を超えており、
その超絶的な技術と、技術に裏打ちされた表現力、センスに
ド肝を抜かされます。
名工達が、最高次元の技術とセンスで腕を競い合った様は、
正に、一流ジャズプレイヤーによるセッションです。
ライトアップされたこの彫刻群を見ながら
旨い酒でも飲んでみようかと思わせます。
しかも、この番神堂、桜の時期には境内に桜が見事です。
春は、iPodにアートブレイキーなど仕込んで、
ウィスキーを持って出かけてみてはいかがでしょうか。
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