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沖縄に新しいエンターテイメントが誕生! ガレッジセール・ゴリのプロデュースによる、方言はもちろん沖縄の歴史・文化・風習を取り入れたお笑いの舞台『おきなわ新喜劇』が発足します。今年3月の旗揚公演の大成功を受け、今年の年末年始にかけてツアーを敢行。沖縄本島と宮古島・石垣島、さらに東阪名の3都市を巡ります。その『おきなわ新喜劇』とは一体どんなものなのか? 脚本・演出も担当するゴリに話を聞きました。
――まず、『おきなわ新喜劇』発足のきっかけと、それにかける思いを。
きっかけは“注目されていない小さな島に行きたい”という思いでした。沖縄にはアーティストの方々がいっぱい来てくれますけど、ほとんどが沖縄本島で。石垣島や宮古島みたいに大きい島ならまだ機会もありますが、小さい島はあまり芸能の公演が行かないので、そういう島を回りたいというのがスタートだったんですね。今回、『おきなわ新喜劇』は本島だけで終わらず、石垣島と宮古島に行けるので、ひとつ夢が叶いました。 『おきなわ新喜劇』は、吉本新喜劇の先輩たちが作ってこられた伝統を受け継ぎながら、沖縄の音楽や言葉や文化を“チャンプルー”(沖縄の方言で「混ぜる」という意味)しながら独特のものを作っていきたいと思います。 ――今年3月に沖縄と大阪で旗揚げ公演を行いましたが、その手ごたえは? 非常に反応もよくて、みなさん腹を抱えて笑ってらっしゃって。『おきなわ新喜劇』は沖縄に定着するものとして進んでいける、その希望の光を見ました。 大阪は、NGK(なんばグランド花月)という笑いの神のような領域で、しかもお笑いに厳しい大阪の人たちを前にしての公演だったので、どういう反応なのか心配だったんですけど、みなさんゲラゲラ笑ってくれて。沖縄以外の人が見ても新たな発見と笑いを提供できたので、僕が『おきなわ新喜劇』でやりたいものが一応は伝わっているのかと思いました。 ――『おきなわ新喜劇』はどのようなものに? その定義は? “沖縄の独特の文化を笑いながら学べるショー”ですね。観光客の方に、ただ歴史や文化を教えるだけと堅苦しくて誰も来ないけど、吉本新喜劇の要素で笑いをふんだんに入れて沖縄を楽しく学んでもらいたい。と同時に、沖縄の子供たちにも、自分たちの土地にはこんな歴史が、風習が、言葉があるということを笑いながら学んで、自分たちの土地に誇りを持ってほしい。僕も含めてですが、沖縄の若い子たちは沖縄の文化を知らないことが多いんですよ。だから、観光客と、これから沖縄を支えていく子どもたち、その双方に向けて、一緒に笑って踊って騒いで沖縄を知ってもらう、楽しい教科書のようなエンターテイメントを作りたいんです。 その根底には、僕自身が沖縄の文化を学ばなければいけないという気持ちがあるんです。19歳まで沖縄にいましたが、その時は東京とかアメリカとか他所をうらやましがってばかりで。でも、東京に出ちゃうと、沖縄のことを何も知らなかったんだと、自分のアイデンティティーの薄さが恥ずかしくなって。東京に出て初めて沖縄の勉強をするようになったんです。知れば知るほど面白いし、なぜ沖縄にこれほど観光客が集まるのか、それだけの魅力があるということが分かるんですよね。例えば、沖縄の人は穏やかですが、それは苦い歴史を味わってきたからこそ平和を愛する土地になった。そういうことを勉強していくと、『おきなわ新喜劇』の作り方もまた変わってくるんですよ。だから、僕自身も学びながら、若い子たちと沖縄を一緒に勉強したい。東京でお笑いという場で培ってきたものをみなさんに提供して、公演の2時間だけでも思い切り笑ってスッキリして帰ってもらいたいんです。 ――今回の公演は、どんな内容に? テーマは“シーミー(清明祭)”という沖縄の風習、タイトルは『ドゥ ユー シーミー?』でいこうと思っています。沖縄には、旧暦の3月、今の4月に“シーミー(清明祭)”というものがあって、一族がお墓に集まってどんちゃん騒ぎをするんですよ。沖縄県外の人からみたら異様な光景ですよね。まずは、沖縄のお墓がデカイこと自体にビックリすると思います。全部王様のお墓、古墳なんじゃないかと勘違いする人もいますから。お墓が並んでる場所は団地だと思ってたり(笑) お墓の形も亀の甲羅みたいな“亀甲墓”で、これは女性のお腹を象っていて。人間は女性のお腹の中から生まれて、死んだらまたお腹の中に帰るという母体回帰の考え方なんです。そのお墓に一族が集まって、先祖に1年の感謝を述べながら、また1年守ってくださいとお願いをする。「あなたのDNAが受け継がれた子孫たちはこうなってますよ」という姿を見せるんです。家で作ってきた食事をご先祖様にお供えして、みんなで一緒に食べて、お酒も飲んで、途中、子どもたちが飽きてきたらお墓に上ったりして。沖縄以外だと墓石に子どもが昇った瞬間に怒られると思いますが、沖縄は怒られないんです。子どもが騒ぐほど賑やかだと先祖が喜ぶという考えなんですよ。こういうことを知ると、誰かに話したくなりますよね? そういう知識欲も満足させるものにしたいですね。今回はシーミーですが、沖縄をは統一した尚巴志を中心に歴史を振り返ったり、空手発祥の地である沖縄の琉球空手を取り上げたり、これから毎回ひとつのテーマを設けていこうと思っています。 ――沖縄ならではの演出もありますか?
