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「見た事があるわ、テレビの映像で、あの惑星は地球よ、ここは月でしょ でも、なにか白くてもわもわしてるのね!」 ・蘭 温暖化の結果だ、厚い雲に全面覆われてしまった・ 「この先、あの地球はトカゲさんの世界になってしまうの!」 ・それは、この世界の人間が選ぶ未来だ! サイコロを振って、一の目が出れば、他の五つの目の出る世界は最初から存在してないことになる。 だが、振る前には六つの世界は可能性として存在しているんだ・ 「わかったわ、私、元の世界に戻ったらきっと違う世界にして見せる!」 蘭の姿が薄れていく ・跳躍の時がきたようだ・ 「こんどこそ、あなたの所にいけるかしら?」 ・ああ、まっているよ、いつまでも・ 白い地球をキャンパスにしてさびしい月が影をおとしていた。 〜 無限の旅が続くのか、元の世界に戻れるのか、蘭の未来は この物語をみている あなたが決めてください 〜 |
SF 明日に思いを
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恐竜人達の高揚した感情が蘭の気持ちを揺るがす。 *我々はついに探しあてた!はるかな時の先に、生まれ育った地球と同じ環境の地球を、 皮肉にも、人類は我々恐竜族に適した環境を作り上げた、 この環境下では、哺乳類は爬虫類に再び主役の座を譲り渡さなければならない。 そうだ、抹殺するのだ愚かな人類を!* 「ねえ、お願いだからトカゲさん、人類となかよく暮らしていけないかしら」 *適者生存、生物の進化の鉄則だ!* 蛇のような顔がニタリとした。 *女よおまえはどこから来た、仲間はどこにいる、 時空バリヤを作れる人間は我々の障害だ、危険な敵だ* 蘭の周りの空間がパチパチと青白くはじけだした。 ・蘭 心配するな恐竜達の念波では私のバリヤは破れん・ 「ねえ、どうしたらトカゲさんを説得できるかしら」 ・それはやめたほうがいい、蘭がこの時代に深く干渉するのは好ましくない・ 「でも、恐竜人さん達は過去からきてこの時代を変えようとしているわ」 ・そうだな、蘭の知的レベルに合わせて話をしよう、蘭の歩いてる道が三方向に分かれている。 一つを選んで足を踏み出した時、他の二つの道は消滅する、いや、そもそも最初から 存在していない。 無限の可能性から一つを選択すれば、他の可能性は無になる。 蘭が一歩踏み出すたびに無限からの選択を繰り返していくことになるんだ。 蘭の未来は蘭が選ぶ、ここにある未来は蘭の未来とは限らないんだ・ 「では、私は他人の世界に来たわけかしら?」 ・そうとも言えるし、違うとも・ 「ところで、トカゲさんたちあきずにまだ、攻撃してるの」 ・うん、そろそろ移動しよう・ 蘭の空間は見る見る縮小していきミクロサイズになると光の速さで飛んだ。 |
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蘭の周りは色々な色彩の恐竜人が取り囲んだ。 赤い目は虹彩がない蛇の目だ、耳も鼻もなく、代わりにそれらしき穴が開いている。 服は着ていなくて、人型トカゲだ、ただ、気持ち悪さはなく非常に洗練された外観である。 *おまえは人間の女のようだが、どこから来た、我々はいろんな時代の人間を調べてきた 人間の能力では、時空バリヤは作れないはずだ* 声は耳からではなく、頭の中に直に響いて聞こえた。 「私は地球の人間よ、トカゲさんこそなにしに来たの」 *人間の概念で云うところの中生代からきた、我々の世界は滅びようとしている、 隕石の落下が避けられない事を知ったのだ* 「知ってるわ、恐竜の時代が終わったのね、でも変ね、恐竜人さんの文明の痕跡が 見つかってないわ」 *我々は人間のように地球の資源を食べ尽くし、生態系を破壊し尽くす物質文明の道は とらなかった。 精神を高めサイコエネルギーを自在にあつかえる文明を作り上げた、 精神が太陽系を駆け巡り、物体も他の生き物も我が意のままにあつかえた。 物質で構成する文明ではないから痕跡は残らんのだ。* 「どうして隕石を破壊したり宇宙に逃げないの」 *くやしいが、我々の力が及ばぬし、精神は宇宙に移動出来ても肉体の移動手段を持たぬ それが精神文明の欠点だった* 「でも、なんで、この世界にきたの」 *見たまえ、この世界を! 我々は時間を進み生存可能な時代をさがした、 二酸化炭素の含有量の多い空気、温暖化された湿度の高い気候、 まさに中世代の再現だ!* ” オ〜ウォ ” 奇声を上げ、恐竜人達一斉に天に両手を差し伸べた。 |
