ずっとフィリピンで暮らすとは?

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雑感

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『南の探検』

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 久々に面白い本を読んだ。蜂須賀正氏『南の探検』(平凡社、2006年、1700円)だ。1943年に公刊された同著の復刻版だ。
 蜂須賀正氏は阿波藩第16代当主として生まれ、鳥類学者でもある。この本では、彼の異国での学者との交流や鳥類標本を求めた探検について主に取り上げられている。中でも、多くの頁を1928年から1929年にかけて行ったアポ山をはじめとするフィリピン・ミンダナオ島南部での鳥類の調査と標本採集の記録に割いている。また、ミンダナオ島に渡る前のマニラ滞在やルソン島山岳部への旅行話なども織り込まれていて、当時のフィリピンの様子や生物地理について知ることができる貴重な記録である。
 当時、正氏は若干26歳であり、その若さみなぎる行動力と、それに相反する熟した分析能力には驚かされる。ただ、彼の旅行は従者や軍人の護衛を引き連れた、いわば「御上」的なものであった。この点、彼自身、ミンダナオの奥地に単身で乗り込み生活している華人を見て、自身の旅行ぶりを恥じている。加えて、怠惰なフィリピン人の軍人をぶん殴ったり、日本国内でもその素行は「若き公爵の乱行」として随分叩かれたようである。しかし、こうした天真爛漫な探究心が、日本の鳥類学の発展に寄与し、この記録を世に残した意義は大きいと思う。
 正氏はたった50歳で没したが、その死が早すぎると悔やまれるほどこの「南の探検」という記録は魅力的な旅行記であり、博物誌として一読に値する。


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