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			<title>daminn</title>
			<description>眠いぜベイベー</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119</link>
			<language>ja</language>
			<copyright>Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.</copyright>
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			<title>daminn</title>
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			<description>眠いぜベイベー</description>
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		<item>
			<title>確かにKDDIのヒとは、試験中でもマナーモードにしないらしいわね？</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「大事なアプリコットが無駄になったらどうしよう…」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　るいが心配そうな視線を糖のにおいがしそうなオレンジ色の冷たい液体に落としていると、その冷たさに身体が冷めていった。研究のことに思考が移り、遺伝子の立体映像が脳裏で回転し始める。&lt;br /&gt;
　何故最近の学者どもはロボットばかり作りたがる？　戦争においても甘い研究だ、とるいは思う。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　遺伝子疾患をこの世界から失くすことができるのは間違いなく自分なのに、どうして自分を維持するためには男が必要になるのか。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　遺伝子疾患は自分か、いや子孫を残そうとする自分の遺伝子に疾患がないことを喜ぶべきだろうむしろ子沢山な地域の男こそ貞操観念が高い―中国人はそうらしい。&lt;br /&gt;
　淫乱は子供を産ませるのに遺伝子が苦労している訳だまったく忌々しい事実だ。この美大生が一人くらい死ねばいい、などと、視線をちらりと戻す。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　奥座はまだ電話の最中で、るいは忌々しいと思った。&lt;br /&gt;
　制服のポケットの中の携帯電話をなぞって確かめ、るいは自室に自然な流れで入りドアの鍵を閉めるとアドレス帳から《兄や》と言う項目を選びメールを打った。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
　―今日暇？&lt;br /&gt;
　　会えない？&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「どうせ女か仕事かだろうけど。病院でそこそこカッコイイなんて兄やくらいしかいないってホントかな」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　従兄に向けてのメールは愛情がないため文字も少なく済む。&lt;br /&gt;
　まめな従兄は、たとえ女と性交している最中でもるいを優先してメールを返してくれる。あの男のまめさが鬱陶しいとかヒステリックに叫ぶ女の被害を除けば、悪くない男だ。並んで歩くのも退屈だが、二人で丁寧に作った味を味わいシャワーを浴びるだけならなんとも文句のつけようのない従兄である。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「でもねヒラマ、兄やみたいな男は確かに非の打ち所がないんだよ」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　るいはベッドにいる黒猫のぬいぐるみに向かって本音を言う。ぬいぐるみではなくヒラマだ。正式名称はヒラマ・ミキティと言う。現在進行形で奥座より可愛くて信頼出来て愛おしい。&lt;br /&gt;
　地震のニュースが流れたときはヒラマと研究データしか心配せず、二十分してから当時付き合っていたと思われる男の着信履歴が三件あるのを確認したものだ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　両目の上の触覚のようなナイロンの透明な髭をつつき、るいはにこりと笑う。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「そう思うでしょ？　&lt;br /&gt;
　まあひーちゃんよかは全然シタだけど、こっちの要求も割合としては多く飲んでくれるし、イイ男だし、お金にも不自由してないし、何より性病と妊娠の恐怖を正しく認識してるし―&lt;br /&gt;
　そういえばあの男、恭介って言うんだけど…ほら、朝の男なんだけど、ホントに避妊してるのかな？&lt;br /&gt;
　信用ならないね。どうだった？　兄やに相談したほうがイイかな…」&lt;br /&gt;
「―悪い」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ノックとともに奥座のすまなそうな声がドア越しにしたが、るいはヒラマと離れるのが億劫だった。以外にもメールの返信が遅いので返事に躊躇してしまう。るいは甘くなりすぎない程度に語調を整えた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「なぁに？」&lt;br /&gt;
「悪いけど急用が出来たから帰るわ。悪い」&lt;br /&gt;
「別に…」丁度メールの返信が来て、るいは眼を輝かせた。メールの内容を確認して上機嫌に顔を輝かせると、「気にしないでいいよ。お互い優先順位はそうそう変えない方針でいればいいじゃない」とのんびりとした口調で言った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/32025649.html</link>
