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第九課 森蘭丸。

明治二十年発行の『普通讀本四編上』を紹介します。なお、読み易くするため、地の文は平仮名に統一し、文字化けを防ぐため、漢字は所々新字体に改めます。

   第九課 森蘭丸。

森蘭丸幼くして、織田信長に近侍せり。公一日厠に上る、蘭丸をして其佩刀を執りて、外に待さしむ。蘭丸公の出でざる間に、其刀鐔の模様の、千葉菊の數を算へ盡せり。信長之を窺ひ知れども言はず。數日を經て左右に向ひ、漫に其刀鐔を指して、能く此千葉菊の數を言ひ中つる者あらば、之を與ふべしと言ひたり。衆皆爭ひて其數を言ふ、獨り蘭丸のみ黙して言はず。公蘭丸を目して曰く、汝何ぞ言はざる。蘭丸對て曰く、臣嘗て其數を算へて能く記憶せり、今若し知らざる者の如くして之を言はば、卽ち君を欺きて其賜を貪るなり、臣甚だ之を耻づと。信長其直實なるを嘉して、其刀を賜ふと云ふ。
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【私なりの現代語訳】

森蘭丸は幼少期から織田信長の傍に仕えていました。信長がある日便所に行くと、蘭丸に身に付けていた刀を持たせ、便所の外で待たせました。蘭丸は信長が出てこない間に、その刀鐔の模様の、千葉菊の数を数え尽くしました。信長はそれをこっそり知っていましたが、口に出しませんでした。数日経って家臣たちに向かい、なんとなしにその刀鐔を指差して、この千葉菊の数をぴったり言い当てた者がいれば、これを与えようと言いました。家臣たちが皆競ってその数を言う中、蘭丸だけが独り沈黙していました。信長は蘭丸を見て言うには、お前は何故黙っているのかと。蘭丸が答えて言うには、私はかつてその数を数えて、ぴったりと記憶しており、今もし知らなかったふりをして、その数を言えば、すなわち主君を欺いて頂き物を欲しがることであり、私はそれをとても恥ずかしいと思うと。信長はその実直さを喜んで、その刀を与えると言いました。

【私の一言】

上司に対して嘘はいけないという話です。もし蘭丸がしゃしゃり出て正解を口に出したら、信長は怒って蘭丸を殺していたかもしれません。

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転載元転載元: じゃんご 〜許されざるおっさんの戯言ブログ〜

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