おじさんZDの診断士日記

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2009中小企業白書_企業事例

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本日の2件目、そして2009年版白書最後の事例は定年制度を設けず、高齢従業員が希望する限り、働き続けることができる企業です。高齢者雇用で問題となりがちな賃金の問題も、ある年齢からは成果給にすることで解決するという、なかなか合理的な制度を構築しています。
現実問題としては、従業員の新陳代謝の問題もあるので、事例で掲載されている2名の勤続50年を超える従業員の方は、特殊な技術を持っているのだと思います。根気のない私などは、50年も会社に勤めるなど考えもよりませんので、ただただ感心してしまいます。
事例企業のホームページを覗いてみると、会社の方針として「定年なし、学歴関係なし、技術に限界なし」と書いてあります。また、この会社の企業理念なのでしょうか、「一流の製品は一流の人格から」とどのページも掲示されており、人を大切にする会社であることを強調しています。自動車工業、ものづくりの盛んな愛知県豊橋市に立地しているとはいえ、国内でがんばる製造業の見本のような会社だと思いました。
 
追記:この事例56で、2009年版中小企業白書の企業事例は終了です。
   明日からは、2010年版中小企業白書の企業事例に取り組みたいと思います。
 
中小企業白書2009年版 事例56
定年制を設けず、高齢従業員の活用を行っている中小企業
愛知県豊橋市の西島株式会社(従業員 140 名、資本金 6,000 万円)は、1924 年に創業し、80 年を超える業歴を有する専用工作機械製造業者である。受注後の設計から、材料調達、組立までの全工程を内製化し、高い技術力を有している。
「一生元気、一生現役」を経営理念の1つに掲げている同社は、定年制を設けておらず、従業員は、現役で働くことを望む限り働き続けることができる。賃金についても、一定の勤続年数を経た後に年功制から成果給に移行するため、高齢者であっても能力次第で社内のトップクラスの収入を得ることが可能である。このように、定年制により従業員のモチベーションを下げてしまうのではなく、従業員が年齢を重ねることにより、今まで蓄積してきた技術や経験を活かし、更なる進化を遂げることを期待している。
2007 年には、同社に長年貢献してきた従業員に対する感謝の気持ちを伝える目的から、「勤続 50 年表彰制度」を設けた。同制度の創設時点で66歳の従業員1名(勤続50年)と73歳の 2名(勤続56年と57年)が該当しており、彼らを表彰し、記念品の贈呈等を行った。
一方で、技術・技能の獲得には、現場で経験年数を重ねることが重要であることから、若手人材の採用・育成にも力を入れており、若年者から高齢者まで従業員の年齢の幅が非常に広くなっている。そのため、若年者と高齢者の潤滑剤となる位置づけを期待する意味も含めて、比較的若い年齢の社員を管理職に起用するなどといった工夫も行っている。同社は、このような経営努力により、若手から高齢者まで全社員が一丸でモノ作りに取り組む体制を構築することに成功している。
出所:中小企業庁「中小企業白書2009年版」p255.
本日の1件目は、今年の白書のテーマの一つにもなっているワーク・ライフ・バランスに前向きな企業の事例です。事例文では、男性の育児休暇制度も設けるなど、非常にうまくいっているように書いてあります。私が思うに、こういう試みが成功するのは、この企業の所在地が岐阜県飛騨市という特殊な状況にあるからだと思います。東京でこのような企業はまだ成り立たないだろうというのが私の印象です。ただ、そう考えることが良くないことだとも思います。これは難しい問題です。
事例企業のホームページを覗いて見ると、紹介されている建材事業の他に、観光部門というのがあり、「からくり実演・土産品販売・ラーメン体験道場」という内容の事業を行っているようです。また、工場の写真がホームページの最初に載っています。この写真を見ると、工場は田んぼの中にあるという感じです。おそらく、企業としては農繁期用の社員への対応も必要なはずです。先に書いた、ワーク・ライフ・バランスの実現はこうした企業の立地環境による影響が大きいと意を強くした次第です。
 
