英国・米国医薬品情報研修紀行

国家資格ゲッター (国家資格101種制覇)。予備3等陸佐。本職は某大学薬学部の教員。07年に英・米に滞在。

医学薬学

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パワースタディー

SIMCYP にからめて専門的なお話を少々。

SIMCYP シミュレーションによるパワースタディーについての解説です。

パワースタディーといっても、力のいる研究ではありません。。。

早速本題。
薬物の体内動態をコンピュータで予測計算する、という話をしましたが、そうはいっても最終的にはヒトでの臨床試験をやらなくていい、というわけではありません。(そんな薬、こわくて飲めませんよね。)

では、シミュレーションなんか何の役に立つのか、ということになるのですが、それはそれでいろいろ役に立つのです。

シミュレーションの応用の一つが、「適切な臨床試験の計画をたてること」です。

ヒトを用いた臨床試験を行う場合、実験計画、被験者の選定(人数、性別、その他の要素)が大切になりますよね。
具体的には、ある要因、例えば遺伝子のタイプが薬物動態に影響を及ぼすか否かを知りたい時に、被験者は何人集めればいいのか、また遺伝子のタイプごとにあらかじめ選り分けて集める必要があるのか、などが問題となります。

そこで、コンピュータを使うと、例えば「ある薬について、遺伝子のタイプを考えずにとりあえず 15 名を集めて、遺伝子診断と薬物動態試験を行ったら、どのくらいの確率でその遺伝子の影響を検出できるか」が予測できます。
すなわち、「ある臨床試験計画における検出力の評価」(=パワースタディー)ができるのです。

たとえば、15 名での臨床試験をコンピュータ上で 20 回行います (15×20=300 名の仮想被験者を作る)。このとき、遺伝子のタイプの影響が 20 回中 18 回検出できたとなれば、まあその臨床試験計画は適切といえますし、 20 回中 5 回しか検出できなければ、その臨床試験計画は見直しが必要ということになります。具体的には、もっと被験者の数を増やすなり、遺伝子診断を事前に行って遺伝子型ごとの人数を揃えるなり、ないといけないということになります。で、見直した試験計画について再度パワースタディーを行い、適切かを判断する、ということになります。

ま、SIMCYP の応用はパワースタディーだけではないのですが、一つの応用例として紹介しました。


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