よむ

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 次のページ ]

最近本を読んでもブログに書くことはまったくしなかったので、
この書庫実に久しぶりです。。。

料理好きな人は読んでて楽しいだろうなあと思える一冊。
作中出てくるお料理の数々を想像してみるだけでぽわ〜んとした気分になってきます。

ある日突然恋人がいなくなった衝撃から声が出なくなり、田舎に帰ることになった倫子。
実家の離れを改装し、一日一組のお客様を迎える食堂をはじめるが。。。

前半はいかにもオンナノコ的な小説だな〜ってテイストだし、
初期のころの吉本ばななとかみたいな浮遊感というのか(装丁もなんか雰囲気似てるし)
どっかでみたような印象がぬぐえなかったのだけれど、
後半の母娘の関係を紐解くシーンや○○の解体などの場面ではぐいぐい引きこまれてしまった。

でもやっぱりほんわりと夢を見るオンナノコにおススメの本かもしれないなあ。
もしも次回作がおんなじようなテイストだったら手に取らないだろうけれど、
そうでないものならばちょっと読んでみたい作家になるかもしれない。

作者も思い入れのありそうな、料理に関するシーンはやや「かもめ食堂」のような感じ。
ただしこれを料理してお客様に出したらいったいいくらになってしまうんだろう?って考えると
リアルではありえないような設定・材料・お料理なのでちょっと冷めてしまうかも。
気持ちがあったかくなるようなエピソードもたくさんあるし、
登場人物はほとんどがいいひとなので、ファンタジーとして読む小説なのかなあ。

だけど料理って言うのはほんとうに命をいただき、命をつなぐものだなあと実感。
そう思えば、「いただきます」「おいしかった」「ごちそうさま」の簡単な言葉が
もっと気持ちをこめて言えるようになるかもしれない。

タイトルにもなっているかたつむりのように、ゆっくりでも確実に進みながら生きていく、
料理は作るヒトと食べるヒトの両者にとってココロの栄養なんだなあ。

「床下仙人」原 宏一

この本、なんだかとても売れてるらしい。
個人的にはベストセラーって言われるものはあんまり手に取らないのではあるが。

普段めったに本を読まない同居人が本屋さんで珍しく自ら買ってきたので
さもありなん、と妙に納得。

念願のマイホームを手に入れて早々、妻が訴えるには「何かが住んでる!」。
そんなことは幻想だと信じなかったオレだが、ある夜洗面所で「それ」に出会ってしまう。
床下に消えていった「それ」とは。。。
表題作ほか短編が5編。

読みやすくってすらすら読めるので、単純に売れてるのはわかるなあって印象。
内容もかなり面白くって、現代を舞台に不条理を描くっていうところか。
帯に「現代版カフカの変身」とあったけど、カフカというよりは
毒を少し薄めた筒井康隆とか、現代風にしてちょっと長くした星新一っていうほうがイメージ。
つまりカフカのような救いようのない不条理じゃなくって、
納得いかない事象ながらもオチがあり、もっとちゃんと説明がつく分すっきりするのだ。

ほかの作品を読んでいないのでなんともいえないけど
設定は斬新ながらも、ベースにわかりやすいテーマが共通しているところが
(社会への憤りや会社への疑問、家庭での夫の位置に感じる悲哀など)
読む側を安心させ、落ち着かせるのかもしれない。

だって「ある朝突然虫になってた」で、虫は最後に死んでしまうのでは
どこをどうやったってどこにも納得できないものねえ。。。

「孫文の女」西木正明

今日はなんだか具合が悪くて、せっかくの休みだったというのに
一日中家から出られず、胃が痛いので当然おいしいものも食べられない、食べにいけない。

で、ひさしぶりにどっぷり横になったり
起きてPCに向かったりの繰り返し。
おかげでこないだ買ったこれ、読み終わった。
本屋さんに新刊で平積みされてたのをタイトルが気になって買ってみたもの。
この筆者の作品は初めて。

日本に亡命中の孫文のそばに寄り添った2人の日本人女性。
革命運動に奔走する孫文の影で2人がたどるその後とは。
そのほか同時期を舞台にマダガスカル、函館、シベリアを舞台に、
歴史の影に存在した女性たちの物語が全部で4話収録されている。

孫文の奥さんといえば映画や本の「宋家の3姉妹」にでてくる宋慶齢がイメージされるので
そうかー、こんなこともあったのね、っていう単純な驚きはある。
しかししかし。

読み終わって一番に思うのは、いかにも男性の作家が書いたなあという印象。
4話共に共通する空気として感じるが、「この事件の裏にはこんな女がいた」っていう事実は
アリとしても、彼女たちの顔がまったく見えないこと。
なんだかどれもいいように男に利用されてばっかり。。。