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光の渦の中で蘭は叫んでいた。 「ねえ、いつまでこんな事を続けなければならないの? そのうちおばあさんになっちゃうわ。」 ・・巻き添えに遭わせてすまないと思う、だが君は歳をとらない、君の身体の原子と 入れ替わったマイクロブラックホールが君の時間の進行をほとんど止めている・・ ちょぴりと安心した蘭の目に、どんよりと濁った海が映リ広がって行った。 「まあ、海の中に街がビルが浮かんでる、いえ、たっているわ!ここはどこかしら」 ・・地球だよ、蘭の生活していた時代から200年たっているが、東京の街だ・・ 「変よ、静かで街が死んでいるわ」 ・・誰も住んでいないんだ・・ 「人はどうしたの?」 ・・二酸化炭素とメタンの相乗効果で南極と北極、山岳の氷河全てがとけ、 海面が50メートル上昇した、世界の大都会のほとんどは海の中だよ。 日本の首都は長野に移転している・・ 「知ってるわ、温暖化の結果ね、さびしそうビルが墓標みたい」 ・・蘭にしては、適切な表現だ 人間のあさはかな文明の墓標だ・・ 「でも、これで人間も少しは懲りたでしょうね」 ・・う〜ん??・・ 「あ!街の上になにかが飛んでいる、飛行機とは違う、U F O よ!」 ・・蘭、極めて危険だあれは恐竜人のサイコエネルギーだ、過去の時空が 出現場の今の時空を裂いているんだ・・ 「え、恐竜人てなに、異星からの怪物、やだ〜」 ・・見つかった、やつらには、この特殊時空間をすぐに嗅ぎつける能力があるらしい・・ 見る見る巨大な光の輪となって蘭の頭上を覆っていく。 |
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蘭 背中に強烈な寒気を感じ振り返る。 「なあに!気持ち悪い、ナメクジにでっかいらっきょが乗ってるわ」 ・・蘭 言葉を選べ! そいつは、タイタンの高等生物だ、 らっきょのようなのは頭と顔だ、これから自動翻訳モードにはいるぞ・・ ノッペリとした頭からぬるぬると二つの触覚が蘭に向かって伸びてくる、 触覚の先端がプクッと膨れると、二つの膨らみの間で大気が振動し始めた、 *灼熱の者よどこからきた?* 「え、私が灼熱なの」 ・・蘭 タイタン人はシアン化水素とメタンのポリマーからできたアミノ酸やタンパク質で 身体が構成されている、タイタンの表面はメタンの三重点だ。・・ 「え、え、なにいってるのさんさん、三重奏ってバイオリンとチェロとあとなんだっけ?」 ・・すまん、君の知能レベルを忘れていた、三重点とは、地球では水が気体・液体・固体 のどの状態でも存在できる場所だ、タイタンは摂氏マイナス180度の世界、 水の代わりをメタンがしているんだ・・ 「わかんな〜い、とにかくタイタン人はとっても冷たくて、私の身体は水だからず〜と熱いと いうことね、さしずめ燃えるいい女なのね」 ・・いい女かどうかは知らんが、君の知能に合った解釈の仕方だな・・ 「なめくじ坊主さん、素敵なお家ね、恋人と歩いたらきっとロマンチックだわ」 *灼熱の者よ、思考が飛び過ぎて理解ができぬが?* 「ごめんなさい、なめくじ坊主さんは男なの女なの」 *わからぬ概念だ、われはわれであって海で意識が生まれたときより天空の主が 一億回見え隠れしたが、われがわれ以外になることはなかった* ・・蘭 タイタン人に性別はない、必要に応じてアメーバーのように分裂はするが そのとき意識と経験も分裂する、つまり、どのような数になっても、時の流れを超えて 個でしかないのだ・・ 「かわいそう、心ときめく恋ができないのね」 *灼熱の者よ、恋とは、それほどまでに意識を向上させるものなのか* 「そうよ、好きな人と話をしたい、いっしょの時間をすごしたい、 つぎは、ちょっと触れてみたい、そして、すこしだけあんなこともしてみたい、 やだ、はずかしわ!」 *わしは、分裂したわしの経験をえるために再びわしと融合するが、そのようなことか* 「なめくじ坊主のエッチ!融合だなんて、蘭赤くなっちゃう」 *灼熱の者よ、放射温度があがっておるぞ、不安定な身体だな* ・・蘭 跳躍の時がきたようだぞ・・ |




