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こちらは午前11時です。そろそろ海氷に出てきます。 ケンブリッジベイの村があるビクトリア島から100kmほど行った北米大陸本土の方まで行って帰ってきます。10日ほどで帰って来るショートトリップです。 今回の目的の一つは、開発中のPOLEWARDSベンタイルジャケットのフィールドテスト、ほか装備品の寒冷地チェック、ドローンをはじめとした撮影機器のテストと実践、森永製菓ウイダーのプロテイン補給を行うことでの身体の消耗低減のチェック、などなど、今後の遠征に繋げられるように幾つか確認してきます。 日本に帰ったら正式に公表するつもりでしたが、今年の11月から始めての「南極点」をやろうかと思っています。 南極点を無補給単独徒歩で行こうかと計画中です。 北極男がついに地球の反対の南極へ、というか、始めての南半球、沖縄以南は初めてです(笑) 私の最大目標であり、これまで2度挑戦した「北極点」の無補給単独徒歩は、2014年以降カナダ側の飛行機会社が北極海へのチャーターフライトをやめてしまった影響で、スタート地点への移動ができず挑戦ができません。 ちなみに、北極点挑戦に関しては、北緯89度(北極点まで100km)まで飛行機で一気に飛んで、そこからガイドと共に一週間くらいをソリを引いて北極点まで歩く「The Last Degree」というツアー旅行があって、それを使えば北極点に行けますが、冒険的な記録を宣言するならばロシアかカナダか、いずれかの「陸地」を出発して約1000km(10倍の距離)を踏破する必要があります。10分の1の距離だけをガイドに連れて行ってもらう体験コースで北極点に行っても、個人旅行としては大いに結構ですが、冒険的な記録には一切該当しません。 話が逸れましたが、北極点挑戦は機を見てまた必ず挑戦するつもりですが、その間にまずはいずれやろうかと思っていた「南極点」をやってしまおうかなと。 今回の北極は、南極を見据えたトレーニングと装備チェックです。ケンブリッジベイに来たのは、今頃の時期は南極点に挑戦するときと同じような環境(気温その他)であるからです。 ここでのトレーニングとテストをフィードバックし、南極点に臨みます。現在、南極にフライトオペレーションを持つ会社とはやり取りを繰り返しています。 北極点挑戦同様に、南極点もかなりの費用がかかります。その工面も必要です。 3年前の北極点挑戦後、再トライがやりたくでもできない状況に悶々とし、大きな目標がなくなったことに何か気が抜けてしまったような感覚がありましたが、新しく「南極点」を設定したことで、また自分の中にメラメラと火種が燃えてきているのが分かります。 22歳で初めて北極を訪れた私も、今年でなんと40歳です。ひたすら自分の成長を望み、どこまでできるのかを確認するようにひとつひとつの計画を一歩ずつ乗り越えてきました。 冒険とは本来自己満足の産物です。誰に強制されるわけでもなく、自分の意思と主体で挑戦し、そこから得られる教訓や知見を新たなステップに進むための糧として、また前進していく、それだけです。 しかし、そうやって「自分のため」と思って続けてくる中で、多くの人たちと出会いました。2012年からは夏休みに小学生たちとの冒険旅100milesAdventurteをスタートさせました。 自分のためだと思ってただひたすらに、がむしゃらに続けて行ったことで、結果的に社会と深く繋がり、また私の経験や知見、教訓を必要としてくれる人たちがいることにも気付きました。 人はインプットしないとアウトプットはできません。そのやり方も千差万別ですが、私のインプットは「経験」でした。やってみる、試してみる、ダメならまた考えてやり直してみる。その繰り返しです。 20代から30代はとにかくひたすら自分のためのインプット期間だった気がします。30代半ばから、100マイルを始めてみたり、アウトプットの比重が増えてきました。 これからやってくる40代は、これまで以上にアウトプットの比重が増えてくるでしょう。表現方法もまた千差万別でしょうが、私ができるのは自分の経験をまた誰かに体験してもらう「体験の共有」な気がします。 将来的に必ずやりたいと思っているのは、まったく何の経験もなかったど素人の22歳の私を北極へと導いてくれた大場さんがやってくれたように、今度は自分が若者を連れて一緒に北極を歩きたいと思っています。 