例えば、最後はみんなでカチャーシーで踊ったり、沖縄はアーティストの宝庫なので音楽と融合したり、客席に降りてのお客さんイジリがあったり、お客さん参加型の舞台を作っていけたらと思います。旗揚げ公演は、沖縄色:吉本新喜劇色=3:7の舞台でしたが、今回の公演は沖縄色:吉本新喜劇色=8:2で勝負します。このバランスのとり方が難しいのですが、沖縄の方も県外の方もどちらも満足させるものを目指します。 ――沖縄に定着するエンターテイメントを作るにあたって、様々なの形がある中で“新喜劇”を取り上げたのは? 小さな子どもから、80、90歳のおじいちゃんおばあちゃんまで腹抱えて笑える新喜劇ってすごいと思うんですよね。そこまでお客さんを熱狂させるというのがうらやましいし、嫉妬もあります。毎週新しい台本で新風を吹き込みながら、何十年もやってる定番のギャグもある。分かってるのに笑っちゃうし、「待ってました」という喜びもあって。そういうのを定着させることが芸の理想のような気がするんですよね。『おきなわ新喜劇』にも、池乃めだかさんや、間寛平師匠、しげじぃのような定番のキャラクターが生まれて、子どもが学校でギャグをマネして、飲み会ではお決まりのコールになって…と、生活に浸透してくれたら、こんなに芸人冥利につきることないですよね。10年後、沖縄の小学生のランドセルに『おきなわ新喜劇』のキャラクターのキーホルダーがぶらさがってたら、うれしいですね。 ――その名物キャラクターになるのではと注目している方はいらっしゃいますか? 旗揚げ公演の時、スリムクラブの真栄田はもちろん面白いんですけど、地味な内間がものすごく光ったんです。内間の淡々としたキャラクターを生かして、例えば、沖縄の霊媒師・ユタのキャラクターで、おきまりのギャグみたいなのが生まれたら面白いですよね。他にも、沖縄ならではのもので、ハブ獲り名人の○○さんとか、米兵の○○さんとか、いつも酒飲んで三線で歌ってるおじさんとか、面白いキャラクターがいっぱいできそう。そのうち生まれてくると思いますね。 ――いよいよ本格始動する『おきなわ新喜劇』、その展望は? 沖縄には海やグルメはありますけど、「大阪来たら新喜劇見よう」みたいな、お笑いの大きなエンターテイメントがないんですよ。沖縄の昼も夜も飽きさせない、楽しませたい、そういう意味で、これから10年を目標に沖縄に『おきなわ新喜劇』を定着させたい。そのためには、地元で活躍されている役者さん、タレントさん、アーティストさん、舞台製作陣たち裏方さんとタッグを組んで一緒に成長して一緒に盛り上げて、最終的には沖縄の人たちだけで回していけたら理想だなと思います。そういう意味では沖縄の人材育成にもつながっていきますから。 今回は、島は石垣島と宮古島だけですが、数年後には僕の目標である波照間島や与那国島、そういう小さな島を回れたら最高ですね。5年後に離島ツアーを、そして10年で『おきなわ新喜劇』を定着させる、それが目標です。海だけじゃない、三線だけじゃない、エイサーだけじゃない、ゴーヤーチャンプルーだけじゃない、沖縄の新しい喜び、おもてなし、そういうものを『おきなわ新喜劇』として作っていきたいです。 ――沖縄に専用劇場を作るという構想は? それは理想ですけど、劇場を回すって大変ですよね。でも、今はガレッジセールが座長でやってますけど、新しい座長がどんどん生まれて、最終的には沖縄で頑張ってる芸人さんたちで劇場を365日回せたら大成功ですよね。それが一番のゴールかもしれません。NGKならぬ、OGK=おきなわグランド花月。実現したら涙出るかもしれない。そのためにも、まずは『おきなわ新喜劇』という形を作りあげ、それを定着させていくことを目指します。 ――では最後に、ゴリさんから「これだけは言っておきたい!」ということは? お客さんには、ぜひ観に来てください!と。あとは、参加する芸人さんに伝えたいことがあります。沖縄に行くことを仕事じゃなく遊びだと思ってる方が多くて。みんな「休みだ!」って言うんですよ(笑) 稽古の時、泡盛がかなり体に残ったままで稽古場に来るのはやめてください。そこだけは帯を締めてもらって、稽古と本番に挑みたいですね。
【ガレッジセール】【ゴリ】
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