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畔(あぜ)塗り

田植えが近づいてくると、田んぼの周囲を畔(あぜ)塗りします。

畔塗りは、田んぼに入れた水が周囲に漏れないように、トラクターに取り付けた畔塗り機で畔をしっかりと固める作業です。

一見簡単そうに見えますが、前日や当日の天気、前作物、土の種類などにより、トラクターの走る速度や畔塗り機の角度を変えなければならず、慣れが必要です。

例えば、前作物が大豆や大麦などの畑作物の場合は畔が固まりにくいので特にゆっくり走ります。また、1枚の田んぼの中でも、固まりやすいところと、固まりにくいところがあります。後ろを向いて畔の状態を確認しながら作業するので、首が痛くなります。

それでも9月の稲刈りまで堤防の機能を保たなければいけないので、丁寧に作業を進めます。


◆畔塗り
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トラクターに畔塗り機を取り付けて田んぼの周囲をゆっくり走ります。
畔はしっかりと固まり、田んぼにためた水が漏れにくくなります。

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この時は前作物が大豆の田んぼだったので、トラクターの時速は約300mでした。
標準的なサイズの田んぼを1枚畔塗りするのに1時間程度かかることになります。

後ろを向いて畔の状態を確認しながら作業するので、首が痛くなります。

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畔塗り中にツクシの群生を見つけました。

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就農して2年が経ちました。

2年目になってやっと、義父の助言を得なくても自分なりに判断して農作業ができるようになってきたと感じています。

役立ったのは作業記録です。この2年間、様々な形で農作業の作業記録を残してきました。書くことで覚え、更にそれを見直すことで知識が深まり、改善にもつなげられます。

作業記録を付けるのは面倒ではあるのですが、大切な資産として、今後も続けていきたいと思います。


◆メモ
常に携帯して、具体的な作業内容を忘れないうちにすぐにメモしています。次の年に活用しやすいように、なるべく数値を明確にして、絵も交えながら記載するようにしています。
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◆日記
その日の作業内容を、5年日記帳に記しています(2015年4月〜)。作業記録だけでなく、感じたことも書くようにしています。前年分を1〜2か月先まで読んで、今年の改善に役立てています。
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◆カレンダー
日記に書いた作業内容を作物ごとに分類した月別のカレンダーです。一目で過去の作業内容を振り返られるので重宝しています。
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◆ブログ
読者は農業をあまり知らない人を想定して、日頃の作業をブログにまとめています。わかりやすい記事にするにはそれなりに勉強する必要があり、それが私自身の農業の理解を深めてくれています。
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稲の播種(はしゅ)

稲の催芽(さいが)に続き、稲の播種(はしゅ)を紹介します。

播種とは種をまくことです。催芽により発芽した種もみを、播種機を使って、田植機の規格に合った専用の育苗箱にまきます。

播種する育苗箱の枚数は、1ヘクタール(100m×100m)当たりコシヒカリで170枚、飼料米(品種は「月の光」)で200枚です。我が家のコシヒカリは9ヘクタール強なので約1,600枚、飼料米は約3.5ヘクタールなので約700枚の育苗箱を作ることになります。

田植えは4月の下旬から1か月以上にわたって行うため、苗が伸びすぎないように3回に分けて播種します。

1回の播種で約800枚の育苗箱を作ります。昼食時の1時間程度の休みのみで、4〜5人の人手で丸1日かかります。子ども達にも手伝ってもらい、春先の大仕事を乗り切ります。稲の播種が始まると「農繁期がやってきた」と感じます。


◆稲の播種
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画像左にある機械が播種機です。
右側にある赤土をスコップを使って播種機に入れていきます。

