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カナダ北極圏、ケンブリッジベイで準備中です。 結局、あのあと天気が悪くて釣りは行けず終いでしたが、今日から晴れてきたので明日はいま居候させてもらっているイヌイットの家族と一緒にアイスフィッシングに行く予定。 私は、氷に穴を空けるための人足みたいなものです。 今日は一日買い出しをしたり、これから3週間ほど歩くためのパッキングなどを行いながら、午後は海氷上にスキーで運動に出かけました。 新開発のPOLEWARDSベンタイルジャケットの使い心地のチェックです。 極地で活動するうえで一番の敵は「自分の汗」です。自分の体から発散される水分は、蒸発せずに全てが凍りつきます。その汗の処理がとにかく大変で、ゴアテックスなどの防水透湿素材を使用しても、透湿する前に凍りつく&極低温化になると透湿機能も失われるため、防水透湿素材はまったく意味をなしません。 低温化でもソリを引けばかなりの汗をかきます。どうしても化学繊維のジャケットだと、ジャケット内に汗が溜まって中の衣服がベタベタに濡れてしまい、それが体を冷やす原因となります。また、一日活動後にその濡れた衣服を乾燥させるために使用する燃料も余計に使います。 そこで今回、これまでのアウトドアウェアの考え方を根本から見直して、100%天然素材コットンを原料とする「ベンタイル」でジャケットを作りました。 ベンタイル(Ventile)とは、通気や換気を意味する”ベンチレーション”(Ventilation)と同じ語源を持つことからも分かる通りに、化学繊維よりも通気性があります。つまり、風を通す、化学繊維よりも寒い、ということです。 極地で寒いウェア?というと、矛盾しているようですが、我々のようにソリを引いて人力で活動する上では「保温」というのは「体温調節」というもっと大きな括りの考え方の下にあるもので、その「保温」と同列にあるものが「換気」であり「体を冷やす」ということです。 如何に汗をかかないか?如何に体の熱を上げすぎないか?というのも、保温と同じくらいに大切なものです。 とはいえ、ベンタイルは高密度に織り込んだ素材のために、通常の天然素材よりも防水性防風性は確保されているのです。 POLEWARDSベンタイルジャケットは、次の秋冬からラインナップに加わって発売される予定です。私のジャケットのパターンではないですが。 午後、スキーを履いて走るように、わざと汗をかくくらいの運動量で海氷上を歩いてきました。ジャケットの下には、いつもは着ない起毛していないフリースをあえて着込んでみました。通常の化学繊維ジャケットであれば、1時間も動けばフリースは汗でベタベタになってしまいます。 居候している家に戻ってきて、ジャケットを脱いで中の汗の具合をチェックすると…かなりいい感じです。この低温化でも、自分の汗がベンタイルジャケットを通して発散しているようです。ニヤリ。 あとはレイヤリングの工夫ですね。ベンタイルは、かなり正解な気がします。 ちなみに、今日スキーで運動しながら行ってきたのが、写真の船です。 ケンブリッジベイには、あの大探検家アムンゼンが北西航路探検で使用した「モード号」が80年以上にわたって湾内に沈没していました。 1917年に建造されたこの船が、2年前から水上に引き揚げる作業が行われていて、ついに今年の夏、100年ぶりに故郷のノルウェーに帰ることになっています。 これから博物館で展示されることとなるモード号を、間近に現場で見ることができるのは今年まで。 この船に乗ってアムンゼンが旅をしたのかと思うと感動します。 コットン素材のベンタイルジャケットは、レトロな探検船に風合いがマッチして、いい感じです。
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