中小企業白書2009年版 事例55
人材確保の一環としてワーク・ライフ・バランスの達成支援に取り組む中小企業
岐阜県飛騨市の株式会社東洋(従業員 85 名、資本金 3,000 万円)は、ドア枠やサッシ枠などの住宅用木質内装建材の製造・販売を行う中小企業である。顧客からの多品種・少量・短納期といったニーズが強くなってきたため、工場の改善活動に取り組んでおり、工場のレイアウト変更や工程の見直しによる多能工化などに取り組んでいる。人材育成に力をいれており、「雇用創出企業 1,400 社」(コラム 3-1-1 参照)にも選定されている。同社では、2007年に、同社で初めてとなる男性正社員の育児休業取得者が誕生した。
同社においては、女性正社員による育児休業取得実績は以前からあったが、2007 年に初めて、男性正社員が延べ 10 日間の育児休業を取得した。実際に、男性の取得者が出るまでは、育児休業は女性が半年や 1 年といった形でまとまって取得するものであると考えていたが、男性正社員が育児休業を取得する際に、まとまった期間の育児休業だけでなく、数日単位という短期間での育児休業という選択肢もあることを知り、育児休業の実現に至った。男性正社員の育児休業取得実績ができたことにより、男性正社員の間でも意識が変わり、育児休業制度の活用ができると考えるようになってきている。また、育児中の女性が、育児を行いながら働き続けることができる環境を充実させるため、育児短時間勤務制度を子どもが小学校に就学するまで延長し、安心して長く勤めることができるよう取り組んでいる。
同社は、育児休業制度の活用といった、「仕事」と「家庭」の両立を達成するための取組を行うことは、人材確保の観点からも重要と考えている。同社では、人材確保の一環として、10 年程度前から全国採用を行っており、Iターン採用(出身地外からの採用)にも取り組んでいるが、採用活動に際して、「仕事」と「家庭」の両立を達成するための取組の有無に対する関心が非常に高いと感じている。経営資源が限られている中小企業において、「仕事」と「家庭」の両立を達成するための取組を行うことは、金銭面での負担も小さくはないが、同社としては、地域の中小企業が全国から優秀な人材を獲得するため、今後ともそうした取組を充実させていきたいとしている。
出所:中小企業庁「中小企業白書2009年版」p253.
本日のもう1件は、男性の育児休暇を認めている企業の事例です。私も、子供が生まれた時に、家内の家族は遠方にいるため、家内に子育ての手伝いをたくさん頼まれました。夫婦として、子育てを共に行うのは当然なのですが、仕事もあるので、「育児休暇が取れれば」と思ったものでした。事例文の中には書かれていないのですが、社員のモチベーション低下に対応するために、OEM部門を縮小してまでも育児休業取得に取り組むというのは、よほどの事情があったのだと思います。2009年の白書もそうですが、今年の白書の大きなテーマの一つになっている「ライフ・ワーク・バランス」に取り組む良い事例として、白書の編集者がこの企業をあえて取り上げたのではないかと思います。
事例企業のホームページを覗いてみると、こちらの企業はしっかり子育て支援に会社をあげて取り組んでいることをPRしていました。米菓というと、私の印象は新潟県の企業を思い出すのですが、福井県にあるこの企業もがんばっているように見えます。また、業務内容から、いか味の揚げせんべいを製造していた平成15年の事例2を思い出しました。もう少しホームページを覗いていると、この企業も製造途中でできた「こわれ」を無差別に詰め込んだ訳あり商品「得助さん」を発売しています。平成15年の事例2が出題されたころは、まだ「訳あり商品」というジャンルがありませんでした。そのため、第2問の設問2の「訳あり商品『久助』の販売をどうするか」という質問には、「ブランドイメージの低下につながるので、止めさせる」という解答が多かったようですが、今なら事情が変わってくると思いました。あと、あまりに平成15年の事例に似ているため、試験問題を作った人は、この企業のことを知っていて、参考にしたのかとも思うようになってきました。本当のところはどうなのでしょう。
 
