|
今日は東京の立川市にある国立極地研究所に行ってきました。
国立極地研究所とは、南極観測隊を派遣したり、北極の学術調査などを行う日本の極地研究の総本山です。
今日は極地研(略してこう呼びます)の海氷と雪氷の専門家の先生に今後私が北極でなにができるか?研究者はどんなデータを必要としているのか?といった具体的なアドバイスをいただきに行ってきました。
いま、世界の課題の最前線の一つは地球環境問題です。地球環境の変化は極地から顕著になっていきます。極地の現状をよく知ることは、地球環境を知ることにつながり、言わば地球の身体検査ができるのです。
最近北極海の海氷面積が減少しているという新聞報道が盛んにされていますが、どうやって面積を調べているかご存じでしょうか?
答えは人工衛星からの解析によって行っています。では、海氷の厚さを計測している方法はご存じですか?
答えは、その方法は無いのです。リモートセンシング技術という分野があって、衛星解析を行う学問なのですが、海氷面積に関しては衛星写真でわかるのですが、厚さに関しては正確な値を得られるほどの精度がありません。
例えば薄い海氷にある程度の雪が積もっていたら衛星からの解析では厚い氷との区別が難しかったりします。まだ推測に頼る部分もあるようです。面積と同時に氷の厚さというのも地球環境を知る上で非常に重要なのです。
では、厚さの正確なデータを得るにはどうすればよいのか?
それは、現地に行ってドリルで穴をあけて氷の厚さを測るしか、いまの技術では他に方法がありません。
北極海の海氷に関しては未知の要素が多く、いま求められているのは「なるべく多くのデータ」です。
例えば、3月10日のある地点の北極海の海氷をドリルで掘削し、厚みが2メートルであった、積雪が30センチ、雪質はドライ、気温がマイナス32度、といったデータがあれば、その日その地点の衛星写真と実際のデータを対比させていくことでリモートセンシングの精度が増していきます。精度をあげるにはなるべく多くのデータが必要となります。
ではそのデータを誰が集めるか?
データを収集するには氷上を移動しながら、なるべく多くの地点で観測をする必要があります。北極海の海氷上で、移動しながら長距離を観測するスキルというのはまさに我々のような冒険を行う者が得意とする分野であり、逆に言えば我々にしかできないことでもあるのです。
今後、自分にできる調査には協力しながらなるべく社会的な意義も持たせた冒険を行っていきたいと考えています。
日本が環境先進国を名乗るなら、金で排出権を買うだけでなく、積極的に意味のある環境調査や技術向上の為の協力をしてほしいと思います。
|