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「野尻湖って言ったらスモールなんだよ」
「えっナウマンゾウじゃないの?」
「スモールなのっ!」
「マジっ?絶対行きたいっ!」
初日の晩こそ外気温が氷点下の元での天幕生活を送ったが、二日目は毛布をレンタルしてきたにもかかわらずそれほど寒くはなかった。
ただテントとドッキングできるドーム型のタープだけは、暖を取りながらの夕食をとることができたので、今後寒冷地でキャンプすることがまたあったなら、きっと大活躍すること間違いなしだ。
二日目も無事終了し、最終日の朝を迎えた。
あいにくの雨模様だったが、早々に撤収も済ませ家に帰ると見せかけ野尻湖に向かった。
結局オンシーズンの戸隠キャンプ場の料金は二泊でテント+タープ+駐車料金で1万円ジャスト。
家族5人でゆっくりと楽しむことができたので、非常にリーズナブルな過ごし方ができる。
今後我が家の家族旅行はキャンプしかないなと改めて思ったのである。
野尻湖に向かう途中、道の駅によってスマホで情報をかき集めた。
どうも野尻湖といえばボートからの釣りがメインのようだ。
ただ陸っぱりからでもできそうなポイントも見つけることができた。
そこで早速そのポイントを目指す。
車二台がギリギリすれ違うことのできる湖の外周路を伝ってそのワンドに到着した。
「流石はスモールのメッカ」
そのワンドの陸もボートも多くの釣り人でにぎわっていた。
ある水路では大きな網を持った人を数人見かけた。
「何が獲れるのですか?」そう問いかけると。
「ワカサギっワカサギっ」っと厳つい顔をしたオジさんが答えた。
「へえ〜ワカサギがいるんだ〜」
帰りの渋滞を考えると、釣りをする時間はあまりない。
釣りをしている間、妻と下二人にはナウマンゾウ博物館にでも行っていてもらおうと思ったのだが、車二台がギリギリすり違えることしかできない道は運転したくないと妻が言ったので、釣りをしている間待っていてもらうことにした。
幸いそのワンドにはトイレが設置されている。
早速券売機で魚券を買うことにした。
小中学生は無料なので、息子だけに釣りをさせて僕は見ていようかとも思ったが、やはり考え直し魚券を購入した。
魚券には「対象魚種:わかさぎ、うぐい、こい、うなぎ、ふな、えび、ひめます」と書かれていた。
「!?」
ひょっとしてスモールだけ狙うなら買う必要はないのだろうか?
非常に謎が残る魚券であった。
まあ、とにかくこれで文句を言われず釣りをすることはできる。
早速ルアーとフライのタックルをトランクから取り出すが、あまりにアゲインストの風が強かったので、僕もルアーで釣りをすることにした。
この日の為にとバス用のワームを4種類購入してきていた。
以前タマゾン川でスモールを釣っていた人に教わった、ダウンショットリグでの釣りを試すことにした。
ワンドは意外とシャローが続いているようで、こんな浅いところにスモールが入って来るのか疑問だが、陸っぱりで釣りをしている人が何人もいるので、きっと釣れるのだろう。
そうポジティブに考え釣りをスタートした。
周囲にはまだ桜が花をつけていた。
次から次へと目の前にボートの釣り人が取って代わり入ってくる。
しかし、全く釣れている様子はない。
1時間が過ぎたが、全く釣れる様子はない。
1時間半が過ぎた。
そろそろ車に残してきた妻と下の子供たちが気になってきた。
腕時計に目をやると1時半になろうとしていた。
どうりでお腹がすくはずだ。
「釣れないね〜そろそろじゃない?」
「う〜ん」
息子はスピニングからベイトにタックルを持ち替えていた。
どうも魚を釣るというより、ベイトタックルでキャストすることに面白みを見出したようなのだ。
「ね〜そろそろじゃない?」
「うん、わかった」
駐車場に向かって元来た道をワンドに沿って歩いていると、目の前のボートで釣りをしている人の竿が曲がった。
「あっ、釣れている」
ランディングするまで見届けると、また駐車場に向かって歩き始めた。
するとまた違うボートで釣りをしている人の竿が曲がった。
「はて、確かスモールって回遊系の魚だっけか?」
ということは・・・
まさしく今このタイミングでスモールの群れがこのワンドに回遊してきたことになる。
「ちょちょっと、もう一回ここで釣りしてみない?」
リールに巻きあげてしまったラインをまたガイドに通し、ダウンショット・リグを作りキャストした。
「ボショッ」
「ボショッ」
なんとボイルまで始まった。
きっとワカサギを捕食しているのだろう。
というのも、足元でワカサギが接岸しているのを目撃していたからだ。
ボイルしていたところに向かってワームをキャストするもアタリはない。
やはり表層なのだろうか?
ボートで釣りをしている人を見ると、どうも底を狙っている感じではなかった。
「う〜む、どうしたものか・・・」
後は息子が渓流で使っていたブレットンのスピナーしかない。
一応付け替えてキャストしてみるも、すでにスモールの群れはどこかに行ってしまったようだ。
「・・・」
「フライでフローティングミノーだったら釣れていたかも・・・」
まあ、今回が初めてのバス釣りだし、今後何を用意してくれば良いかもわかった。
「また今度かね?」
「うん、でも超面白かったよ、この竿投げているだけで超楽しいしね?」
「んっ?そうか」
もうこのベイトロッドは息子の竿かな〜なんて思いながら駐車場に向かった。
しっかりと野尻湖には忘れ物を沢山残してきたので、またいずれ訪れる時が来るだろう。
ただ一つだけわからないのは、魚券にスモールって書いていないことだ。
果たして野尻湖でスモールを釣るのに魚券は必要なのだろうか?
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