自分自身が挑戦をし続けることで、22歳の私が抱えていた空っぽの器は次第に水がたまり始めました。自らの渇望感に一応の満足がいったところで、自分の器の水からコップでひとすくいし、かつての私のような若者にその経験という水を分け与えたいなと思います。 決して、私の水で彼らを満たすつもりはありませんし、それは無理です。私はただのきっかけです。私にはコップ一杯の水しか分け与えることはできません。彼らの心の器を満たすほどの大河は、世界であり宇宙にあります。私がコップ一杯の水を分け与えることで、彼らはこの世には自らの渇望を満たしてくれる「水」があるのだと知るでしょう。そして、自分の足でそれを探しに行くでしょう。 先に生きるものの役割は、後に生きるものに知らせ、導くことです。イヌイットの社会は年長者が動物の仕留め方、捌き方、保存の仕方、毛皮の使い方、全てを伝えます。彼らは情報を伝達し、死んでいきます。 私もそうやって生き、そして死んでいきたいと思っています。知らせるだけです。主体は自分ではなく、知らせる情報です。 では何を伝えるのか?何をアウトプットしていくのか?そのためには、何をインプットしていくのか? 私にできることは、自分で経験していくことです。自分の経験こそが、伝えていくべき情報だと思っています。 南極点挑戦は自分にとって新たな挑戦となり、新たな経験となります。その南極のために今、何をすべきか?何ができるのか? いま私がやるべきことは、南極点の挑戦に備えた準備であり、トレーニングであり、装備のテストです。それらを経て確実に南極点挑戦を果たし、さらにその先へと進んでいきたいと思っています。 では、10日ほど1年ぶりの北極を楽しんできます!
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何をアウトプットするかって難しいですよね
でも、荻田さんの単独無補給徒歩にこだわって挑戦する姿が、私には荻田さんからのアウトプットを受けとっているように感じます
で、次は南極ですかー!!
大場さんは南極横断でパラセールを使われてますよね
荻田さんもパラセールを使われるんでしょか?
南極には乱氷帯やリードが無いけど、風が強いとか、酸素が薄いとか、高額になってしまうとか、大変そうな印象がありますが、成功を祈念しています
ですが、まずは、北極
お気をつけてー!
2017/4/8(土) 午後 9:33 [ まーぼ ]
海外ではラストディグリーでエクスプローラーズグランドスラム OKのようですよ。
【ウィキペディア】
The Explorers Grand Slam
Currently, the climbing community and other leading organizations 中略 and the popular press all define the Explorers Grand Slam as having accomplished the Seven Summits plus (at a minimum - the last degree of) the North and South Poles.
現在では、登山コミュニティや代表的な山岳団体(中略)、主な報道機関によればエクスプローラーズグランドスラムとは七大陸最高峰登頂(少なくともラストディグリー=緯度89度以降の)南北両極点を踏破するというのが定義となっている。
2017/4/8(土) 午後 11:37 [ クワガタ ]
> クワガタさん
お知らせありがとうございます。ラストディグリーでもOKとは、記録が随分と軽くなった感じですね。そもそも、誰かが明確に定義したというわけでもなく、多くの人たちの「共通認識」の要素が強いものですので、否定する材料もなく、まあ「言った者勝ち」という感じですね。
2017/4/11(火) 午前 11:03 [ 荻田泰永 北極冒険家 ]
> まーぼさん
ありがとうございます^^
私はセールは使わず、ずっと歩きです。大場さんのように3800kmも進むにはセールが必須ですが、私はそこまで長いわけではないので。新しい挑戦ですので、ワクワクドキドキです。
2017/4/11(火) 午前 11:06 [ 荻田泰永 北極冒険家 ]