ずっとフィリピンで暮らすとは?

長らくぶりのブログ再開。このままここで続けようかどうか?

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デング熱

デング熱がフィリピン各地で猛威をふるっているようだ。今日の毎日新聞によると、今年1月からのデング熱による死者は188人に上ったという(現地のフィリピン人の知り合いたちはさほど気にも留めてないように思えるが)。

ぼくもデング熱に罹って、フィリピンで入院したことがある。それは2001年7月のことだった。7月7日(土)七夕の日、ぼくはバギオにいた。ちょうど台風時で、7月5日の日記には「バギオでは台風で20人以上が死亡。野菜の値段が2倍に跳ね上がる」と書き付けてあるなど、そのほかにも洪水や倒木による道路封鎖といった台風による被害が甚大だったと記憶している。また、デング熱に関する注意喚起もテレビ・ニュースなどでよく行われていたと思う。ちなみに、ぼくはフィリピンにいる間はどういうわけか毎日日記を付けている(億劫な日でも、少なくとも日付と場所程度の情報は記してある。日本では、1ヶ月も続いた試しがないのだが)。以下、おもに当時の日記からの抜粋である。

7月7日の夜、体の異変に気づく。寒気がして何もする気が起きない。インフルエンザだと思い、友人に薬を買ってくるよう頼んだ。体が夕食を受けつけない。

7月8日(日)、いよいよ体調がおかしい。寒気と頭痛がひどい。Harrison RoadのRose Bowlという中華レストランで無理して昼食をとる。でも、ほとんど手を付けず。
 14時20分発マニラのパサイ行きのビクトリーライナー(長距離バス)に乗る(285ペソ)。小雨が降り、辺りには霧が立ちこめたのでバスは山道を徐行。山道のコンクリート壁には、選挙の応援か'Gringo'(Gringo Honasan)、'Lacson'(Ping Lacson)という政治家の名前があちらこちらに落書きされている。バスはパンガシナンを過ぎ、ターラックでトイレ休憩のために停車する。マバラカットあたりで、気分は最悪になる。嘔吐したが、胃液以外の内容物はなかった。
 22時半、パサイのバスターミナルに到着。この日は、マニラでは滅多に乗らないタクシーに仕方なく乗る。運転手は深夜料金を払えというが、料金交渉の末150ペソで親友宅があるカヴィテに向かう。23時前に友人宅に到着(帰宅ラッシュ時だと2〜3時間かかることもあるのだが、夜遅くなら30分もかからない)。
 その日は、ひどい寒気と吐き気に襲われ、一睡もできず。寒気と吐き気が周期的にやってくるので、この時点でインフルエンザではなくデング熱と確信。翌日、病院に行くことにする。

7月9日(月)、友人夫婦に付き添ってもらい彼らがかかりつけのSt. Dominique Hospitalへ。病院に着くなり、血液検査と検尿を行う。その結果、デング熱かインフルエンザだと診断される。診察費は、検査費が200ペソ、診断料が260ペソだった。その後、病院でもらった処方箋を持って薬局(マーキュリードラッグ)に行く。薬代は1,000ペソを超えた。
 友人宅に戻るが、食事はまったくのどを通らない。夜はほぼ1時間毎に寒気と吐き気に襲われる。苦しい。間違いなくデング熱だ。熱は39.8度。入院治療することにする。

7月10日(火)午後、St. Dominique Hospitalに入院。大部屋(4人)はすべて塞がっていて、個室のみだという。1泊900ペソ。部屋には、冷房、テレビ、家具が備えられている。入院するにあたり、デポジットとして2,000ペソを前納する。患者の支払い能力を判断するためだという。要するに、支払い能力が証明されなければ入院できないのだ。検温、検尿、点滴をした後、病室に入る。
 主治医の先生は、明日の午後来院するという。ある分野で、フィリピンで2番目の地位にいる権威ある医者だという。
 看護士がひんぱんに検温、血圧、脈拍測定にやってくる。みな20代前半の若い女性である。ほとんどの医者や看護士は海外に職を求めるので、国内医療は人手不足だという。主治医の先生も、3つの病院をかけもちしているという。
 友人夫婦が見舞いにきて、世話をしてくれる。また、退院の日まで彼らのメイドの1人が病室にいてくれた。抗生物質の点滴が手の甲の血管に針を刺して行われる。血管が破裂しそうなほど痛い。また、看護士は勢いよく血管注射するので、怯えるとともにいささか腹が立つ。相手の機嫌を損ねて面倒を見てもらえなくなってはいけないので、ここはぐっと我慢し、ゆっくり注射するようひらに頼む。その日は明け方まで、入れ替わり立ち替わり看護士が検査をしに来るので一睡もできず。