			<pubDate>Wed, 02 May 2007 20:20:46 +0900</pubDate>
			<category>練習用</category>
		</item>
		<item>
			<title>25また出会うために別れよう</title>
			<description>&lt;p class=&quot;img&quot;&gt;&lt;img src=&quot;https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-5c-00/ogawamimei119/folder/736540/40/29340740/img_0?1173455702&quot; width=&quot;560&quot; alt=&quot;&amp;#x0030a4;&amp;#x0030e1;&amp;#x0030fc;&amp;#x0030b8; 1&quot; class=&quot;popup_img_640_438&quot;&gt;&lt;/p&gt;&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「それじゃあまた後で。―」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　さらりと言う口許をじっと見ていると自然と表情と造形を注視してしまい不躾だと思ったが、壱真はしばしそうしてしまった。だが不躾な上不自然なので退室の礼は素早く行い、軍部の重鎮と大尉を残して場を辞した。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　重厚な扉が音をたてて閉まると、冷たい漆喰の床から脚を値踏みするようにして顎をしゃくり、同期が言った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「何ですのん今の」&lt;br /&gt;
「いや別に」&lt;br /&gt;
「『いまの言葉が嘘です』って、言い方ですわな」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ねっとりと高めに発音される言葉は二十歳の声音にして大時代だが、気取らず耳に馴染む。&lt;br /&gt;
　この同期は少子化と男女平等と戦争の迷惑を被ったとも救われたとも言える日本三大色窟の出身で、一生女郎言葉を話していたに違いない人生を今でも別段疑わず、言葉遣いも上官がいないとこの調子だった。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　かつりかつりと外に向かう道すがら、　&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「まあアタシの屋敷にも…もうミサイルで吹っ飛んだそうですけど、とにかく、いましたわ。あんさんみたいなお勤めでな。けどあれはお勤めで、あんさんは無関係と違うかしら」&lt;br /&gt;
「さあ」&lt;br /&gt;
「まあ昨今じゃ、どこまでが給料なのか判別しませんからね。最近は懐かしい、太平洋戦争みたいな、魚雷でしたかのぅ？　ああいうのまたできるらしいけどあんさんもそのクチかしら。生き残って二人で稼ぎませんか」&lt;br /&gt;
「聞こえるだろうが」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ぼそりと囁くと、同期は口許を緩めてこともあろうに軍歌を鼻歌のように歌いながら上機嫌な表情で廊下を歩き始めた。&lt;br /&gt;
　傍から見ればおかしな軍国主義者か軍国主義を嘲笑する不良軍人でありこの戦時下でまともな神経とは言いがたい。&lt;br /&gt;
　だが壱真が注意した『聞こえるぞ』と言う言葉を聞いてくれる見張りの軍人は一人も立っておらず、監視カメラも真っ黒い画面を晒して眠りこけていた。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
「明日も終わり、明後日も終わりぃ―」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　戦時下で流行している歌を同期は口ずさむが、それすら誰もいないので虚しいまでに高い天井に反響した。昭和初期に建築され太平洋戦争の空襲でも残った冷たい鉄筋造りの建築は軍服で歩けばまるで映像が変わらないを、壱真は同期の姿で確認した。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ふざけた歌詞を取り締まる法は残っており人々はそれをおそれているはずなのに、嘲笑するかのような言葉は電波に爪を立てるように、細々と流れて耳に入ってくる。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「なあ佑香」&lt;br /&gt;
「わっちはそんな色気のない名前じゃありんせん」&lt;br /&gt;
「ああ悪い、白梅鞠」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　さらりと彼女の源氏名でもって本名を訂正し、壱真は死線を投げてわざと呟くような口調で、「おまえと今度会うとしたら地獄かな？」と言った。&lt;br /&gt;
　同期は唇を子供のように笑わせ、特に精神の異常もない様子で言う。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「その時はよろしく、朋輩」&lt;br /&gt;
「ああよろしく」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　地獄で待ってるさ、と、壱真は地獄で先に待っているであろう人間との昨夜の交わりを思い出した。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/29340740.html</link>