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1枚の育苗箱にまく催芽もみの量は約160gです。

播種作業の一連の流れを録画した動画です。

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稲の催芽

2017年は9ヘクタール強のコシヒカリと、約3.5ヘクタールの飼料米(品種は「月の光」)を栽培します。

昨年と同様に4月20日ころの田植え開始を予定しています。逆算すると3月20日前後に種まきとなります。

種まきをするためには、種もみの芽を出さなければいけません。芽を出させることを「催芽(さいが)」と言い、催芽器(さいがき)という機械を使います。催芽には約10日かかりますので、3月10日にコシヒカリの種を催芽器に入れました

我が家は催芽を3回に分けて行います。2回目は3月26日に始め、3回目は4月下旬になる見込みです。

今回は催芽の様子を紹介します。


◆催芽
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催芽には催芽器を使います。

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コシヒカリの種もみです。
自家採種すると交配が進むため、毎年全量更新します。

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コシヒカリの種もみは4kgずつネットに入っています。

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催芽の手順を示した農協のマニュアルです。

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催芽器に種もみと水を入れます。
水は循環するようになっています。

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種もみを催芽器に入れてから8〜9日間は水温を13度に設定し、
種もみに水を吸わせます。
その後、半日間水温を30度に上げて催芽します。

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催芽により発芽した種もみです。
種もみがハト胸状態になり、1mm程度に芽が切れた状態になるのが目安です。

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催芽した種もみを、播種機(はしゅき)で種まきできるようにするため、
1〜2日間かけて陰干しします。

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種まきに向けて育苗箱も準備しておきます。

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庭にフクジュソウが咲いていました。

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ナス部門の時給は890円

2015年の新規就農とともに立ち上げ、2シーズン目となったナス部門は、2月27日に片付けまで含めた全ての作業が完了しました。

昨シーズンと同様に、所得と労働時間を計算しました。


 ◆ナス部門成績(2016年・10アール・木の本数660本)
所得(売上ー経費※) 1,132,661円
労働時間(家族全体) 1,273時間
時給 890

※ナス部門単独でかかった経費のみ。例えば他部門でも使用する軽トラックの維持費は経費として算入していない。


昨シーズンの時給は917円で、今シーズンの目標を1,000円としていたのに、むしろ下がってしまいました。

作業時間の記録精度が上がったため単純には比較できないのですが、昨シーズンと比べてなすの木の本数を減らしたのにもかかわらず、収穫の時間が増えてしまったのが、時給低下の主な原因です。

技術的には向上した実感があり、精神的な余裕もあったので、2017年は効率も重視しつつ、おいしいナスを作りたいと思います。

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10%ルール

私は「仕事に費やせる時間の10%を、目先の利益にとらわれず、未来への投資として、研究・調査に充てる」ことにしています。

2015年4月に就農して以来のテーマは、「減農薬・減化学肥料」と「高精度衛星測位による農作業効率化」です。


減農薬・減化学肥料
環境保全のためには、可能な限り化学物質を使わないに越したことはありません。しかし現時点で私は、無農薬・無化学肥料栽培の技術を持っていません。少しでも農薬と化学肥料を減らせる栽培方法に挑戦していきたいと思っています。

減化学肥料として、2017年はレンゲソウによる緑肥を小さな田んぼで試します。レンゲソウはマメ科植物なので根粒菌が根に住んでおり、根粒菌から窒素成分を受け取っています。このレンゲソウを田んぼにすき込むことにより、窒素成分を化学肥料で補う必要がなくなります。

ただし緑肥は、窒素成分量のコントロールが難しいため栽培植物の成長に支障が出たり、温室効果ガスであるメタンが発生しやすくなったりと、マイナスの面もあります。

少しずつではありますがノウハウを蓄積して、農場全体に減農薬・減化学肥料を広げていきたいと思います。

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2016年10月にまいたレンゲソウの種



◆高精度衛星測位による農作業効率化
私は2年前に就農する前に、大手電機メーカーで準天頂衛星「みちびき」の仕事をしていました。「みちびき」は日本版GPSとも言われ、カーナビなどで使われる日本の測位衛星です。この衛星測位の知識を農業に活かしていきたいと考えています。

