談合は本当に悪なのか

談合の功罪を考えてみませんか(下から読み上がってください)

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公共事業費の大幅な削減に苦しむ建設業界に、福島県が昨年から導入した一般競争入札は、
業界に強力なボデーブローどころか、さながら業界に最後の一撃を加える必殺の凶器とさえ化している。
地元住民と長年に渡り培ってきた地域との絆も、価格競争のみの入札制度によって根底から破壊され、
地域は越境業者によって、無秩序のままに蹂躙されている。

 業界は、もはや利益度外視の低落札価格でしか受注出来ず、切羽詰まった業界は
「毒まんじゅう入り」でしかないだあみだくじを、それでも必死に引いている。
例え「毒まんじゅう」でも明日の命を繋ぐためには、毒を食べる事しか選択肢がないのだ。
 かくして地域の安全と雇用と経済を全面的に支えてきた建設業界は、疲弊衰退し、
今では見るも無残な惨憺たる有様となっている。
 
 平成10年度に建設業協会宮下支部が擁していた会社数は11社で、抱えていた従業員は980名もいたが、
今現在は僅かに7社。従業員数は何と201名と激減をしている。
 とりわけ深刻なのは、地域の雇用を一身に支えてきた建設業界の衰退が、
他に産業の全く無い地方雇用の喪失にそのまま直結して、住民は今途端の苦しみにのたうち、
地方そのものが為す術もなく崩壊しようとしている事だ。
 公共事業の大幅な削減に伴う地方雇用の崩壊はそれ事態非常に深刻なもので、
それに対応するセーフテイネットの構築は県の喫緊の最重要課題であったにも関わらず、
それらは放置したままに、福島県は拙策に一般競争入札を導入して、
結果的に業界と地方経済にトドメの釘を打っているのである。
 
 最近その宮下支部の公共工事入札に大きな異変が起きている。
今では希少となった入札物件に入札辞退が増えているのである。
せっかくの虎の子の貴重な物件であるにも関わらずである。
 大沼郡昭和村。奥会津の寒村である。典型的な限界集落の雇用を一手に支えてきた建設業が衰退し、
村内に4社あった建設業者は2社に半減し、辛うじて残った2社も、急激な経営環境の悪化に耐えきれず、
長年苦労を共にしてきた従業員の大半を解雇した。会社を存続させる為の苦渋の決断であった。
 
 奥会津の半年は豪雪に阻まれ、公共工事で稼げるのは6月から12月の7ヶ月間しかない。
これまではその半年間の稼ぎと冬期間の除雪業務で、多数の従業員の1年分の薄給をまかなってきたが、
県の一般競争の入札の導入以来、原価割れ価格でしか工事の受注ができず、1年分の給与どころか、
翌月の給与の支給さえままならない窮状となってしまっている。
 当然に仕事の無い期間の給与の支払いなどできるはずもなく。両社共に従業員を大幅に解雇してしまったという訳だ。
 その為両社が抱える技術者は僅か数名となって、春先に多少受注をしただけで手持ち技術者が底をついてしまい、
その後に発注された小さな希少な工事すらも、最早受注出来なくなってしまっているのである。
 つまり、地方建設業界は、僅かばかりの通常工事すらも受注出来ない様な惨憺たる状態にまで追い込まれ、県が行っている入札制度は、業界をそこまで疲弊衰退させているという事なのである。
 
 建設業法を知らない者には、ここで不審の向きもあろう。
「仕事が発注になったら、受注をして、解雇した従業員を又雇って仕事をすればいいじゃないか」と
確かに一般の業界には極当たり前の業務活動が、しかし建設業法では全く認められていないのである。
受注した工事現場には、継続した雇用関係にある専従の現場代理人と、技術者を常駐させ無ければならない事となっており。
現場代理人の掛け持ちは基本的に出来ない事になっている。
 更に、社会保険に加入して3ケ月以上の雇用実績が無ければ、継続した雇用関係にあるとは認められないのである。
つまり、仕事が発注になってから、慌てて従業員を再雇用しても到底間に合わないし、
有資格者でいかに優秀な技術マンであって技術者とは認められないという事なのである。
 
 この為半年の間全く仕事が無くても、建設業界はひたすらに年間を通じて従業員に給料を払い続けながら、今や宝くじやあみだくじ化して、全く不安定で受注予想さえ立たない「毒まんじゅう」が運良く落ちてくるのを、ひたすら待たなければならないという。
 経済性やコスト削減等は、そもそも根本的に追求できない法の仕組みに拘束されているのである。
 半年しか仕事の出来ない豪雪地帯の特殊事情に配慮をすれば、
およそ経済性効率を無視した、こうした法の不合理を改正し、資格のある者を合理的に有効活用させ、
又年度枠にとらわれることなく年度繰越や早期発注を速やかに履行していただけるのならば、
建設業界の大幅なコスト削減は、決して無理でない形で、且つ速やかに実現が出来るのである。


 通常状態の僅かな工事さえ受注できないこの有様では、この地方に災害が押し寄せたら一体誰が迅速な救助に駆けつけてくれるというのだろう。
住民の安全を救い、守ってくれる組織は最早崩壊してしまったという事なのである。
災害どころか、目の前にさし迫っている豪雪対策さえ、万全に整えられるのか、
高齢者ばかりの住民は、今失業状態で、大きな不安におののいて暮らしているのである。
 
 いつぞやに、TV番組の中で、大手建設会社役員が、
「地方中小企業がよしんば壊滅しても、神戸震災や中越地震がそうであったように、
我々大手が救助と復旧に駆けつけるので、心配はご無用」との賜っていた。
確かに大震災や大規模な工事の受注には目の色を変える大手企業だが、日常の地方道路の維持補修や除雪作業には目もくれないし、
対応する能力も無ければ、使命感等1%でも持ち合わせていない。
 それ唯に、住民の安全と命と環境や国土を守り、何より地方の雇用と経済を守る地方建設業者は、
健全な地域構成に絶対に欠かすことの出来ない、警察署や消防署と同じ次元の重要な業界なのである。
警察や消防組織に対しては、そこに極端な経済性や投資効率を追求する者はさすがにいないが、
同じく、地域の財産や命を守っている建設業界に対しては、
民間であり営利企業でもある為か、実に容赦のない不毛の競争を強いる事態となっている。
しかし、地方における建設業界の重要な役割と社会性を考えるならば、
都市部における建設業界と、地方における建設業界とは分けて考えるべきでなのではないだろうか。

 グローバル経済の名の下に、市場至上主義や自由競争経済は、狂乱の果てに遂に破綻した。
狂乱に躍り、狂乱を主導した当事者は、莫大な富を手中に収め、その狂乱の尻ぬぐいを善良な国民が
長期にわたって負担する事になる。
競争入札も又自由競争の名の下に、地方に狂乱の嵐を巻き起こしている。
競争の結果、確かに水は清くなったのかもしれない、
しかし「水清くして魚住まず」の諺もある
 昔から地方に住んでいた守り本尊の建設業者を中心に
地域住民の多くが、今現実に死に絶えようとしている。
一般競争入札が、確実に今引き起こしている恐ろしい現象を
しかし今、誰も気にとめようともせず、むろん気づいてすらもいない。

「…そして誰もいなくなった」
私がその恐ろしい言葉を綴る日も、もうすぐそこまで迫って来ている。

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