			<pubDate>Sat, 03 Mar 2007 05:52:44 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>鋏３</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「何を考えてやがんですか。いやらしい」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　下卑た表情を故意に晒しありまが言うと、その声音からはまったく女らしさがなく男と話しているように錯覚してしまう。ありまは子供じみた外観に言動に中身をしているが、口調ばかりが老獪な老人のようになるときがあるのだ。&lt;br /&gt;
　それが生意気でなく耳に馴染むので、葛西は何となく黙って聞いてしまう。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「まったく―私は葛西サンに惚れてるつもりはないですけど、ただ可愛がって欲しいだけなんです。才能がある男に必要とされるのって気分がイイじゃねえですか。それだけです。&lt;br /&gt;
　そろそろ縁を切ってくだせぇよ」&lt;br /&gt;
「心理学より交渉術を勉強したほうがイイんじゃないか。内容が専門学生とは思えないほど酷いな」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　葛西は鼻で笑い切って捨てるように言い、葛西は少女の毛先がイメージどおりにくるりと丸まっているのを指で弄んだ。鏡の中で視線を外しているにしろ、頸を傾けるようにして俯いているとまるで人形のようだった。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　口は悪いが唇の形はよく、昼間よりずっと少女らしく卑猥だ。友人たちがぎくりとして注視する様を想像して葛西は残忍な笑みを浮かべたが、表情を固くしてすぐにそれを抑え込む。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「ところでありま、彼氏がいないんなら俺が見繕ってやるから適当に遊んでみたらどうだ。&lt;br /&gt;
　心理学も少しは役立つんじゃないかね」&lt;br /&gt;
「ご心配だったら、素直に受け止めますけど…あたしは基本的に真面目で、一番の女と三番の女が変わらなくて二番の女と男の入れ替わりが激しいような感覚じゃねえんです」&lt;br /&gt;
「素直じゃない奴だな」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　笑みを含んだ口調で言い、葛西はふとした思い付きでありまの顎に手をかけて唇を押し付けて見た。ふっと顔を離すと、ありまは忌々しげにしかめた幼い顔をきっと上げてきっちりと言った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「ダッチワイフにもするつもりですか？」&lt;br /&gt;
「悪かったね。洗ってくるといい」実に軽い口調で言うと、ありまもあっけなく表情を戻す。最初からこうなることは判りきっていたようなものだ、と葛西は思う。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「いえ、いいです。それより警察が動いているようですから、あたしの言うことも聞いた道を通ってくださいよ」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ありまが振り返るようにして葛西を見上げ、完璧な状態の面差しを向けてきた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「ありまが評価されてると思ってるのはこっちですから」&lt;br /&gt;
「たいした自信だが、それはついでだ。おまえの技量なんか俺の生活じゃそうそう役に立ってない。身の程知らずも大概にして大人しくしててくれ」&lt;br /&gt;
「判ってますよ。洒落込むなら退散時を知らしてくだせぇね」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　面白げに酷い皮肉の応酬を交わしながら、葛西とありまはくすくすと笑いあった。&lt;br /&gt;
　ややあって時刻になったので葛西はタクシーを呼び、ありまを先に行かせてから伊織の携帯に着信を入れた。すぐに着信がかかってきたので素早く通話ボタンを押し、じっとりと笑ってしまう口許で言った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「やあ、元気か伊織。彼氏とはうまくいってない様子だね？…」&lt;br /&gt;
『何で判るんですか？』&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　葛西は伊織が自分にだけ向ける不機嫌げで期待するような眼差しをしているだろうことを想像してますます笑いかけた口許を難しく正し、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「これから逢えないか」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　露骨に誘ったが、伊織は本当に素早く「ありまから聞いてお伺いさせてもらいます」とだけ事務的に返してきた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「拗ねるなよ。俺とありまは何でもないし、俺と君の関係でそんなこと気にする必要もないだろうが。それとも―」&lt;br /&gt;
『判りました…』&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　携帯の向こうで、観念しているわけでもなく好機を窺うような語調で伊織がぼそぼそと続けた。『今からでいいですか？』&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「結構。じゃあ十五分後に」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　葛西は仕事の書類と顧客名簿を広げて電卓を叩こうと珈琲を淹れようとも考えた。だが、七分を過ぎるか過ぎないかでチャイムの音がし、インターホンで確認した視界にすぐさまたたずむ伊織の視線に気づいてドアを開ける操作をした。&lt;br /&gt;
