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今年の7月、私の目はある新聞記事にひきつけられた。海上保安庁の特殊部隊である特殊警備隊の隊員が、海保の施設で負傷者の搬送訓練中に重度の熱中症にかかり、死亡しというのだ。25歳だった。
海上保安庁は厳しい任務と訓練を行う組織だ。だから、肉体的にも精神的にも「強い」人材が求められている。また、この種の組織は、その任務の全てを外部に語ることができない。だから、苦労は改善されず、組織の内部で消えるか、消されてしまいかねない。
特殊警備隊の隊員は、恐らく、分厚い制服と重い装備を身につけて、訓練に臨んでいたのだろう。夏場にそのような格好では暑いはずだが、彼はその立場上「暑い」とは言えなかったのではないか。
これは海上保安庁だけの問題ではない。自衛隊や警察などにも共通する問題であり、究極的に言えば、日本社会のあらゆる人に当てはまる問題である。貴重な人材を失わないために、「苦しい」と言えない、彼らの苦悩に耳を傾ける必要がある。
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