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虫プロ商事のCOM創刊号は1967年1月号だが、火の鳥第一部黎明編は創刊号から11月号まで11回連載された。その後の単行本化だが68年8月25日にCOM名作コミックスとし発刊されたのが、最初だ。ただし、サイズは雑誌サイズなので単行本といえるかどうかは疑問だが…
見て頂くと分かるが、この時点では原作のままだ。
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火の鳥
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もう一コマ見てみよう。原作ではCOM5月号5頁だが、日食の日輪(太陽の輪っか)はないが、73年2月のCOMコミックスでは、なんと…
まるで三日月のようになっているのだ。では、他の単行本は?
虫プロ商事 COM名作コミツクス 1973年2月15日(A5版)定価280円
余談だが、定価280円とはかなり高かったのだ。「狂乱インフレ」の前年だが年率約10パーセントのインフレ・物価高、不正確だがコーヒー代が70年前後80円があれよあれよという間に90円、100円、120円、140円となった時代、74年は約30パーセントだった。280円あれば昼飯とコーヒーが飲めたのだ!
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ウィキペディアの「火の鳥」の解説はなかなか面白いが、少し疑問のところもある。
さて、「第1部 黎明編」だが
作は未完に終わった「漫画少年」版の黎明編を基に大幅に内容を変え連載したもの。大和朝廷の成立については、定説ではなく本作品執筆時に話題になった江上波夫の騎馬民族征服王朝説を採用している。その後何度か描き直されており、後年の版では主人公たちを襲う様々なスタイルの狼の中に、「ファミコン型」や「赤塚不二夫型」等も登場する。また日蝕の場面では太陽の欠け方が間違っており、手塚本人によって単行本では正しい日蝕の欠け方へと修正されている。
と記述されている。
日食の場面での太陽の欠け方については、初めて知ったのだ。
では、事実はどうか!
まず、原作を見てみよう。
COM1967年4月号 26頁目だが
1973年2月に出されたCOM名作コミックス(A5版 朱色の表紙)では
たしかに、欠け方がちがうのだ。原作とは反対の左側が欠けているのだ!
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COM掲載の火の鳥第1部第11話が最終回だ。原作は32頁だが、その後の単行本化では2、3頁の見開きのカットと最終頁がカットされている。32頁の手塚治虫のメッセージはとても大事なところでもあるので、単行本では物足りない気がするが。
後のCOM誌上で手塚治虫が書いているが、作家の三島由紀夫からクレームがあり、日本の歴史を歪曲しているとのことだったそうだ。当時は「騎馬民族征服王朝説」が脚光を浴びた時期でもあり、手塚はそのアイディアを採用している。いわゆる「魏志倭人伝」の中で馬の記述が見当たらないなどの理由で、大陸、朝鮮半島を渡ってきたグループが大和朝廷の基礎となったという仮説である。今日ではこの仮説を支持する人は少ないようだが、そういう意味では50年近くの歳月を経たのかなと思うのは私だけか…
歴史を学術的に取り上げるのは難しく、邪馬台国や卑弥呼が存在しなかったという学者もいるそうだ。ただ、漫画も事実と錯覚して信じる人も少なからずおられるようで、それほど影響力があるわけだが、あくまで創作・フイクションであることを忘れず、楽しみたいものである。
これで、「火の鳥」 第1部 黎明編」の原作とその後の単行本との「比定」について終わりたい。
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COM1967年10月号火の鳥第1部第10話、今回はこの部の最大の山場、クライマックスシンーンの連続だ。頁も本文39頁と通常の8頁増し、高天族のニニギと猿田彦との対決、これまで征服したヤマタイ国が反対に征服され皆殺しになるという歴史の繰り返し…
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