　一分もしないうちに到着した来客をドアを開けて出迎えると、久しぶりに見る顔立ちがある、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「随分早いな」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　素直に驚いたまま言ったが、伊織はどこかうつろな眼を返してきた。&lt;br /&gt;
　以前葛西が送った黒塗りのブレスレットに向かって右だけ長いピアスを通した痩せた肌は人目を惹き、白いスラックスにスカイブルーのコンバースと言ういでたちも深い鍔の黒い帽子とあわせると彼に似合っていた。&lt;br /&gt;
　だがその服装に似合わず、洋服屋の紙袋にはブレザーが入り、持っているのもいかにも男子高校生が持つバックである。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/29340498.html</link>
			<pubDate>Sat, 03 Mar 2007 05:14:37 +0900</pubDate>
			<category>練習用</category>
		</item>
		<item>
			<title>予想と現実まで喰い違わせたくないの。</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「私だって将来考えてるわ」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　マリイが唐突におかしな台詞を口走ったが、こちらを睨み上げながら笑わないのは彼女が本気の時だと要一郎は知っていた。心理学を学んでいる同窓いわくの言葉を思い出して低く相手の言葉を引き継ぐ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「将来考えているとは言ってもどういう意味でですか」&lt;br /&gt;
「愛人になりたいから」&lt;br /&gt;
「…そんなの、今でもしてるんでしょう。既婚者が混ざってるって言うのは公然の話だと聞いていますが」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　要一郎は冗談にもせず突き放すように言った。&lt;br /&gt;
　きゅうとマリイは眉をしかめて不機嫌そうな表情になり、「誰が言ってるのよ。今までそんな慰謝料請求されかねないようなあぶない橋、渡ったことないわよ」と愚痴るように言い、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「でも渡るつもりよ。私ってお金ばかりは与えられて育ったから、楽な仕事をして十五万前後の給料を戴くのも、こきつかわれて二十万の給料明細を見て寝てばかりの人生も耐えられないと思うもの」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　理屈は通っているが甘えたことを言う。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「DVされてもお金があればいいんですか」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/29257127.html</link>
			<pubDate>Thu, 01 Mar 2007 11:32:09 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>おかしな趣味だとは知らなかったわ。なんちゃって。</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　当然と『男の一人』と言われると、暴力団のお偉方が拳銃自殺した際に拳銃の名前を平然と読み上げたラジオ放送のように突っ込みどころがある。本来拳銃は日本国では持つと違法であり、男の一人と言うよりは二人以内にして比較級にして欲しいところだ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　要一郎は自業自得と言う言葉を口に仕掛けるがぐっと飲み込み、喉を引きつらせるようにして淡々とした表情を保った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「そうですか」&lt;br /&gt;
「最初はいつものカモネギ料理だったんだけど予想以上にエゲツナイ男で酷い目に遭ったわ。運が悪いみたい。愛のある拘束でもなくって、もうどうしようもないくらい怖い男なんだもの」&lt;br /&gt;
「警察に言いましょう」&lt;br /&gt;
「駄目よ。恐喝されたもの。警察に言ったらこんなものでは済まさないって」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　奇妙に落ち着きを取り戻して冷ややかに言うマリイの様子は、敵を分析する表情で諦めている気配はない。彼女は何かしら算段を脳裏で巡らせているらしいと要一郎は思う。&lt;br /&gt;
　その幼いまでの大きな瞳にはさっとよぎる怒りがたゆっておりのを見て、変わり身の早さに少々呆れたものの、要一郎は話題を戻すように「やはり警察でしょう」と静かに言った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「警察に脅されれば大抵はカタがつくんですよ。やくざな連中の敵は警察です」&lt;br /&gt;
「そいつの母親が警察関連の娘なんですけれども、それって通用するかしら」&lt;br /&gt;
「…誰なんですか、その男。ひょっとして中華街で嫉妬させたがっていたのってその男ではないんですよね？」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　要一郎がいい加減忌々しげな視線になったのを見てもマリイが反省するところはないらしく、くすりと涙の気配が残る眼差しをしならせた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「その男よ。はっきり言うと今も私を監視してる状態だから、迎えに来ようが通報しようが、まさしく時間の問題だわ。あるいは電話してきて、酷い顔だから化粧を直してから戻って来いって言うかも知れないわね」&lt;br /&gt;
