|
先月末に、桶川市の「さいたま文学館」なる、埼玉県にゆかりのある文人たちの資料館に行った際に、太宰が「阿佐ヶ谷会」の面々とともに、埼玉県日高市の高麗神社へ旅行に行った事実を知り、このブログに記した。それ以来、「阿佐ヶ谷会」に関係する本を、図書館で探しては読みまくっている。
そのひとつ「「阿佐ヶ谷会」文学アルバム」という、青柳瑞穂の娘さんが書いた本、これにはかなり貴重な記述がある。
「阿佐ヶ谷会」のメンバーが、様々な自身の本やコラムで、この会について語ったものをひとつにまとめたもので、これひとつで、「阿佐ヶ谷会」が、どのような集まりで、お互いがどのような関わりを持って付き合っていたかがわかる。
「阿佐ヶ谷会」の中では、太宰もその一員という立場だが、それでも、井伏鱒二、亀井勝一郎、伊馬春部など、太宰との親交が深かった者たちが、「阿佐ヶ谷会」としての太宰の思い出を語っている。もちろん、その中には、高麗神社への旅のことも登場する。
この本は、太宰に関しするエピソードだけでも、かなりのボリウムがあるので、このブログで、いくつかに分けてご紹介しようかと思う。
で、いきなり核心な話、というより、私が「大宮太宰調査」を行う一番の“力”になっている、あの話題である。
亀井勝一郎が、太宰との事を記した「罪と道化と〜太宰治断章」という部分。
将棋での勝負、鮎つりに行った事、戦時中の太宰の服装、太田静子、山崎富栄と知り合う直前の、飲み仲間を笑わせていた頃の事。。。どれも初めて知る話でたいへん興味深い。
その文末に、衝撃の文章があった。これは、昭和30年に書かれた文章である。
「昭和二十三年六月二十三日、「自殺」の報をきいたときも、私は信じることが出来なかった。自殺の理由がどうしても考えられなかった。後にパピナール中毒の事など聞いたが、直接の死因は、彼女が彼の首にヒモをまきつけ、無理に玉川上水にひきずりこんだのである。遺体検査に当たった刑事は、太宰の首にその痕跡があったことをずっと後になって私に語った。しかし一緒に死んだのだから、そのことをあらだてるにも及ぶまいという話であった。」
これと同じ話を、当時を知る某氏の証言をその息子さんを通して聞いたと、先日知り合いから知らされたばかりだ。
晩年、太宰と深い親交のあった亀井勝一郎が、担当刑事から聞いた、というのは信憑性が非常に高い。
やはり太宰は、山崎富栄と死ぬ気など、もうとうなかったのだ。
そう分かると、大宮での精力的な執筆活動、「人間失格」を書き上げた時のホッとした笑顔、死の前日に古田氏と会えなかった悔しさ、このような全てが、現実の絵となって脳裏に浮かぶ。
「グッドバイ」の未完を、一番悔んでいるのは、太宰自身だったのかもしれない。
|
Upおめでとうございます!
なかなか出来ませんから。
2009/7/26(日) 午後 8:43 [ isi ]
勇気のいることだったでしょうか?
やはりまずかったか。。。
でも誰もが知りたかった(特にオトコは)事だと思います。
2009/7/28(火) 午後 6:32 [ TAMA ]
萌えダウンロード完了しました。
ありがとうございます!
亀井勝一郎『無頼派の祈り−太宰治』vs
野原一夫『回想 太宰治』
このお二方、大変悩ましいことを書いており、
どっちを信用していいのか、
昔からずっと悩んでいます。
2009/7/29(水) 午後 11:50 [ iga ]
メールありがとうございました〜。
こんなに早く聴けるとは!驚き〜。
H大先輩も、ここで聴けるのできっと大喜びですよ。
今頃、萌え萌え〜してるかなぁ?
私も萌え〜っぱなしです!
2009/7/30(木) 午前 7:04 [ 成人46 ]
igaさん
亀井勝一郎氏と野原一夫氏を比較する、面白い試みですね。
私が思うに、野原さんには太宰への「愛」が感じられます。
厳しい証言には「言いたくない」的な意味合いが見られます。
野原さんの証言は私は好きですが、客観的に事実を追求するには、亀井さんの方が正しい気もします。
2009/7/30(木) 午前 10:59 [ TAMA ]
成人46さん
「太宰ゴッコ萌え〜」新しい良い言葉ですが、あの〜、私たちもしなきゃいけませんでしょうか?
ちょっとアレは恥ずかしいんですけど。。。
2009/7/30(木) 午前 11:02 [ TAMA ]
TAMAさん、ごめんなさい!
内緒の秘密、50IPぐらいに漏れたみたい。
削除したので、許してください!
2009/7/30(木) 午後 6:26 [ 成人46 ]
成人46さん
ま、思い切り載せてるんで(苦笑)
あそこまで深くHPを見てる人もそんなにいないんじゃいかな。
関係者だけに行き渡ったら削除します。
音源はデータ量を多く取るので足かせなのです、実は。
2009/7/31(金) 午前 10:59 [ TAMA ]
太宰は死ぬ気なんてなかったんだ!そうだ、あの人は大作家になってみせると言ったじゃないか、そうだ、そうなんだ!
心のうちで、叫びました。
2018/12/14(金) 午後 0:21 [ 名なし ]
この記事を見つけることができて本当に良かったです。ありがとうございます。
2018/12/14(金) 午後 0:22 [ 名なし ]