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少年読者の年齢が上がり、大学生にも読まれるようになったのが、この時代の特徴だ。それまでは、早ければ中学生になって、遅くとも高校生になれば漫画なんぞは読まなくなっていたのだ。これは手塚治虫にはじまるストーリー漫画の成熟と月刊誌の廃刊にみられる時代の移り変わりの速さの変化だったかも知れない。劇画や妖怪・恐怖漫画の登場がそれまでの「面白い」笑いのある漫画との差別化がはかられたのではないか。「パンパイヤ」の終了に続き、妖怪物の「どろろ」が連載されるが、68年7月で終わると、手塚治虫の活躍の場は創刊された青年雑誌に移されるのだ。少年キング、少年チャンピョンで作品を発表するが、「巨人の星」「あしたのジョー」「天才バカボン」「仮面ライダー」には太刀打ちできなくなり、72年少年サンデー連載の「ダスト8」、「サンダーマスク」も不発に終わったのだ。この2作品を知らない方もおるであろう。少年チャンピョンの「ミクロイドS」も今一評判が悪かった。巷では少年向けの漫画では、手塚は終わったとも揶揄されたのだ。
少年サンデーは藤子不二雄の「オバケのQ太郎」、赤塚不二夫の「おそ松くん」を皮切りに、ギャグ路線を展開し、手塚治虫の「正当派漫画」は少年たちから、だんだん敬遠され、その人気は下火になっていったのだ。
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講談社手塚治虫漫画全集
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