「何で縁を切れないんですか―」&lt;br /&gt;
「お金だってば」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　要一郎は実に適当な答えを聞いて遠慮なく舌打ちし、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「俺に嘘を吐くなんて何様のつもりですか。俺とマリイさんの関係でそんな薄っぺらいものがあるとは知りませんでしたが、今知れて幸運でしたね。今すぐ出て行ってもらってもいいですか」&lt;br /&gt;
「何言うのよ。本当にお金よ」&lt;br /&gt;
「貴女がお金に不自由しますか？　父親から裕福な生活をさせてもらって、まだ男から金をもらって。一人くらい縁を切ってももう一人新しいのを用意すれば済む」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/28865553.html</link>
			<pubDate>Tue, 20 Feb 2007 23:51:25 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>鋏２</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「え？」&lt;br /&gt;
「ホラ、最近言ってたでしょう。髪を名古屋嬢みたいにパーマしてるって言う、どっかの企業で受付してるって言う―なかなか可愛い人なんでしょうが」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ぞんざいに哀れむような視線を鏡越しに向けられ、葛西は思わず「ああ」と呟いた。&lt;br /&gt;
　脳裏に真っ白い襟ぐりの広いスーツを着た受付嬢をしている若い女の顔が浮かぶが、葛西は退屈な気分になるのを抑えるように記憶を追い払った。&lt;br /&gt;
　自分の鮮明な記憶力が相手の服装と生地、裁縫の丁寧さを観察するばかりに、人の顔までいちいち記憶していて疲れてしまう。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　付き合いがさほど長いことでもないが一緒に暮らして三ヶ月になるありまは、それを察するのが実に早かった。葛西の反応もまさに予想していたという風に表情を変え、本当に不思議そうに言う。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「ところで、どうしてあいつばかり誘いやがるんですか？」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　やわらかい素肌をして不自然でないつややかなピンク色の唇にはまったく他意がなく、葛西はどう言っていいものか悩んだが、「おまえの友達なのに嫌なような言い方をするな」と制するように言った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「友達が少ないのはよく判ってるから、大事にしたほうがいい」&lt;br /&gt;
「葛西サンみたいに無駄に友達が多いのも、おかしなもんじゃねえですかね―」&lt;br /&gt;
「友達に無駄なんかないだろう」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　正論をくちにしたように葛西は思ったが、ありまは子供っぽい容姿できゅっと表情をしかめて押し黙った。かなりの不満があるようだが大人しく黙ったのは大人の対応かとも思った矢先、我慢できなかったように、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「うちの父親とかはどうなんですか。やくざですよやくざ。私だったら一生関わり合いになりたくない職業ですよ…警察も医者も政治家もやくざも、全部関わらずに生きていけたらどんなにイイかって思いやせん？」&lt;br /&gt;
「無理じゃないか」&lt;br /&gt;
「無理―ですけど」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ありまがいかにも不満そうにしているのは、自分がやくざの姫に生まれたことで友人関係に不自由があったためだろう。&lt;br /&gt;
　子供同士は知らないことも親は知っている。あるいは実際いじめに遭ったこともあればましな方で、触らぬ神に何とやらと隔離されたことの方が多いのだと、酔ったありまの父親はこぼしていた。酒豪と有名な男が異様に酔う姿に傍に控えていた男衆も目を伏せ、痛ましげな表情を見せたものだった。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　だが、ありまが父親を嫌い葛西の家にきたのを、どうこうとも言う気はない。葛西にとってはとるにたらないことで、親子の隔絶も父親が自分をありまの恋人と誤認していることも、好都合なだけのことだった。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「そう落ち込むな。今日はおまえが好きなチョコレートケーキを遠慮なく食べて良いから」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　葛西はありまを引き立てるように言いながら、違う肌の感触を思い出していた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/28816874.html</link>
			<pubDate>Tue, 20 Feb 2007 00:00:22 +0900</pubDate>
			<category>練習用</category>
		</item>
		<item>