マダガスカルで娼館で働きながら知らず知らずバルチック艦隊の情報をもたらすイトにしても、
ブラキストン事件の裏で暗躍したというソノにしても、
馬賊の頭目の妻でありつつ日本陸軍に義理を感じるキクにしても、
大きなテーマとして描かれるのは日本史上の事件であるが、
彼女たちの誰もが自分の意思としてそれらの事件にかかわっているのではなく、
「ただそこに居ましたよ」「役に立ちましたよ」っていうことなのだ。
だから彼女たちが感じることや、思うことは一切そこには出てこないし、
たまに書いてあっても「そんなこと思わないよ!」って
思わず女の私がツッコミ入れたくなるようなスッとぼけた感じなのだ。
それゆえまったく共感できないし、とてもじゃないがリアルに感じられない。

女性作家が同じテーマを書いたらきっともっとずっと面白いものだったろうに。
この作者のほかの作品を知らないからいつもこんな作風なのかはわからないが、
かなり偏った印象だなあ。
略歴を読んだところ戦時中のお生まれのようなのでこういった思考になるのかもしれないが
もうあんまり別の作品読んでみようとは正直思えないな。

風邪のベッドの中で読むにはあんまりにも向いてない一冊なのであった。。。

「永遠の仔」天童荒太

長いこと貸していたのが返ってきたので勢いで再読。
重いテーマ、文庫で全5冊という長さながら一気に読ませるパワーは
初めて読んだときの印象そのままだった。

十七年前、霧の霊峰で小児精神科の少年たちが起こした事件が、蘇る。
それぞれに親との葛藤の過去を抱える優希、笙一郎、梁平は会うべくして再会するが
それは悲劇の新たな始まりでもあった。。。。

児童虐待っていうテーマは重く、読んでいても心が痛い。
しかもこの本の初版が出た1990年代後半から今もなお、現実に日々耳にするニュースでもあり、
そのことも現代を予見するようで興味深く感じられた。
ミステリとしてももちろん読み応えは充分だけれど、
それよりこちらのテーマのほうが重く、ずっしりとのしかかってくる。
過去と現在を行き来するようにつづられる文章は、次第に彼らの傷を明らかにしていく。

親と子っていうどうにも断ち切れない絆、人間関係。
作品中の親たちもまた親になりきれない子供である者が多く、
子は時に心ならずもそんな親を許して自分を犠牲にしたりもする。
誰にもままならないし、愛情をもってしてもそれがときに誤った形で出てきてしまうことも多い。

悲劇的なラストには救いのなさを感じてつらくなるけれど
それがかえって彼らにとっての赦しであるのかも、とも感じられて。

たとえば今私が子供を持たないのはこの本にあるような心の傷が理由ではないけれど
もし子供がいたのなら昔自分がされたようにしてしまうのかもしれないとも思う。
昔私の父が私や兄弟に手を上げたようにしてしまうのかもしれない。
「しつけ」という理由で子供の心に、体に、傷をつけてしまうのかもしれない。
そんなところにもたちきれない「連鎖」の根深さを感じるのだ。

作中に出てくる霊峰の頂上を目指す鎖場の鎖。
それを登って頂上で目にした「光る人」は実は自分自身の影だという。
その鎖や、登って出会う自分自身というモチーフも、切れない親子関係の象徴であるように思えた。

簡単には感想が書けないような、言葉にはできないような、
この作品は「感じる」本であるのかもしれない。
誰もがきっと自分の親子関係を見つめなおすのかもしれないなあ。

本屋さんで<新装改訂版>が出ていて思わず買ってしまってから
もしかしてむかーし買ったのが家にあったっけ?って探したけど
確かに以前読んだはずなのに、なかったので安心して読めた一冊。

10角形の館が建つ孤島・角島を訪れたミステリ研究会の大学生たち。
この島は以前にも謎の連続死事件のあった島。
やがて一人、また一人と学生たちも襲われていき。。。

ていうか最初のこの本が出たのは1987年だったんだ。
もうそんな前のことになるんだってんでまずはびっくり。
ただしそんなに時間がたっていても、ミステリとしての味わいはちっとも色あせてなく、
さらに作者の26歳のときの作品だったんだってことに改めてびっくり。
今読んでも引き込まれるような面白さに加え、
若い作者とも思えないような練れた印象もあるのだ。

一方で時代を感じるような箇所ももちろん。
当時まだたくさんは普及していなかったワープロやら、留守番電話がついていない電話。。。
どこに行ってもケータイの電波の届かないところなどない現代においては
こういった孤島ミステリは成立し得ないだろうなあとおもうとちょっと味気ないような気もする。
外と連絡が取れないところでなきゃ「そして誰もいなくなった」だって成り立たないのだし。

そうそう名前を出してしまったとおり、どっから読んでも
クリスティの「そして誰もいなくなった」を思い起こさせるストーリー。
こういう面白みって不滅なのかもしれないな。
ただしラストの味わいはずいぶん違ったもので、そうかあ、そうくるかあ!と思わせるには充分だ。

せりふが多いので戯曲的にも読めなくはないだろうけど
絶対舞台やら映像やらにできないわけはお読みになった方ならきっとわかるはずですね!

全5ページ

[1] [2] [3] [4] [5]

[ 次のページ ]


.
ojoenya
ojoenya
女性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Yahoo!からのお知らせ

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事