写真は新しいホッキョクグマの足跡。たった今歩いたばかり…
今日はフリーマーケットが東川のキトウシ森林公園でありました、が、大雨で何もできず…。明日もあるので明日に期待です。
昨日の続きです。初めて読む方は8月27日からの連載になってますので、続けて読んでもらうといいかと思います。
4日目。
日記より
「4月12日 快晴 マイナス27度くらい 無風
6時前に起床、8時20分に出発。天気は快晴、風は全くない。とても暖かい。そりの滑りも海氷の状態も最高。ペースがものすごく速い。これは今日は期待できる。
左手にコーンウォリス島を見ながらひたすら北上する。途中バローインレットの前を通過するときに西風が吹き付けてきた。今日は西風なのだが島影を歩いているために風を感じないのであろう。
ペースを上げてどんどん進む。夕方、途中から突然乱氷が多くなる。はじめは乱氷内を進んだが、島から離れた沖の方が海氷が平らなようなので沖に出る。
乱氷帯を出て、平らな所に出たその時、前方の乱氷のかげに動く黄色いものが……ついに来た!あれはまぎれもなくホッキョクグマである!距離にして約70m。こちらを見て鼻を高く上げ、臭いを嗅ぐようなそぶりを見せる。実際この距離で出会うとホントにビビる。
急いでライフルの用意をする。落ち着いているつもりでも手が震えているのがわかる。
「落ち着け、生きる力をくれ…」と、思わずつぶやく。
ライフルの用意をしている間に姿が見えなくなった。乱氷のかげに隠れたのだろう。とりあえず一発、クマのいた方向上空に向けて撃つ。
しばらく様子をうかがうが、姿が見えなくなったのでその場を離れてできるだけ遠ざかる。
しばらく歩いて今日はキャンプ。強い北風が吹いている。が、日記を書いている今になったら弱い南風になっている、どうなってんだ?
寝る前にもテントの周りを確認してから今日は寝よう。クマさん来ないでね」
北極を歩く上で最も脅威なのは寒さでもブリザードでもなく、ホッキョクグマの存在だ。オスは体重600kg、立ち上がったら身長は3mを超える巨大なクマだ。
ホッキョクグマは好奇心旺盛で、何物にも臆せずに向かっていく。よく、日本の山では人間が音を出していれば、ヒグマやツキノワグマは争いを好まずに逃げていく、と言われるが、ホッキョクグマは人間の姿を見ると「確認」にやって来る。
「シロクマって襲ってくるんじゃないんですか?」とはよく聞かれる質問であるが、襲ってくるクマもいるだろうし、襲ってこないクマもいる。あくまでもその時その場所そのクマ次第である。腹が減ってどうしようもないホッキョクグマがいたとして、「なんでもいいからとにかく食いたい!」とイライラしていれば何にでもアタックしてくるかもしれないし、満腹で余裕たっぷりのクマであれば、人間がいたって何の気にも留めないで目の前を素通りしていくかもしれない。あくまでもクマ次第である。
2000年の初めての旅の時には遠くにクマを見たことはあったが、このときは初めて一人で、ばっちり目が合うくらいの距離で出会った初体験であった。相当ビビってしまいました。
その後の旅でも何度も出会ううちに、今ではかなり気分的に余裕も出てきました。クマの行動を観察して「こいつはヤバい奴か?」というのをよく見れば、50m先にクマがいてもリラックスして対抗手段を準備することができるようにはなりました。
つづきはまた明日。
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