中小企業白書2009年版 事例54
男性正社員の育児休業取得実績がある中小企業
福井県大野市の株式会社吉村甘露堂(従業員 80 名、資本金 4,300 万円)は、主に福井県内を中心に「よしむらおかき」のブランドを展開し、あられ・おかき等の製造・販売を行っている中小企業であり、大手メーカーの OEM(相手先ブランドでの製品の製造)も行っている。同社は、新ブランドの開発に余念がなく、「健康志向」の新ブランド「KANRODO(かんろどう)」を200811月より立ち上げている。特に、「KANRODO」ブランドの 1 つであり、原料を福井米 100%に限定した「発芽玄米おかきギャバプラス」シリーズの展開については、経済産業省「中小企業地域資源活用プログラム」に基づく認定を受けている。
同社は、従業員が仕事と生活の調和を達成するための支援に積極的に取り組んでおり、2008 年には男性正社員 2 名が、同社の男性従業員としては初めてとなる育児休業の取得を行った。以前の同社は、繁忙期に残業や休日出勤を必要とする場合が少なからず存在し、そのことが従業員のモチベーション低下に繋がっていた。従業員の家族の不満も大きかったことから、仕事の能率改善のためには家庭が円満であることが重要であると考え、従業員の賛同のもと、従業員が仕事と生活の調和を達成するための取組を行うことに決めた。具体的には、OEM部門の縮小による業務時間の削減、定年再雇用制度、正社員とパートタイマーの雇用均等に向けた取組等を行い、その一環として、男女を問わない育児休業の取得の支援に取り組んだ。
上述した男性正社員による育児休業取得期間は 10日〜20日程度であるが、その間は、育児休業取得者が所属している部署とは別の部署から応援要員を回して業務負担をシェアすることにより、対応した。育児休業を取得した男性正社員からは、「育児の大変さ、子どもの大切さを改めて実感できた。」と好評であり、休業終了後に感想等を他の従業員の前で発表するという形でフィードバックしてもらうことにより、一層の浸透を図っている。
また、既に子育てを終え、育児休業を取得する機会が少ないと考えられる従業員に不公平感を持たせないよう、「メモリアル休暇」制度を設けている。同制度は、従業員やその家族の誕生日や結婚記念日など、個人のメモリアルな日を事前に申告することにより、休暇の取得が可能となるものである。
このような取組を通じて、同社は、従業員が仕事と生活の調和を達成することができる職場環境の充実を図っている。
出所:中小企業庁「中小企業白書2009年版」p252.
本日1件目は、優秀な女性を活用しているIT関連企業の事例です。事例文を読むと、能力主義を取り入れ、成果給を導入し、男女分け隔てなく処遇する。自己啓発も推奨するなど教育にも力を入れているなど、単に女性の活用だけでなく、人材を重視し、育てようとする企業の姿勢がうかがわれます。
当該企業のホームページを覗いてみても、工程品質管理やメンテナンス管理の紹介ページはスライド式の紹介画面になっておりユニークです。IT業界で生計を立てているだけのことはあります。中小企業白書に掲載されている事例企業のホームページの中では、珍しさは上位にランクされると思います。ただ、白書が取り扱っているように、女性の活用のうまさを前面に押し出した経営はホームページからは伺われません。この企業にとって、優秀な女性に気持ちよく働いてもらうためには、在宅勤務制度などを整えるは当たり前のことかもしれないと思いました。
 