			<title>イ、妾は全員年が違います</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;そんな織田のなんとも言いがたい微笑みも傍目には無邪気極まりない善良なものに映るらしく、ふと、妾のなかで一番若い江本えみが口を開いた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「でも意外ですわ。わたくし、探偵なんて聞いてなんだか吃驚しました。もっと目つきが鋭くて怖い人がくるのかって心配で。…」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　無礼とも冗談ともつかない台詞ではあったが、江本えみの口調は二十歳を過ぎたか過ぎないかの社会に出ていない女のものとしては赦されそうな程度だった。気苦労のないことを示すような肌は、力強い精力的なキャリアウーマンとは違う。&lt;br /&gt;
　結い上げた髪は割と短く、真っ黒で天使の輪が差しているのが幼く感じられる。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
　しかし言われた織田もまったく動じず、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「よく言われるんだよねえ。特に秀英の若さにはみんな吃驚してしまって、最近じゃあ面倒だから愛人ってことにしてるんだよ」と微笑んだ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「あら、そうでしたの」&lt;br /&gt;
「どうりで色っぽい方だと思いました」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　冗談としか思っていない様子で岡本織子と浮島宇美が上品に微笑み、着物ながら現代的なルージュの気配がこぼれる。こんな山奥にあっても金持ち連中はわざわざ最新作らしい化粧品を整えるのかと秀英は皮肉な気分になったが、不快な冗談に反論するのも面倒だったので無視して食事に視線を戻した。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　そして、改めて視線を上げてそれぞれの表情を観察する。&lt;br /&gt;
　食事の場にしては下品なことを言われても、菩薩のような織田の表情に周囲はさして不快ではないらしい。ただ一人、正室の笠間美魚だけはどこか俯いて暗い表情である。だがそれは嫌気が差しているというよりも何か別の気がかりのためらしく、心ここにあらずといった様子だ。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　しかし当主も、傍で控えている執事の町も、視線を美魚には当てても言葉はかけない。&lt;br /&gt;
　結婚した男とその妾と夕食をともにすることなど愉快とは思えないが、秀英は何となく見入った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　少女のような表情と顔立ちは三十を過ぎているとは思えず、年はとっていてもまるで大正時代の女学生のようなきゅっとした唇も、まるで洋画家が描いた林檎のようなうっすらと赤い頬も含めてますます少女のようだ。当主の隣にいるとまさしく皇室の行事をテレビで観ているように思えた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ややあって織田が過去にあった事件のことを会話にし、妾三人と当主は食事の席だというのに死体の話を微笑んで聞いていた。ぽつりと空いた二つの席はそれぞれ死んだ妾の席だろうが、料理も運ばれずおそろしかった。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/28788284.html</link>
			<pubDate>Mon, 19 Feb 2007 14:52:25 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>語り部は結末を知っているから静かな語り口で語る。</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「それは大いにありますね」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　宇宙はついさっきも自分の目で見た映像を思い出しながら言う。きゅっと左目の端だけをしかめるという癖をしながら、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「さっきも徹夜した教授に使われて徹夜して眠いと言うのに、僕に欠伸する暇は科学者にはないと怒鳴り散らしたんですよ。&lt;br /&gt;
　数分後に事務の女の人がお茶を淹れてきたら、まるでホストみたいな笑顔を返して礼を言って、茶碗は後で返しに行かせますからゆっくり休んでいてくださいなんて言うんです」&lt;br /&gt;
「それはまあ…」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　男の適当な相槌を聞きながら、るいがもしかしてレズビアンなのではないかといわれてるのも致し方ないと宇宙は思う。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　しかしそれはまったくない。世の教授の何十倍も忙しいであろう自発的な研究への没頭は異常な病のようでもあり、だるそうな疲れはもっぱら適当な男で済ましているらしいことは耳に入っている。彼女の眼差しと態度は、気難しい老獪な研究者そのままだ。&lt;br /&gt;
　宇宙はそこには憎悪も反感もなかったが、なんとも尊敬できない部分を感じていた。&lt;br /&gt;
　&lt;br /&gt;
「でも仕方がないですよ。るいはヒガシバの血が濃い」&lt;br /&gt;
「は？」&lt;br /&gt;
「まあ御存知ではないでしょうねえ。今説明しますよ。ところで君は遺伝子の研究をしているのですか。それとも原子の研究を―？」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　もったいをつけるように自分の言葉を流し、男は流れるような口調で言った。&lt;br /&gt;
