交際女性に点滴し堕胎 容疑の医師を逮捕
妊娠した交際相手に「ビタミン剤」と偽り子宮収縮剤の錠剤を飲ませたり、点滴して流産させたとして、警視庁捜査1課と本所署は18日、不同意堕胎の疑いで、医師の小林達之助容疑者(36)=金沢市もりの里=を逮捕した。捜査1課によると、小林容疑者は「知りません」と否認しているという。同課は小林容疑者の自宅を家宅捜索し、子宮収縮剤の入手ルートの解明を進める。
子宮収縮剤の実名 (商品名/薬物名) は報道されていないが、メジャーどころではメテナリン(一般名 メチルエルゴメトリンマレイン酸塩)といったところだろうか(あくまで推定である)。
以下はその添付文書(メテナリン注)の抜粋である。
禁忌(次の患者には投与しないこと)
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
子宮収縮の促進並びに子宮出血の予防及び治療の目的で次の場合に使用する.
胎盤娩出前後,弛緩出血,子宮復古不全,帝王切開術,流産,人工妊娠中絶
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.
[子宮収縮作用により,子宮内胎児への悪影響,流産のおそれがある.]
医師の倫理観があまりに欠如していることは言を俟たないが、本来人間の幸福のために開発され、使用されるべき医薬品がこのような目的に使用されることは、薬剤師として、薬学関係者として、憤りを禁じ得ない。
先週、学生に「妊婦に対して投与禁忌の医薬品」について講義をしたばかりだが、さすがにこのようなケースは想定外である。
しかし、患者さんの希望しない薬が投与される、すなわち「処方された薬が、患者さんの考え方や価値観と合致しておらず、患者さんは決して喜んではいない」、、、そんなケースは実際の医療現場では沢山あるのかもしれない。
2010.5.20 一部加筆修正
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