中小企業白書2009年版 事例53
在宅勤務制度などを通じて女性の活用を行っている中小企業
福岡県北九州市の株式会社オーネスト(従業員 49 名、資本金 3,500 万円)は、工場の生産設備の制御等を行う産業用情報システムの構築を専門とする情報システム会社である。大手企業で技術者及び技術管理者として勤務した経験を有する現社長が、技術者時代に感じていたニーズを満たす、情報システム構築サービスの新しい提供手法を自ら実現するために、1999 年に創業した。
産業用の情報システム業界においては、大手のハードウェアメーカーがハードウェア、ソフトウェア、エンジニアリングという3 分野にまたがって、各メーカー独自の製品・サービスを提供してきた。こうした中、同社は、異なるメーカーが提供する、産業用の情報システムに関連するハードウェアやソフトウェアなどの製品を、顧客の要望に応じて組み合わせること(産業用コンピュータシステムインテグレーション)により、顧客にとって最適なシステムを低コストで構築している。
このような複数のシステムを取り扱うためには、開発スキルの高さが重要であることから、同社では人材育成に力を入れており、とりわけ女性の優秀な能力の活用に努めている。まず、賃金については、成果主義を導入し、男性・女性の区別なく、従業員が取り扱うことができるシステムの種類等が増えるほど、当該従業員の給与が増える仕組みとしている。その上で、能力向上のための自己啓発については会社が負担することにより、従業員のモチベーションを向上させている。
同社の女性正社員比率は、約 40%と比較的高いこともあって、育児支援にも力を入れており、従業員の必要に応じて在宅勤務にも対応している。同社の在宅勤務制度は、従業員が事前に在宅勤務の希望日(1 回につき最大 3 日間、回数制限なし)と在宅勤務における作業内容を提示し、業務遂行上効率的であると認められれば在宅勤務が許可される、というものである。さらに、在宅勤務で必要となるパソコンが自宅にない場合は、購入費用の一部を同社が負担するなどといった支援にも力を入れており、従業員が仕事と生活の調和を達成できる環境整備に努めている。
出所:中小企業庁「中小企業白書2009年版」p245.
本日のもう1件は、女性の活用が上手な企業の事例です。今後このような企業が中小製造業では増えていくのだと思います。そろそろ、中小企業診断士試験の事例としても、女性の活用がテーマとして取り上げられるかもしれません。
事例企業のホームページを見ようとグーグルで検索してみると、出てきません。この企業はホームページを開設していないようなのです。これまで50社あった中で初めてです。しかし、企業を紹介する他社のページがいくつかあり、太平洋戦争中に大阪から現在の岡山県美作市に移転してきたこと、舶用エンジン用のカム部品の世界シェアは65%に上昇しているようであることなどが分かりまして。その道の知る人ぞ知る「オンリー・ワン企業」のようです。
 
中小企業白書2009年版 事例52
女性の活用に取り組み始めた中小企業
岡山県美作市の株式会社ショウエイ(従業員 85 名、資本金 5,500 万円)は、主に舶用エンジン部品を製造する中小企業である。高い技術力を有しており、舶用エンジン用のカム部品については、世界シェアの 60%を誇っており、「2006 年元気なモノ作り中小企業 300 社」に選定されている。
従来、重厚長大産業に属する同社の製造現場では、従業員が男性中心であった。しかし、地域の過疎化が進み、人材確保が難しくなっていく中、人材の多様化を図る観点もあり、数年前より女性の積極的な活用を始めた。実際に女性が製造・開発に携わっていく中で、多様な視点や個性を活用できることがわかり、本格的に女性を活用してきている。また、最近完成した新工場においては、その設計に当たり、女性を含めて従業員が働きやすい工場を目指した。作業スペースだけでなく、食堂などの非作業スペースまでの細部にわたり、働きやすさに対する配慮を徹底した。
以上のとおり、女性の活用を進めたことにより、今後、育児休業の取得希望者が増えることが見込まれることから、現在、社会保険労務士の協力を仰いで、育児休業制度の構築に努めている最中である。
同社の辻井説三社長は、今後の目標は、「当社から日本、ひいては世界に通じる女性エンジニアを輩出することであり、その第一歩として、女性のマイスターを早期に誕生させたい。」としている。
出所:中小企業庁「中小企業白書2009年版」p240.

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