　宇宙はいささか警戒しそうにはなったが、別段おかしな話題でもないので素直に「原子の研究です」と答えた。そう答えると自分の言葉に誇りと他の研究者への見下しがこぼれ、つい棘のある語調になって続ける。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「遺伝子なんてものも結局は原子で、人間は原子のボールがたくさんつまったプレイルームで妄想してる子供みたいなもんです。僕も貴方も結局は原子で、原子レベルでこの世界を見ればこの空気も壁も、まったく同じに見える」&lt;br /&gt;
「…成程。若いですなあ」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　男は口調ばかりは茶化すように言ったが、目は熱っぽく研究を語った宇宙を一種鑑賞するように眺め、&lt;br /&gt;
さっきまでの眠気を窺わせない颯爽とした動きで立ち上がった。&lt;br /&gt;
　そうすると177センチある宇宙よりも高い痩身でありぎくりとしたが、男の言語も顔立ちもきちんと日本人的ではある。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/28786290.html</link>
			<pubDate>Mon, 19 Feb 2007 13:58:33 +0900</pubDate>
			<category>その他音楽</category>
		</item>
		<item>
			<title>旧家の方々を相手にするなんて、気を違いますよ。</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　がた、がたと襖に人がぶるかる音が続き、ハジメは音のほうに畳の道を走った。&lt;br /&gt;
　靴下がどうにも滑るが、そんなことを気にしている暇はなく、長い廊下を曲がり、中庭がしつらえられているのを横目にどたどたと走る。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ハジメはすぐのその部屋に到達した。&lt;br /&gt;
　がたがたという音に混ざり当然と男の引きつった悲鳴が襖から漏れてきたのを聞き、荒っぽく襖を開き素早く視線を走らせる。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「―あら」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　照明も何もつけていない十二畳はあろうかという座敷からは井草とかすかな線香のにおいがした。黒髪が振り返るとその空気はいっそう濃くなったように感じたが、ハジメはそれが錯覚だとは自覚した。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　先ほどの栗鼠のような黒目がちな瞳をした喪服の女の唇が笑みとなっている。&lt;br /&gt;
　ハジメは男の悲鳴が失せ、襖も震えていないことに呆然として、座布団に座って仏壇を拝んでいたらしい女の背を眺めた。喪服には見事なまでの蓮の家紋が抜かれ、庶民の一張羅とは雲泥の差がある美しい黒の中で清清しい。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「基前さん？」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ハジメは女の顔をまっすぐに見据えたが、本能的に部屋に入りその部屋三方を囲む襖を次々と開け放ったが、そこには誰もいないばかりか物音もなかった。&lt;br /&gt;
　耳を澄ましても音の気配はなく、ハジメは思わず背後の箱庭を睨むように観た。灯篭が立ち並び、まだ日の高い青空を区切って竜胆が頸をもたげている。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「どうなさいましたの？　お顔の色が真っ青ですわ―」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　背後ですくりと立ち上がった女がくすくすと笑うように言ったが、その言葉の端々にこぼれるのは先ほどまでの子供じみた様子ではない。一種狐狸妖怪めいたまでの完璧な品のよい物腰で、立ったときの気配も衣擦れの音がかすかで美しい動きだったと思わせた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「奥様。あの、今さっきこの部屋でおかしな音がしていましたが」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ハジメはその態度の変貌に驚いたが、本人に言うのも失礼なので触れず、用件をきびきびと言った。女の栗鼠のような瞳は大きさを変えず、眼の縁だけがしなるように細まる。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「そうかしら。気のせいじゃなくって？　随分と長い間私はこちらで拝んでいましたけど、音なんてしませんでしたわよ」&lt;br /&gt;
「妹さんはどちらで」&lt;br /&gt;
「あの子は気分が悪くなってしまったと言って、部屋に戻りました」&lt;br /&gt;
「あの、奥様、でも…」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　反射的に低く反論したハジメだったが、さえぎるように女が大声を上げておかしくてたまらないという風に笑い声をたてたので沈黙した。ハジメは笑い続ける女の理由がわからず、だんだん不愉快になりながら笑いがやむのを辛抱強く待ったが、長々と続く笑いにとうとう痺れを切らした。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「何がおかしいんですか」&lt;br /&gt;
「ふふ、うふふ、…あは、はあ、いやだわ―奥様、ですって。奥様ですって」&lt;br /&gt;
「何を言ってるんですか」&lt;br /&gt;
