北極冒険家荻田泰永のブログ 北極点を越えて

日本人初の北極点無補給単独徒歩到達を目指しています!

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2002年、私は初めての、カナダ北極圏海氷上500km単独徒歩行を無事に終了することができました。
5月2日に目的地のグリスフィヨルドに到着し、2日後にグリスフィヨルドと徒歩行の出発地であったレゾリュートをつなぐ10人乗りの小さな飛行機(ツインオッター)に乗りました。
必要な物資や人を運ぶための飛行機が週に2回、二つの村の間を行き来します。
24日間かかって歩いてきた道のりを上空から眺めながら、一日ごとの出来事を思い出していました。
しかし、感傷にふける間もなく、24日間かかった行程を、なんと!一時間半で帰ってきてしまいました。うーーーーむ、速いなぁ、飛行機は………。


レゾリュートに帰って、出発前に泊まっていた宿に入りました。宿のスタッフからも祝福され、お世話になったテリーさんとも再会しました。
宿で26日ぶりにシャワーを浴び、ガッチリと皮膚にこびりついた垢と格闘しながら、いくら洗っても脂で泡立たないシャンプーを何度も何度も繰り返し、なんとかサッパリすることができました。
ソファーに深く腰掛け、一息ついて「あぁ、やっと終わったなぁ…」と旅を無事に終了することができたことを、ようやく実感したのです。
旅の終了を実感するとともに、ここで私はもう一つの重大な事実に気が付いてしまったのです!
それは…
「一年間、全てをかけて臨んできたグリスフィヨルドまでの単独徒歩行が終了してしまった!これからどうしようか???具体的に言えば…来年はどこを歩くべきか」

一年間、生活の全ても、大げさに言えば生きていることの理由すべてが今回の計画のためでした。アルバイトをいくつも掛け持ちしながら寝る間を惜しんで資金を作り、考えることの全ては北極の事だけ。興味が向くことはすべて北極の事だけ。まさに私は全てをかけてこの旅に臨んできたのです。
その旅が終わってしまった!その事実に気がついた時、私の頭の中にあったのは来年の計画でした。シャワーを浴びて、旅の成功の喜びに浸る前に、すでに来年の計画を考え始めていました。
「来年はレゾリュートから南に1000km先にあるケンブリッジベイまでを一人で歩いてみよう」
こうして早々と来年の計画を考えました。

日本に帰国し、再び始まるアルバイトの日々を繰り返します。
そして翌2003年。4度目となるレゾリュートに入ります。しかしこの年は完全に異常気象の年でした。海氷が異常に薄く、その時の私の力では1000km先のケンブリッジベイまで行くことはできないだろうと考え、計画を変更して目的地であったケンブリッジベイのあるビクトリア島を、2週間ほどそりを引いて歩きました。

2003年夏。この年2度目の北極へ出向きます。冬に訪れたケンブリッジベイの町を尋ね、初めての夏の北極を体験しました。多くの野生動物と出会い、新たな北極の世界を見ます。
2004年。犬ぞり隊に参加し、グリーンランド内陸氷床の2000km犬ぞり縦断行で、世界最北の集落であるシオラパルクから、グリーンランド東海岸のアンマサリクまでを52日間かけて走破しました。
2006年。しばしの休息から目覚め、翌年に計画していたレゾリュートからケンブリッジベイ1000kmを行う準備としてケンブリッジベイの町に滞在します。2003年に歩けなかったルートを歩くつもりでした。
2007年。レゾリュート〜ケンブリッジベイ1000km徒歩行を実行。しかし、中間500kmまで歩いたところで手を負傷。継続不能となり、飛行機でピックアップを受けて撤退しました。
2008年。この年の8月1日にカナダ北極圏からロシア、中国にかけて皆既日食を観測でき、北極を訪れましたが、雲にさえぎられて残念ながら太陽は見えませんでした。しかし、昼間が一気に暗闇になる皆既日食に神秘にモウレツな感動を覚えました。

そして、今後の旅。私は現在、北極点無補給単独徒歩到達を考えています。北緯90度、地軸の極である北極点へ、単独で、物資補給を途中で受けることなく歩いて到達するという、言わば極地冒険の最高峰です。
成功すれば世界で3人目。日本人ではもちろん初めてです。私は北極点へ2011年に挑戦したいと考えています。
来年2010年は、北極点のトレーニング行としての1400km無補給単独徒歩行を計画しています。来年は私が大場さんたちと初めて北極を訪れてからちょうど10年となります。2000年にグループで歩いた私の初めての北極冒険、北磁極700km徒歩行のルートを、一人で往復しようと考えています。
そして、来年の旅では、ルート上の降雪を採取しながら、北極の雪に含まれている大気汚染物質の量を調査する予定です。この調査では、大学の雪氷学の先生と連携し行う予定です。
2000年の旅の時にも、降雪サンプル調査を行っており、10年後に同じルート、同じ時期、同じ手法でサンプル調査を行う事で、10年間での北極における大気汚染状況の変化を探ることができます。
北極と言えば人間の活動が極端に少なく、清浄で汚れの無い地域と考えがちですが、北極へは先進諸国、特にロシアやヨーロッパからの環境汚染物質が多量に飛散しているのです。
アークティックヘイズという言葉があるのですが、アークティックは「北極」ヘイズは「霞」の事です。北極では、特に春先に、晴れていても極端に視界が悪くなるという現象が以前から報告されています。
かつては100km以上先のものでも見通せるほどのクリアな視界があった北極でも、春先に数キロ先のものでもかすんでしまうという現象が起きているのです。
このアークティクヘイズは全て先進国からの排気ガスや、工場排煙といった汚染物質なのです。
硫酸イオンや硝酸イオン、重金属類や煤といったものが多く北極へ飛散するとどうなるのか?
大気中に黒い汚染物質が漂うと、太陽光を吸収し気温上昇につながります。白い雪面に落下することで太陽光を吸収し、海氷や氷河の減少を加速させます。
重金属は地面に落下すると、厚い凍土によって地中に浸透することなく地表にとどまります。年を追うごとにその濃度は高まり、やがて植物や野生動物にも影響を及ぼし、地表の表層水を飲料水としているイヌイットの人々にも健康被害を及ぼします。
私の来年に計画している旅は、このような汚染物質の飛散状況を10年前と比較検証する科学調査も含んでいます。
そしてその先には、北極点へと続く計画があるのです。今後、北極点へ向けては1000万円以上の資金を作らなくてはいけません。
どうやって?それは未だ私にも分かりません。多くの方の協力と、広く世間への周知、何よりも私自身の情熱が必要になるでしょう。

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荻田泰永 北極冒険家
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