|
梓はアメリカにいた、イタール社との交渉がうまくいってほっとしていた。 最初の金型はイタール社の要求を満足させた、完璧に近い仕上がりで飛鳥技研の ゴットハンドは噂どうりと彼らを感嘆させたのだ。 すぐに追加発注10台が来た、半導体業界は熾烈なシェア争いをしている、 新製品を大量投入して一気に市場をリードしようとするもくろみなのだ 他社が追いつくには二年、いやそれ以上かかる、ましてこの特殊合金を加工できるのは 世界中で飛鳥技研しかない。 梓は飛鳥技研の強みを生かしイタール社から料金の前払いを申し込んだ 億の金が必要だった。 どうして梓は億の金を工面するのか? 情報はやがて世界中に広がる、イタール社の新型金型を飛鳥技研が製作していると、 その前にメルカリッチから飛鳥技研を買い取らなければならない、 今ならメルカリッチはお荷物の飛鳥技研を早くに売りたがっている メルカリッチには飛鳥技研を経営しようなどの意志はないのだ、 安く買い取り高く売る、一時的でも利益さえでればいいのだ、 そんな会社に飛鳥技研はまかせられない、今ならメルカリッチは簡単に手放す 飛鳥技研は泰三さんと香りさんそれに明夫サン達のもの 梓の足はメルカリッチに向かっていた。 ”リンリンリン” 携帯が鳴る、世界を飛び回る梓には着信音はミュウジックでは具合の悪いときがあるのだ。 「あら、香りさん!もうすぐに良い話を日本にもつて帰れるわよ」 香りのせっぱ詰まった声が聞こえる 「大変なの、早く帰って来て、おとうさんが・・・」 「なに?泰三さんがどうしたの」 梓の顔からみるみる血の気が引いていく。 |
全体表示
[ リスト ]




