おふくかげん

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『詞華館』庭園

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在りし日の館の面影を写す庭園です。新月の晩にそぞろ歩いてみて下さい。
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囚われて

囚われて君の瞳の中にいる小さな僕をどうぞ愛して




久々のJUNE的詩歌の更新です。
色っぽい短歌になったかな?

これからも、想像のひろがる詩を書いていきたいです。

「夢のあとに」

滴るような緑の鮮やかな輝き
あの森のどこかに僕は忘れ物をした
きっとそうに違いないのに
絶対に何かを忘れてきたはずなのに
それが何なのかさえ
どうしても思い出せない



静まり返った夜の闇の中
眠りに引き込まれる前の一瞬
ほんの一瞬
またたく光のように記憶が甦る
灯ってすぐに消えた蝋燭の光のような
あたたかなまぼろし



(私を忘れないで)

耳元で囁いたのは誰?

(忘れないよ、決して)

答えたのは誰?



気付いた時にはもう深い眠りの中
僕は別の誰かで
どこか知らない世界に暮らして
日々は駆け足で過ぎて行く
たぶんそれなりに幸福で安らかな人生
傍らには愛しい人



(また行ってしまうの?)

君は誰?
どうして泣いているの?



ぽっかりと目醒めれば夜明け前
夜の名残りを残す庭に
ゆっくりと朝の光が満ちてくる
木々の緑が目醒め
小鳥たちが目醒め
はかない夢は跡形もなく消えてしまう



(私を忘れないで)
(忘れないよ、決して)



何かを忘れたまま僕は生きてゆく
思い出したいと願いながら
思い出すことはないままに過ぎてゆく
夏の始めの新緑の中に
何か忘れ物をしたようだと
そんな憂悶の情に揺れながら



――――――――忘れないよ、決して

  夢のあとには
  夢ばかり――――――――


出会いは春
桜が散ってもまだ肌寒い日々
スプリングコートの衿を立て
足早に街角を行く君を見かけた
コートの色は何色?
どうしても思い出せない


何もする気になれない夏
じりじりと焦がされて思考は散漫
それでも人ごみの中
僕はちゃんと君を見つけた
サンドレスにベリーショート
いつ髪を切ったの?


銀杏並木が金色に輝く秋
その美しさに見とれていたら
道の反対側のバス停で待つ君が顔を上げた
読みかけの文庫本を鞄にしまい
君はバスに乗って行ってしまった
僕に気付いたわけじゃなかったんだね


心も凍てつく冬をしのび
待ちに待った再びの春
命の芽吹きと生の謳歌と
巡る季節は希望と夢と愛を育む


病院の窓からしか
季節を想像できないというのに
夢の中では
僕も四季を生きている
春風を喜び暑熱を厭い
秋霖に垂れ込め酷寒に震え
それから
それから


君に
恋をする
拙いばかりの


する


  夢から醒めても
  夢ばかり――――――――

『仮面のアクター』

かなわぬ恋をする時は
細心の注意が必要
心の扉をかたく閉め
無表情の仮面をつける




あなたの視線を頬に感じながら
僕はいつも注意深く目をそらす
衣装プランに照明プラン
シーンごとのチェック・シートに進行表
視線の逃げ場にはこと欠かない
”どうも嫌われているらしい”
あなたが友人に漏らしていたと
僕の耳にも聞こえてきたけど
脚本・演出・主演をこなす
才能溢れるあなたの周りには
信奉者がいくらでもいるでしょう?




抑制できる自信がないなら
いっそ感情など殺してしまうに限る
危険因子は取り除かねばならない
たとえば相手の目を見る、ということも




僕の窮状を知らないあなたの眼には
さぞや不遜に映ったことだろう
どんな意味でもあなたの注意を引くべきではなかったのに
いまさら後悔してもあとの祭り
避け続けたキャストの
よりにもよってあなたの相手役
断れないよう追い詰められて
今日はとうとう立ち稽古の日
視線の逃げ場を失くしてしまえば
僕の仮面は砕け散る




”ありきたりに演じないで”
それ以外には何の注文もなく
ミス・キャストとの非難の声をものともせず
じっと何かを待っていたあなた




僕ももはや覚悟を決めた
ブーイングなんて少しも怖くない
他人の冷たい視線なんかに何の意味がある?
僕が恐れるのは別のもの
今やはっきりと確信できる恐怖はきっと誰にも分からない
あなたと僕のあいだの言葉に出来ない何か
今まさに生まれ出ようとする何か
その胎動を感じ取っているのは
はじめてまともに視線を合わせて見詰め合う二人だけ
あなたの書いたセリフの一つ一つは
そのまま僕の心そのもの
封印したはずの小昏い感情が暴かれてゆく
あなたの手によって怒りと憎しみを付加されて
今や僅かに消え残った僕自身のものであったところの懐かしい哀切に彩られて
あなたに向かって迸る




その一瞬
稽古場は薄暗い洋館に変容し
安っぽい蛍光灯は豪奢なシャンデリアの光を振りこぼし
あなたは慈愛の眼差しで僕のすべての罪を赦す
僕は<死>にその身を投げ出すようにして
あなたに向かってこの身を投げ出す




あとは――――――――沈黙。






                                          〜「月都」未々月音子さんに捧ぐ

『鏡の遺言』

           
―――――届けられるのは
もはや言葉だけ
だから精一杯を申し上げます
ほんとうに心から
心から愛しております―――――




“死に顔を写し取った鏡には想いが残ると言いますから”
伶人は歌うように私に告げた
“いかがですか
わたくしには見えない想いも
あなたさまには御覧になれましょう“


私は黙って頷いた
古い小さな手鏡の中
病み衰え涙に濡れた懐かしい顔
土気色の唇から
さいごの言葉は紡がれ続ける


―――――人とは不自由な生き物です
じぶんの寿命さえ思うにまかせぬ
すべてに恵まれたあの人の
何もかもを奪いつくして呑み干して
わたしときたら
最後に返せるものは何もない
そうして今またこのように
あの人一人を置き去りに
わたしは死んでゆくのです
だからせめてお願い致します
きっと戻ると約束なさった
あなたを待てずに逝くことを
どうぞお許しくださいと
心から愛しておりますと
必ず必ず
お伝えください―――――


始めのうちこそ悔やんだけれど
流されるままに時を重ねた
変わらぬ思いなどないと
自分勝手に思い決め
今日まで探してやることもせず
いまさらどうして泣けようか
とうの昔におまえは逝った
こんな私がどうして泣いてやれようか
すぐ耳元におまえの声
今も生きているかのような




―――――ほんとうに心から
心から愛しております―――――








2006年にいがた市民文学「詩」部門選外作品

掟破りの「物語詩」。
やはり落選致しました〜〜〜。

物語詩ではイカンだろうと、コントで投稿して落選になった過去があります。
(下のアドレスを参照下さい。トラックバックからも飛べます。)
http://blogs.yahoo.co.jp/ofuku2004/trackback/288139/7951528

それでもやっぱり捨てがたくて投稿してしまいましたが予想通り落選です。
悔しいので改稿しよっと。
またあらためてアップします。(←しつこい。)

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