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今回は、「必置資格」の意義と特徴について考えてみたいと思います。 要は、「事業所ごとに、必ず○○の有資格者を配置してくださいね」といった資格です。 例えば、旅行業務取扱管理者などがこれにあたります。旅行業者は営業所毎に1人以上、旅行業務取扱管理者試験に合格した者を管理者として選任することが義務付けられています。 なお、資格によっては、業務独占資格であっても、必置資格としての側面を兼ね備えていることがあります。(例えば看護師であれば、病院で病床何床あたり何名以上配置、など。) では、必置資格の存在意義は何でしょうか。 一つには、提供する業務の量や質の確保が考えられるかもしれません。 しかしこのためには、看護師の例のように、業務独占資格の有資格者の人数を指定することで実現する場合が多いです。 では、「営業所に一名」というような、業務独占を伴わない必置資格の存在意義はどこにあるのでしょうか。 このようなケースでは、必置資格の有資格者は、行政による監督の代理、という性格が強いのです。法令の遵守を、責任をもってその資格者に監督させることで、規制の実効性を担保する、というものです。したがって、名称も「〜主任者」「〜管理者」などが多いです。 また違法行為をした場合の責任や処分も重く、悪質な違反は資格の取消などに直結させているケースが多いようです。 代表的な必置資格には、宅地建物取引主任者、管理業務主任者、旅行業務取扱管理者、貸金業務取扱主任者などがあります。また、理工系でも、電気通信主任技術者、衛生管理者、公害防止管理者、放射線取扱主任者、特定化学物質作業主任者などがあります。 (厳密には独占業務がある資格もありますが、資格の主たる制定目的ではないので、ここでは必置資格に分類します。) 必置資格の特徴 (必置資格は就職や転職に役立つのか)必置資格は、業務独占資格と比較して、各事業所などに一定人数配置すれば済むので、実際の需要はそう多くありません。それに、行政的な監督や法規の遵守担保が資格の主目的なので、難易度は一般にそれほど高くありません。企業などで本当に必要になった場合には、すでにいる社員に取得させることも十分可能です。このため、「必置資格の有資格者」を対象とした求人は、業務独占資格の求人と比較して少ないのが現状です。 したがって、必置資格を取得しても、就職には直結しないと考えた方が無難でしょう。ただ、必置資格を取得しても意味がない、ということはなく、就職においては資格に応じて、それなりの努力と知識は評価してくれるでしょう(検定的価値)。関連業界に就職すれば、むしろ持っていないとマイナスに評価されることもあるかもしれません。 資格の名義貸し資格がらみの典型的な違法行為に「名義貸し」がありますが、多くは、この「必置資格」で生じます。必置資格は行政側の監督代行者ですから、いなくても業務上の支障は生じない、というかむしろ普段はいないほうが「うるさくなくて良い」ということになるわけです。しかし、必置資格者として選任された場合は、名義貸しであっても「行政による監督の代理」が期待されているのですから、何か問題があれば貸した側の有資格者はその責任を問われることになります。 何か「資格学」の講義ノートみたいになってしまいましたです。。。。 名称独占資格についてはまた別の機会に。 |

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