カムチャッカ半島の旅 5:ヴァチカゼツ山麓その17/26 朝食後、そんなに急がないからゆっくり荷造りしていいよ、とは言ってはくれたが、旅行カバンに荷物をぶちこむだけの作業にそんなに時間のかかるはずもなく、残飯置き場のドラム缶からパン屑を漁る地リスと遊んでいる間に、そこそこの出発時間になり、3日間滞在したアヴァチャのベースキャンプにおさらばして、あの広大な凸凹河原道をペトロハバロフスク・カムチャッキーの町目指して下って行った。これから向かうヴァチカゼ山麓への導入路の壮絶なる凸凹悪路が待ち構えていることなどつゆしらず・・・。
舗装された幹線道路に出た時には、平らな舗装面でのその走りの心地よさが身に染みた。
ペトロハバロフスク・カムチャッキーの郊外に来た時、ガイドのイゴールがちょっと寄り道するからと、幹線道路から離れ、林の中の無舗装道路に分け入った。
転々と民家の続く村の中のダート道をくねくねと車を走らせた。いわゆるダーチャ(週末菜園コテージ)村のなかにある彼の親戚の家に寄る、とのことであった。そこで新鮮な野菜を仕入れる様子。周辺の簡素な手造り小屋の庭には青々とした野菜やハーブ、色とりどりの花々が咲き乱れていた。
新鮮な野菜を確保したあと、元来た道を戻り、幹線道路沿いにあるそれほど大きくないスーパーに入り、イゴールがヴァチカゼ山麓のテント泊で使う青菜以外の食料を調達しているあいだに、我々は赤ワインを求める。いつもなら携帯している五徳ナイフを、今回は誰も持って来てないことが判明。ワイン・オープナーをやっと探し当て買い求めたはいいが、これが粗悪品だったことが、後で利用する段になって判明。憤懣遣るかたなしだが、後の祭り。
ヴァチカゼ山(1556m)はペトロハバロフスク・カムチャッキーの市街から西南に15km程度の距離である。
ところが舗装された幹線道路から一歩離れた林の中の道(?)に入り込むと、もうそこはドライバーにとって地獄(日本人の感覚では)。樺の林の中をくねくね縫うように轍は右に行ったり左に行ったり。さもありなん、大勢の団体ツアー客を乗せる大型トラックを改造した六輪駆動車がその重さをものともせず、あのトラクラーの様なでっかいタイヤでつっこむから、轍はいたるところで深さ30cm〜40cmに達し、我々の乗る小さな三菱デリカのような車高のない小型車が突っ込んだら腹がつかえて、にっちもさっちも行かなくなる。轍の深いところへ来たら、右か、左の樺の林の中に突っ込んで迂回するのである。
後ろにひっくり返るのではと危惧する坂を越え、左に横転するのではないかと冷や冷や、今度は右にひっくり返るのでは、と車内の我々は頭を車の屋根にぶつけないよう、ドアの外の放り出されないないように、まるでサーカスの曲芸師のように上下左右に巧みにバランスを取りながら、ひたすら車の取っ手にしがみ付く1時間?
平らな湖畔の駐車場らしき所に出た時には、船酔いしたように地面が揺れているようだった。それほど、経験したことのないような悪路だった訳である。
毎年、夏の2か月間、大勢の観光ツアー客をこんな所に連れ込むロシアのワイルドさ? 道の補修など毛頭考えていないその神経の太さ!
湖畔からちょっと離れた、綺麗な小川がある場所をテントサイトに決め、車からキャンプ道具を下ろしていると、イゴールが「シュラフは1個でけで、残りの二人は持参してるな?」と。
![]() あっちゃー、出発の10日ほど前にシュラフのレンタルを2個追加して「間に合うな」と念を押してあったのに、現地ガイドを請け負ったイゴール兄ちゃんには伝わっていなかったことが、ここで判明。
![]() 荷物の嵩を抑えようと、急きょレンタルに変更したのが裏目に出た。
インターネットを利用した瞬時にメールが飛び交う今日、日本側の旅行エイジェントからロシアの旅行エイジェントへ、更に請け負ったガイド氏へ、どこかで連絡が途絶えていた・・・?
空港であった時に念を押して確認しておくべきだったと、今更、後悔したって後の祭りじゃ。 明け方、そんなに冷え込まないことを願うのみ、ここの標高は1000m近い。
テントは2張り。1張りは2〜3人用の形。1張りはシングル。「自分たちで張って下さい、私は他のキャンプ道具のセットとお茶を沸かす用意をしますから」とイゴール。
「おいおい、この形のテントは張った経験ないよ。ポールは3本あるけどどこを通すのかい?第一、どっちが本体で、どっちがフライ?」
ペグだってたったの5本しかないよ、4隅を固定したら、あと1本しか残ってないよ。まぁ〜、いいか。その辺の枝をペグがわりにすりゃ、ってな調子。
これがロシヤ風だと思えばいいじゃないか。
あぁ〜あ、「
蚊の襲来の中を何とかテントを張り終えて、昼食後、ちょっと散策。
歩きたくないなぁ、と皆そう思いつつイゴールの後に付いて歩き出す。今日は日曜日、日帰りで結構ツアー客が降りて来るのに出会う。
途中、「おいおいこんな急な雪渓登るななんて聞いてないぞ!」
一段雪渓を登り上がった先には、素晴らしいカールが広がっていた。
涸沢カールや千畳敷カールを彷彿させる爽快な空間が広がっていた。
You Tube 動画:https://youtu.be/W4wGcwkpE8E
これがヴァチカゼ山(1556m)で、明日の目的地だよ、と聞かされる。
「のっぼりませ〜ん。ノー・サンクス!」
入山者の踏跡は少なく、いたるところ花が咲き乱れていた。
お目当ての「キバナノアツモリソウはどこ?」と聞いたら、「保証はできないが、運がよけりゃ、巡り会えるかも・・・」と素気ないガイド氏。
(続く:その6へ)
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2015年08月09日
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