おけらの いつか青空 脱原発

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スポットライト〜世紀のスクープ
ネットの感想を読むと、欧米社会に於いてカソリック教会の影響力の大きさを日本人(若者なのだろうが、中高年だってどうか)は全く理解していないのだな、と思うことしきりだった。退屈だった、起伏がなくて眠ってしまったという感想、日本で言えば創価学会の不正を暴くような話か、と全く見当違いな意見が見られた。
私は、よくぞハリウッドが、カソリック内部の腐敗をここまで描いたと感心してしまったのだが。
かつて「キリスト最後の誘惑」だったかいろいろな国、地域で上映禁止になった事件がおこった。ミュージカル映画の「ヘアー」も同様だったか。
カソリック社会では、キリストを「人間らしい」者として描くことはタブーである。
何よりも、カソリック教会の神父たちの6%もが「幼児性愛常習者」であり、それは禁欲を強いられる彼らにとって一定避けられない必然ともいえる病弊である。それを隠ぺいして来たのは一国、一地域の教会、一神父ではなく、バチカンだ、とまで言わせている作品が登場したことは衝撃的な事件ではないか。
これぞボストン・グローブ紙の「スポットライト」担当記者グループの奮闘あったからこそ。同時に、この事件を映画という世界に届く文化的手段で表現したスタッフ、キャストの奮闘と、この作品を最高の作品賞に選びだしたアメリカアカデミー賞関係者にエールと喝采を送りたい
物語はシュレーバー演ずる編集局長が転勤してくることから始まる。
彼はユダヤ教徒である。だからだろうか、ボストンという保守的な街でのある神父の幼児への「いたずら」を取り上げたコラム記事に注目する。
そして、それを深く掘り下げることをスポットライト担当記者たちに指示する。その後の記者たちの煩悶、それぞれの家族との葛藤が描かれる。丁寧な描写がなされている。教会の地域権力と結びついた秘密の壁は限りなく厚い。それにめげずに、壁をすこしずつ崩していく記者たちの姿は美しい。ジャーナリストの本来あるべき姿だ。日本に彼らのようなジャーナリストがどれだけいるか。
教会周辺の子ども達は今も神父たちに犯され、あるものは精神障害に、あるものは自死する事件が数々起こっていることが明かされていく。
記者たち自身はたまたま運よくそうした神父に出会わなかっただけということに気づいていく。放置され続ければ息子たちが犯されない保証はない。敢然とカソリック教会システムの腐敗に挑む記者たち。
あと少しというところで、2001年、あの「9.11」が起こる。この運の悪さ。アメリカ社会は9.11一色となる。カソリックの腐敗どころではない、アメリカを救え!だ。これも事実だろう。映画ではきちんとそこを描いている。こんな時に教会の悪を暴き出して何になる。まして読者の53パーセントがカソリック信者であるボストンの地域紙に於いてである。
だが・・・。映画には感動的なラストが用意されている。

記者を演じた俳優たちが誰も素晴らしい。特にリーブ・シュレーバー、マーク・ラファロ、マイケル・キートン、トウッチ、そして助演賞の女優レイチェル・マクアダムス・・そして少年時代に神父からレイプされた体験を語る俳優たちの上手さ。狡猾な弁護士、地域の名士たちの作る壁。最終的に記者に味方する友人弁護士。ここは泣かせる。見事な集団劇である。(マイケル・キートンがアカデミー賞を受けた前作とガラリ雰囲気を変えてとっても素敵なのに驚く。役者やの〜、である。)
どの俳優に演技賞を与えても良いと思った。
また、粒寄りのセリフも素晴らしい。もう一度見て、セリフをしっかり受け止めたい。
 
「何かあるとは思っていた。」「だがお前は?」「お前は何をしていたんだ。」
「私たちは毎日闇の中を手探りで真実を探している。そこに光が差して真実を探り当てる。
私たちの仕事はそんな記事を書くことだ。」
「(20年前に事実を掴んでいて座視してしまった)あなたは誤りを冒した。
(それを償いたいなら)次を書くことだ・・。」
もう一度見たいと思うのは、こうしたセリフをもう一度反芻したいからだ。そういえば、この記者たちの奮闘していた2000年に私はこの地ボストンに行ったのだった。ちょうどゴアとブッシュのテレビ討論が放映されていてホテルで視たことを思い出した。貴重な体験だったと今更ながら思う。(副島正彦氏の著作は、2001年のこの事件があって初めて世に出されたのではないかと考えた。)(2016.4.21)

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