我が家の犬、ラブラドールのがんも7歳です。留守番するときは外につないでいますが、家に人がいるときは家の中にいます。
室内で飼っていると動物にも野生の緊張感は無くなるのでしょうか、がんもはよくソファーの上でこんなポーズでいびきをかきながら寝ています。お前…犬か!?
ここからは初めて読む方は8月27日からの続きです。遡って読んでみてください。(長くてすいません)
三日目。
当時の日記より
「4月11日 晴れ マイナス20度くらい
6時起床、外は快晴。風もない。疲れているせいか一度寝ると朝までグッスリだ。今日は天気も良いし、20kmは歩きたいところだが…
いつも通りにテントをたたんで出発。氷の状態は良い。この辺りの氷は毎年夏に溶けてはまた凍るところだろうから古い氷が少ない。
日差しが強いのでそりのすべりも良い。きょうは20kmはかたい、と思う。海岸沿いに乱氷はあるが、少し沖には殆ど無い。ペースを上げて進む。だが、やはり2時くらいになってくるとかなり疲れがたまってくる。長い時間歩けなくなるのだ。歩いては止まり、歩いては止まりを繰り返す。ペースが落ちてくる。午前中はいいペースだったが午後に失速し、午後5時テントを張る。結局18,8km。まだまだ辛抱の日々か…」
北極でも夏になると暖かくなって海の氷は溶けます。冬になるとまた凍るわけですが、夏の間にも溶け切らないで海に浮かんでいる大きな氷があります。そのような一年以上を経過した氷を多年氷と呼び、年を経るごとに厚みを増します。つまり、一年目の冬に厚さ2メートルの氷になったとして、夏に厚さ1メートルまで溶けてもまた冬になってプラス2メートル、計3メートルになるわけです。また夏に溶けて1.5メートルになったとしても冬にまた凍って厚くなる…を何年も繰り返すというわけです。
一年目の新氷は大抵平らに凍りますが、多年氷が多い場所では大きな氷のブロックが海岸線のテトラポッドのように敷き詰められた状態になります。そんな場所を「乱氷帯(らんぴょうたい)」と呼びます。乱氷帯はそりを引いて歩くには完全な障害になります。なるべく乱氷は避けて歩きたいのですが、北極の難しさはどこに乱氷があるかはその年ごとに全く状態が違うので、行ってみないと分からない、ということです。巨大な乱氷では、高さ5メートルくらい、二階建ての家がそのまま立っているくらいの氷が一面に広がっていることもあります。
ちなみに、近年の地球温暖化で北極海の海氷面積が減少している、とはよく言いますが、何が減っているかといえば、この多年氷が減少しているのです。冬に凍った氷が夏に溶け切ってしまったり、冬に厚みを充分に増しきらなかったり、そのために全体の海氷面積が減少してしまいます。
海に浮かぶ氷が溶けても海水面の上昇にはつながらない、ということは多くの人が知っていると思います。コップの水に氷を浮かべてそれが溶けても水面は上がらない、ということですね。
では、北極の氷が溶けることの何が問題かといえば、いちばんは、今まで白い氷で蓋をされていた北極海の海水が、氷を失うことで黒い海水面が露出し、太陽光を吸収してさらに海水温が上昇、よってさらに気温上昇、さらに海氷減少…というスパイラルに陥ることです。
北極のツンドラには永久凍土があり、その凍土の中には膨大な量のメタンガスがため込まれています。気温が上昇して凍土が溶けるとメタンガスが大気中に放出されます。メタンガスの温室効果は二酸化炭素よりもはるかに強力なのです。
地球温暖化は北極からはじまり、北極で加速されると言えるでしょう。
つづきはまた明日。
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