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虫歯予防デーは過ぎたが、時には歯医者らしいことも書いておこうと思う。
物価は高騰し、流れは節約の時代へと移行している。
虫歯だらけや歯周病が重度になって来院される患者様には、歯科治療は経済的な負担となることと思う。
僕自身、歯医者が好きではなく、小学生の頃、検診の紙を先生から貰うたびに「赤紙」を受け取るような気分になったものだ。
だから、出来るだけ経済的な負担が少なくなるよう、また回数も出来るだけ少なくて済むように頑張っているのだが、回数を減らすことがかえって予後を悪くしたり、だが回数を増やすと中断をしてしまう人もいて、なかなか難しい問題だといつも思う。
治療が終わると、きちんと3ヶ月に一度の定期検診を受ける人も最近では多くなってきたが、まだまだ治療が終わるとそのままの人が多い。
この原因を考えていたのだが、一つは私たち歯科医師や歯科衛生士が、予防の重要性を伝え切れてないことと、もう一つは健康に咬むことの出来る口(歯)の価値が一般に理解されていないことにあると思う。
最近、あるCDを聞いていて本当かなあ?と思ったのが、
「実は、患者様はほとんどの方が、自分の歯の本数さえ知りません」
それはないだろう、と試しに長年予防で通院されている患者様に聞いてみた。
僕「御自分の歯、何本あるかご存知ですか?」
患者「知りません」
何人聞いても同じ。
予防に来院されている患者をしてこれであるから、一般的に言えば、国民の99%が自分の歯の本数を知らないことになる。
歯医者の常識は、国民の非常識
歯のことばかり扱っていると当たり前のことが、一般には当たり前でないことのいい例である。
こういうところからギャップを埋めていかないと、本当の意味で国民の口腔衛生に寄与できる歯科医師にはなれないと、反省することしきりの今日この頃である。
成人の場合、親知らずを除けば、28本の歯が存在しているのが正常である。
右上、右下、左上、左下に各7本ずつが存在しているということになる。
この正常な歯列にどれだけの価値があるのか、これを知ることが究めて重要なのである。
健康な状態で、健康の価値を知ることは難しい
これと同じで、普通に噛むことの出来る状態で、歯が普通に存在していることの価値を知ることは難しい。
よって、ここでは極端な例を挙げる。
例えば、歯が全く無くなって、その状態から普通に噛むことの出来る状態に戻すにはどれだけのお金がかかるか?
これを考えると、普通の価値の高さが分かる。
保険治療の場合、全く歯が無い方は総入れ歯にする。
しかし、これで満足される方は少ない。
入れ歯の不快感から脱却するために、インプラントという人工歯根を選択される方も増えてきた。
歯根という顎と強固に接合する部分があればこそ、違和感無く咬めるのだが、入れ歯は顎に乗せているだけの状態なので、顎と入れ歯の間が擦れて痛かったり、また間に食べ物が挟まったりして、不快な状態であることは想像できる。
ここまで極端なことはしないが、全く歯の無い状態の方が、28本分の人工歯根を植え込んで、歯の部分も天然の歯と同じ色調のセラミックで補修したとすると、1本に約40万円程度かかるとして、28×40=1120万円!
天然の状態には決して戻らないが、ある程度普通になるためにはこれだけの金額がかかるのだ。
そうすると、天然の歯がすべて揃っているということは、1500〜2000万円の価値があるといっても過言ではない。
天然の歯には、人工歯根では回復できない、感覚受容器もあるので、言い過ぎではないと思う。
歯を全部治したら、数百万円、口の中に車が1台あるなどという話を聞くが、天然の歯であるという事は、
口の中に、家が1軒ある
と言っても過言ではない。
家を新築したら、念入りに掃除をして、定期的に補修をして、出来るだけ長く持たせようとする。
家を手に入れるためには、35年ものローンを組んで、必死になって働いて、支払いを続ける。
でも、同じ程度の価値を持つ歯を、多くの人はほったらかしにしている。
歯医者に定期的に通うことを宣伝する訳ではないが、もう少し上手に歯医者を利用したらいいと思う。
儲けのために、検診に来させるなんて思われたくないし、伝え方が難しいのだが・・・
予防が一番の節約!
これを読んで、改めて歯の価値を認識していただければ幸いです。
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無くなって知る大切さですかね、残った歯の治療の為最近歯医者さんに通っています。出来るだけもたしましょうと言う事で、懸命な治療をして頂いております。ありがたいことです。検診のお葉書を頂くのですがついずぼらしてしまいます。心を入れ替えなくては。
2008/6/13(金) 午前 10:46
いつも書き込みありがとうございます。国民に予防が徹底される良い方法はないでしょうか?
2008/6/13(金) 午後 9:37 [ ohm**o34r ]