「わたし、ちゃんと名前がありますのよ」女は上機嫌に笑っていた瞳を睨みつけるようにして、視線がたいして変わらないハジメの瞳を覗き込んだ。「飯塚千鶴と言いますの。」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　どうして今更名乗ったのか判らず、ハジメは怪訝そうな顔で舌打ちまでしたが、女の上機嫌はそのままで頸をかしげてこちらを見返してきた。&lt;br /&gt;
　また笑いが唇からかすかにこぼれてきたので、ハジメは適当に場を濁して部屋から出た。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　―その十分後、若い女中の悲鳴とともに屋敷の最南端たる勝手口にて当主の死体が発見された。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/28364188.html</link>
			<pubDate>Sat, 10 Feb 2007 22:01:21 +0900</pubDate>
			<category>小説</category>
		</item>
		<item>
			<title>解説を始めようか？</title>
			<description>&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ぎり、と奥歯を噛み締めかねないまでの冷ややかな視線を肩越しに寄越した《教授》だが、すらりとした肢体と功績をもってしてもその顔は綺麗なだけで中身がない。&lt;br /&gt;
　子供が唇をとがらせんばかりにして、なだめ方を間違えると癇癪を起こすのを知っている宇宙は大人しく退いた。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「…すみません」&lt;br /&gt;
「それにるいが素直だとか一体どういうご意見なのかな。独断とか偏見ってよくないと思うんだけど」&lt;br /&gt;
「まあまあ、るい―」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　宥めるタイミングを心得ているらしい男は絶妙のタイミングでおだやかに声をかけた。その眼差しが人間味も薄くあしらうようなところがあるのに宇宙はどうも関心かねたが、面白そうですらある口ぶりには親しみがあった。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「そう厳しいと参ってしまいますぞ。…それで大変な沈黙を破って、どんなご用件ですかな？　私も睡眠ばかりで忙しいのです」&lt;br /&gt;
「宇宙に話を聞かせてやって欲しいから、精々八十時間程度じゃないかとは思うけど」&lt;br /&gt;
「それは短くて助かりますなあ。けどまあ、それだけでは済みませんが―」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　流れるように言われた台詞のような言葉はひややかにすぼめた口許から発せられ、男が言うにはいささか貴族的で下卑た気配がした。ちらりと鋭い眼の端に瞳を移動させた男と目が合い宇宙は不快に鳴りかけたが、《教授》は挑むように微笑んで宇宙を誇らしげに示した。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「そうそう骨が折れない男だから御心配なく。貴方の細君くらいじゃないかな？」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　くすりと華やいだ笑みで《教授》は言った。&lt;br /&gt;
　それは男に対する皮肉だったらしく、彼がどことなくばつが悪そうに黙ったのを沈黙してまで確認してから声音を落として続ける。こういったところに《教授》にもいやな大人の部分と狡賢さがあるのだった。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「じゃあお話をよろしく。&lt;br /&gt;
　まずは【菊拘街】について話して。るいも多忙なの」&lt;br /&gt;
「そうですかね。それはまたお羨ましいことで―随分と遊んでらっしゃるそうですがそれはいいのですかな？」&lt;br /&gt;
「貴方とか貴方の細君には及ばないんじゃないの？」&lt;br /&gt;
「…《教授》、時間、大丈夫ですか」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　にわかに険悪な空気が流れたで茶を濁すように宇宙は口を挟む。こと宇宙の言葉に耳を貸さない《教授》だが、時間のこととなると鮮やかなまでに身を引く。&lt;br /&gt;
　《教授》は数秒あらぬところに視線をやって何かを考えたようだったが、ぞっとするような冷たい視線を男に当ててから高い椅子から降りる猫のようにしなやかに身を翻して部屋から出て行った。&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「すみません。その、研究に命がけで、少々気が立っていて…」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;　ドアが閉まり気配が遠のいてから、ばつが悪い表情にならないよう苦心して宇宙は男を振り返って軽く視線を落としていった。&lt;br /&gt;
　男は少しばつの悪い顔をしたが、それを誤魔化すように弱く唇だけをゆがめて声を笑わせ、&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;&lt;br /&gt;
&lt;div class=&#039;wiki&#039;&gt;「気にしてませんよ。るいはあれでもましになったほうです。こと男に対して厳しいところが、若いときのお父様にそっくりですよ」&lt;br /&gt;
&lt;/div&gt;</description>
			<link>https://blogs.yahoo.co.jp/ogawamimei119/27941095.html</link>
			<pubDate>Fri, 02 Feb 2007 10:26:31 +0900</pubDate>
			<category>練習用</category>
		</item>
		</channel>
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