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きのうの腕時計と太陽のナビゲーションの話しを受けて、「GPS」は使わないのか?という質問をいくつか受けたので、おそらく潜在的な疑問を持つ方が多いだろうと思い、今日はその話しを。
まず、GPSは使います。
でも、歩いている間の方角の参考にはできません。
なぜかというと、単純にGPSを片手に持って見ながら歩くというのは現実的に無理です。
そもそも、北極のような目標物のない水平面を進む時、何が一番難しいかというと「まっすぐ進むこと」です。
目立った目標物のない水平面をひたすら行くのは、特徴的な氷の突起や遠くの空に見える雲などをとりあえずの目標物に見たてながら、太陽の位置を参考に方角を間違えないよう進むのです。
なので、ちょっと目を離すと自分がどの氷を、または雲を目標にしていたか分からなくなってしまいます。
足元を見ながらぐるっと体を一回転させたらもう目標物を見失うでしょう。同じような光景の連続ですので。
重いソリを引いて歩いていると、手にはストックを持って手でも踏ん張りながら漕いでいます。なので片手にGPSを持つのも無理ですし、第一電池がいくらあっても足りません。
ではGPSは何に使うかと言えば、一日歩き終わってその日の緯度と経度を知るため、その日何キロ進んだか知るため、くらいです。
現在地の正確な緯度と経度を知るのは最も大事なことです。
特に、経度を見失うと時間と太陽を使ってのナビゲーションに重大な影響を受けます。
経度は地球に理論的に引かれた縦の線、つまり東西方向の座標です。
東経0度から180度と西経0度から180度、地球一周を計360度で刻んでいるわけですね。
経度は赤道上で1度ずつの間隔が最も広くなり、北極点と南極点で全経線が集約するわけです。つまり、極点に近くなるほど経線の間隔が狭くなります。
基本的に、経線15度分で一時間の時差となります。地球の経線15度の東西間隔を一時間で太陽は動いていくわけです。
太陽移動が一時間で経線15度、かける24時間で360度の地球一周、それが一日です。
北極では経線の間隔が狭くなり、自分が東西方向に少し動いただけで経度が激しく変化します。
自分の位置が経度5度ずれると太陽の動きに20分の差ができるということです。
そのずれに気付かずに、太陽の位置だけを参考にしていると本来進むべき方向よりも5度ずれて進むことになります。
「うう〜ん、なんかよく分からん」という方、多いと思います。
文章で表現するのは難しい!!
ナビゲーションには時間と太陽の位置と経度を常に意識しないといけないということです。
ちょっと慣れが必要になります。
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