7月11日(水)、入院2日目。血液検査の結果、血液の成分(血糖値か?)のうち最低100ないといけないものが、60しかないという。食欲が回復すれば、この数値も上昇するという。病院の食事はフィリピンでもまずいことを知る。主治医の診察を受けたところ、病状はデング熱か腸チフス(Typhoit fever)だという。両者とも症状が似ているが、デング熱では治りかけの頃体中に赤い斑点があらわれ、これが両者を大まかに区別する特徴だという。

7月12日(木)入院3日目、朝5時半に主治医の診察がある。熱も下がり、今日こそは退院できると思ったが、その夕方ひどい寒気に襲われる。ベッドがきしむほど体のふるえが止まらない。ふるえは30分ほど続く。吐き気がし、嘔吐する。熱は38度を超えている。看護士が解熱剤と抗生物質を投与。友人が買ってきてくれたアイスクリームとブコ(ココヤシの実の中のジュースと胚乳部)はのどを通るが、ビスケットは受けつけない。テレビでフィリピンの喜劇俳優Dorphyの映画'Home Along'(Home Aloneのもじり)が流れている。

7月13日(金)、入院4日目。主治医は来院せず。点滴の針が血管を圧迫するので、左手から右手に刺し代える。食欲は回復したようには思えないが、水分はやや容易に吸収できるようになる。ここまで、点滴(1リットル分)9本、抗生物質点滴1本、太い注射約10本、その他投薬を受ける。昨日に続き、Dorphyの映画'Tatay Nick'(Titanicのもじり)をみる。友人が差し入れてくれたJolibeeのフライドポテトはのどを通るが、ハンバーガーはまだ重く感じる。

7月14日(土)、入院5日目。主治医は、食欲が戻れば退院しても良いという。結局、この日の午後退院する。やっと点滴針から解放される。デング熱特有という赤い斑点はあらわれなかったようだが、最終的な診断結果はデング熱であった。入院費は約11,000ペソ、主治医への報酬が2,300ペソ。そして、投薬代が日本円で約50,000円。体調は依然すぐれず。

7月15日(日)、リサール州の友人宅に移動。この日買ったタブロイド紙で、フィリピンで活躍するハーピスト、ハヤシ・タダオ氏が彼の知り合いに殺害されたことを知る。7月17日まで静養に努める。そして、翌日から仕事に戻る。でも、少し歩いただけでも息切れが激しく、しばらくは体力の回復が必要。また、点滴した箇所がじゅくじゅくして腫れ上がる(点滴の痕は、両手に今も残る)。

以上、煩雑ながら、ぼくがデング熱に罹ってから入院、そして退院するまでの経緯である。近くフィリピンを旅行する知り合いには、はじめての楽しみな旅行に関わらず、デング熱のたいへんさについて死亡例などを交えてしつこく注意してしまった。水を差すようで申し訳ないが、くれぐれも気をつけたうえで旅行を楽しんできてもらいたい。

みなさんも気をつけてください。

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デング熱とは聞いたことはありましたが、これほどまでに辛い病気だとは思っていませんでした。私もフィリピンに行く以上はかかる可能性があるということを認識しなければいけませんね・・・。デング熱の原因は何だったのですか??

2006/9/17(日) 午後 5:59 suz**8171*12

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デング熱はマラリアと同じように、蚊によって媒介されるようです。先日、デング熱は日中性の蚊によって、マラリアは夜行性の蚊によって媒介されるということを何かの記事で目にしたおぼえがあります。雨季になると、どうしても蚊が繁殖する余地が増える、そして人間のほうも体調を崩し易く免疫力が保ちにくいなどから、デング熱が蔓延するのではないのでしょうか。ぼくの場合、当時デング熱に罹り易いと推察できる要件をほとんど満たしていたように思います。お互い気をつけましょう。

2006/9/17(日) 午後 6:54 [ oka**ki20*6 ]

日中行動するシマ蚊が危ないというので気をつけてはいるのですが、どちらかと言うと雨季の今、伸びた芝を刈っているとしょっちゅう蚊に刺されるので気にしています。やはり、誰かに刈らせた方が良いのかも・・・。

2006/9/17(日) 午後 11:09 Ming

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そうですね。人任せにして、こちらは余計な労力を使わないというやり方について考えてみる必要があるかも知れませんね(仕事上では、ぼくの説明能力と管理能力が足りず、無駄に神経をすり減らせることが多々あるのですが)。最近では、現地の人たちのこうしたやり方を見ていると、何がしかそこに「知恵」のようなものを感じます。芝刈については、「どうせ刈ってもすぐに生えてくるので最初から刈らない」という人もいます。これもまた知恵なのかな?いずれにせよ、「搾取」「怠惰」などという(こちら側の?)言葉で簡単に片付けてしまうことも可能でしょうが。

2006/9/18(月) 午後 0:46 [ oka**ki20*6 ]


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