絹子の創作物語

事実を参考にした創作です

歴史創作

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歴史は勝者によって作られる、以外な真実。
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サスケ 27

 腕組みをしてじっと下をむいている秀吉がいた。

「そうか逃がしたか」

下女の姿で庭の白砂の上に片膝をついて秀吉を見上げているサスケ。

「申し訳ありません、責めはいかようにも」

「よいわ!こうなれば家康をなんとしても上京させねば、おふくろ様に一肌脱いでもらうと
 しよう!サスケよおふくろ様について家康のところに行け」

秀吉は自らの母を人質として浜松に差し出すことで家康に上洛を迫ったのである、
上洛をすれば家康は秀吉に頭を垂れることとなる、
それはすなわち秀吉の傘下に家康が下ったということ
天下は秀吉のものとなることである。

 「とまれや!」

金糸銀糸で模様を施された派手な籠の足が止まった。

「おう富士のお山がよう見えるわ、浜松は暮らしやすいと聞いておる
 これがあの子にできるおらの最後の奉しかのう」

籠の扉を開け草履をさしだすサスケがいる。

人質とは、死ぬことの覚悟がいる、これが戦国の世の女の生き方、
サスケは日に焼けたしわだらけの秀吉の母の顔を見ていた。

サスケ 26

 丸まった背中の貧相な男の後ろをゆったりと歩いてついていく信長。

「さあ、お急ぎください風魔は侮れません替え玉のことはじきにきずいておってまいります」

百地三太夫、どの姿が本物かはわからない、いや、そもそも決まった姿などないのかも、
小走りにかけながら信長は考えた。

(家康はなぜ俺を逃がしたのか、風魔の手にかければ世話ないものを、
 いや、浜松の城ではまづいので、わざと外に出したのか?)

 「風魔は手ごわいようだな」

庭に向って話す家康、植え込みの中より半蔵の声が

「はっ!手だれの者かなり失いました、だが信長はうまく逃げおおせました」

「そうか、さるのくやしがっている顔が目に浮かぶわい」

ふっくらとしたおだやかな顔の家康だがその目には底知れぬ策謀が潜んでいた。


サスケ 25

 チリチリと揺らぐ灯心の炎がじっと座っている男の暗い眼の奥を照らしている。

(俺の創った天下がどうなっていくのか見極めたい)

牢獄の隅で影が揺れた。

「百地か!」

影は人の形となる

「まもなく風魔がやってまいります」

男の顔に変化はなかった

「風魔は誰の命で動いているのだ!さるか?北条?それとも家康の策か?」

「そこまでは!」

男はすくっと立つと大きく伸びをして

「俺の情報を流したのは家康、ならば服部はここまで風魔を通すか?」

男は人型の影をじっと見つめると

「百地三太夫、おまえの好きなようにせい!」

「信長さま・・」

百地三太夫は今は家康傘下にいる、だからこそ服部忍軍の結界のなかに入れるのだ。
だが、かって信長に自身の里を売っている、サスケの頭であった忍びの里の頭領だったのに。
戦国を生き延びるためにこんどは信長を見捨てなければならない、
信長はその全てを承知しているようだ。

サスケ 24

 顔のしわがより深くなっている。
恐怖に震えている秀吉をみるのは初めてである、
人だましといわれてはいるが、かなり大げさな身振りと言葉、
だが今の秀吉は誇張のない感情に身を震わせていた。

「サスケ!殺せ!どんな手段でもいい、いくら金を使ってもいい、
 だがわしは一切にかかわりはない!いいな!」

ふところに入れた袋が重い、金の粒がずっしりと胸のふくらみを押さえている。

(信長が生きている!炎に沈んだのは替え玉だったのか!
 本能寺に抜け道を造っててあったとしても不思議はない
 だがどうして家康の所に?
 家康は信長をどうするつもりなんだ
 殺すならとうにやっているはず、表に出すならとうに?)

サスケの足は箱根に向かっている、浜松の城は服部の忍びによって結界が張られている
サスケといえど潜入することは無理なのだ。

(あいつの力をかりよう、役目が果たせたならあいつの腕のなかにこの身を)

サスケの胸のなかに凛々しい風魔小太郎の顔が浮かんできた、
自らをさとすために女の炎が理由づけをしているようだった。


サスケ 23

 薬草の匂いがプンプンとたちこめている部屋。

ゴリゴリとなにかの実をすりつぶしている家康、

「半蔵よそばに寄れ、あの男の様子はどうじゃ?」

服部半蔵はすっと両手の握りこぶしで身を浮かすとあぐらをかいたままで
身体一つ分前にでる。

「口は一言もしゃべりません、ただ差し上げる食事は食しております」

半蔵は手を休めない家康の背中ごしに、

「殺しますか!」

家康はのったりと振り向くと

「天下は回ってくる待つも肝要、長生きせねばな、恐ろしいお方だが運は尽きた」

「ならばご命令を」

家康その首を横に振る

「よいか、地下牢の男のこと誰にも知られてはならぬ、万一のときはおまえの首が飛ぶ」

家康はさらに半蔵を手まねきをする
半蔵すーと座ったままでさらに前に出る。

「羽柴のさるにだけ情報を流せ、仔細はまかせる」

にやりと薄笑いをする家康、すでに半蔵の影はなかった。

浜松の城を後ろに見ながら、半蔵は考えていた、
主人家康の底知れぬ策謀の深さ、
さてどのように秀吉にだけこの情報をつたえようか?

””信長が生きていると””


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