私が注目しているのは、高精度(誤差数センチメートル)農業用ナビゲーションシステムです。高精度測位により効率化される農作業はたくさんあります。現在は導入に数百万円もかかりますが、誰でも手軽に導入できる手法を確立したいと思います。

東京海洋大学 久保研究室のご協力を得て進めているところです。

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トラクターにつけた実験用GPSアンテナ

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農作業中の服装

今回は私が農作業中に着ている服装を紹介します。

慣れた服装で効率的に作業できるように、気に入った服は何枚も持っています。

ほぼ毎日同じ服装をしているので、周りの人には着替えていないように見えるかも知れません(笑)


◆農作業中の服装

帽子
日差し・雨・障害物から頭を守るため必ず帽子をかぶります。いつも帽子をかぶっているので、かぶらないで外に出ると不安になります。

上半身
上半身は日差しや虫から肌を守るため、真夏でも長袖を着ます。冬は防寒のため上着を着ますが、刻々と変化する気温に対応しやすく、作業もしやすいように、薄手で細身のものを重ね着します。(ハウスの中は外気温より20度以上高いことがあります。)汗を吸収しやすく、保温性もあり、丈夫なスポーツウェアを使用しています。

下半身
立ったりしゃがんだりが多いので、薄手で柔らかい素材のものが適しています。また、長靴からすそがはみ出してこないように、細身のズボンをはきます。上半身と同じくスポーツウェアです。真夏は汗をかいて1日に何度かはき替えることがあるため、同じズボンを7枚持っています。

作業するときは軍手をします。細かい作業をしたり、重いものを持ったりするため、手にぴったりフィットして、力の入れやすいゴムがコーティングされているタイプの軍手を使用します。ホームセンターで様々な種類のものが売られています。軍手にはかなりの負担がかかるので農繁期は1か月ももたず切れてしまいます。

農作業中は基本的には長靴です。深いぬかるみの中へ入ることがあるので丈が長く、泥が中へ入ってこないように上を締められるタイプの長靴を使用しています。立ったりしゃがんだりしていると同じところに負担がかかるため、2か月くらいで切れて買い替えになります。
長靴をはかないときは人工皮革のスポーツシューズをはいています。雨の中歩き回っても中へ水や泥が入ってきませんし、農作業後に子ども達の小学校の部活の指導に行ったときに履き替える必要がないからです。

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服装

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軍手

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2017年の方針

就農して2回目の冬を迎えました。2016年も充実した1年でした。

2016年を振り返りつつ、2017年の方針をまとめておきます。


①経営を継承できる技術の習得
この2年間は重要な農作業や経営判断を義父に頼ってきました。しかし、義父はもう70代半ばなので経営を継承できる体制を整えなければなりません。就農以来、日誌や作物ごとの作業記録を付けて、ノウハウを見える形で蓄積してきました。この情報を活かし、重要な農作業や経営判断を積極的に自分で行っていきたいと思います。

②主部門「米・麦・大豆」の拡大
2017年は米・麦・大豆の作付け延べ面積が30ヘクタール超(1ヘクタールは100m×100m)になる見込みです。2015年の就農時から東京ドーム1個分(約5ヘクタール)増えました。経営安定化のため「2021年までに40ヘクタール」という目標を持っているので、今後も借りられる土地は積極的に借りて、機械化も進め、規模拡大を目指していきたいと思います。

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冬の麦畑の様子


③直販部門強化
2016年は米約5トンをネット販売し、年間契約を含めて完売することができました。野菜(ナス・ネギ・ニンジン)に加え、加工品(干柿・米こうじ・味噌)の販売も開始しました。しかし、皆さんのご要望に沿った量を在庫できなかったのが反省点です。2017年は需要に合った量を確保し、品目も増やしたいと考えています。

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菜園で育てた野菜類

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干柿

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米こうじ味噌



2017年もまじめに農業に向き合っていきたいと思います。

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