プロジェクタで写した映像のホッキョクグマに向かって吠える我が家の犬、がんも。映像はテントに近付いてきたホッキョクグマ。2007年の旅での映像です。
初めての方は8月27日からの続きです。続けて読んでみてください。
9日目
日記より
「4月17日 晴 マイナス25度
6時起床。が、この夜不思議な出来事があった。夜中の1時頃、一度目が覚めてポットのお湯を一杯飲んだ。さて、また寝よう、と思い寝袋に入ってウトウトしたその瞬間、テントが激しく「ガサガサッ!」と揺れた。ハッ!と気付き、5秒後に再び「ガサガサッ!」という音。
「クマだ!!」そう思い、大声で「コラーーーーー!!」と叫ぶ!
いそいで寝袋から出て、ダウンジャケットを着てライフルを持ち、手袋をはめ、クマよけスプレーの安全ピンをはずす。ライフルを構えながらテントの入口をそうっと開ける、が、正面には何もいない。後ろか?と思い、見ると何もいない。
外に出てみる、クマが隠れられるような氷は100mほど離れている。テントの周囲を調べる、足跡はない。弱い南風が吹いている、この風ではテントは揺れない。ただ、テントのペグが一本抜けて1mほど離れて落ちている。雪が浅く、抜け易かったのは事実。周囲を見ても何もいない。今思うとキツネという説もあるが、あの揺れ方と音はキツネとは思えない。空に向かってライフルを一発撃つ。再び寝るが朝まで何事もなかった。あれは一体何だったのか?やはりクマだったのか?
そして6時起床。いつも通り準備をして出発。昼に上陸地点に到着する。ダラダラと登りが続く。雪もやわらかく非常に疲れる。しょっちゅうGPSと地図をチェックしてはルートを確認する。
それにしても島に上がってから雪がやわらかい。ものすごーく疲れる。しかも登りばかり。ひたすら引いてはすぐ休む。そんな事を繰り返し、午後5時、ルートに迷いここでキャンプをする事に。迷った時はしっかり考えて、そして行動するべきだ。いま地図を見て明日のルートを考えている。今日は疲れた」
夜中のテントが揺れたのはおそらくキツネであったと思う。ホッキョクギツネは好奇心旺盛なので近付いてくることがよくある。おそらくテントを固定している張り綱を咥えて引っ張ったのだろう。ちょうど積雪が少ないところだったのでペグも抜け、テントが揺らされたのだと思う。しかし、揺れ方が人間が掴んで揺らしているような激しい揺れ方だったので、完全に「クマが来た!」と思ったのだ。
心臓はバクバク鼓動が早まり、生きた心地がしなかった。ライフルを構えながらテントのジッパーを開ける時も、口から心臓が飛び出るような思いだった。「入口を開けた目の前にクマがいたらどうしよう…」そんな感じでした。
つづきはまた明日。
|