太宰が住んだ大宮 情報ブログ

太宰治が大宮に住んだ二週間を濃ゆ〜く調査しています。

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名古屋の単身赴任、独り暮らしだと、人恋しくもなってくる時がある。仕事の仲間じゃ癒されないものを求めて、夜の街へ出向く事もある。私の場合、もっぱら焼鳥屋が多いのだが、その時の心の具合でお店を選んでいる。
一人で、もの想いにふける時は、知ってる常連もなく、店員も声を掛けてこないあの店へ。
優しいご主人と、静かに話がしたい時は、あの店へ。
楽しい常連さんとワイワイやって、何もかも忘れたい時はあの店へ。
名古屋に住み一年足らずだが、そういった店を順繰りと巡っている。

ある日自転車で近所を走っていて、
「おや?こんな所にも焼鳥屋があったのか」
この店、家からもっとも近いのに、ちょっと路地裏のため、気がつかなかった。

で、先日も焼鳥屋を目指したくなった夜、ふとあの店を思い出した。昼間はシャッターが閉まっているので、店の雰囲気などは知り得なかったが、夜、ぼんやりと灯かり。入口の引き戸の格子が、人マスだけ中が見えるようになっていたが、カウンタやご主人までを見回す事もできず、それにあんまり長く店の入口でそういうのを覗うのもどうかと思い、一時はその店をあとにした。でも、何か胸騒ぎが残って、50メートルほど通り過ぎてから引き返し、意を決してその店に乗り込む事にした。

カウンタが5席、小上がりが2席というこじんまりとした店内。カウンタには、中年の男女が3人。そのひとり。。。あれ? 私がたまに通っていた、お酒が飲めるたこ焼き屋さんでよく見かけた未亡人であった。向こうも私の事に気がついた様子。お互い、不思議な再会に首を傾げながら、一声掛け、その女性の左となりに座った。
「ここ、よく来るんですか?」(私)
「最近は私、こっちにしてるの」(未亡人さん)

ご主人はかなり年配の方。左半身が不自由のようで、右手1本で炭を整えるのも苦労している。常連さんとの話し方に「!」もしや。
話の中に、青森の事が出てきた。
「ご主人、青森生まれですか?」(私)
「そうだよ〜」(ご主人)
「青森、どこですか?」(私)
「藤崎だよ」(ご主人)
「あぁ〜ふんじゃきね」(私)
“ふんじゃき”にご主人は目を丸くされ、
「おっ!あんた、青森かぁ?(津軽訛りで)」(ご主人)
「いやいや、青森には好きで何度も行ってますから」(私)
伊奈かっぺいのライブカセットで、藤崎の事、地元じゃふんじゃきって言うんだって聞いたもので、グッドタイミングだった。これでいっぺんに、ご主人の私に対する態度が和らいだ。

もうひとりの中年女性が、
「どうして青森に行こうと思ったの?」(女性)
私はすかさず、
「太宰治ですかね」(私)
「太宰治、あまり読んだこと無いわ。どいういうのでしたっけ」(女性)
「有名なのは『走れメロス』、あとは『人間失格』とか、『斜陽』とか」(私)
女性は、太宰作品にはまったく触れた事がなさそう。反応なし。

私は埼玉から単身赴任で来ている事を絡め、太宰が大宮で『人間失格』を書き上げた事、またその事実を地元でも殆ど知られていない事を力説してしまった。常連さんたちは、太宰については食い付いてくれなかったが、ご主人だけが嬉しそうにうなずきながら聴いてくれた。

そこへもうひとり。この方も、たこ焼き屋でも会った常連さん。
「瓶ビールは自分で取ってきてね」
とは未亡人さん。
カウンタの4人の中に、私もすっかり加えて下さり、いろんな世間話で盛り上がる。
そこへご主人。
「俺はな、奇跡って言葉を信じてんだ」(ご主人)
不自由な自分の体に、まだまだと奮い立たせているようだ。
「そうだよ。体を治すのは自分なんだから。病は気だから」(常連みんな)
そうみんなで応援する。ご主人の笑顔が可愛い。

みんな順番に焼鳥を注文する。私は、皮、肝を2本ずつお願いした。たれが絶妙で、この周辺のお店でも1、2を争う、とても美味い焼鳥だった。なんで今まで来なかったんだろうと後悔しきり。
「あたし、月、水、金はここにいるから」(未亡人さん)
「えぇ〜週3日もですか?」(私)
「ここ、会社帰りに寄ると落ち着くのよねぇ」(未亡人さん)
それはわかるような気がする。またひとつ、名古屋での独り暮らしの宿り木ができた。それが青森がきっかけとは、太宰も憎い演出をするもんだ。

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いつものように、仕事帰りに大宮駅へ降り立ってみると、駅ナカ「エキュート」の週変わりイベントコーナーに、リンゴをバックにした「リンゴの国2009 by AOMOTRI」という看板を発見。ご存知、飯田橋の「あおもり北彩館」の出張販売が大宮駅にやってきたのだ。リンゴを材料にした、様々な食材やジュースなどが、ところ狭しと並んでいる。

もちろん、採りたてのリンゴも、いろんな種類が置かれており、1個からでも購入ができる。埼玉県内の青果店に並ぶのは、せいぜい「ふじ」、または「王林」くらいだが、ここでは「金星」や、最近では珍しくなった「紅玉」も手に入る。あの甘酸っぱさが懐かしいという輩は、ぜひ購入してみてはいかがだろうか。

その他、ジャムや、ジュース、お菓子などもたくさん販売している。
私が津軽を毎年旅していた頃、ユースホステルの若者(私も若者だった)たちの間で、「アップルチップス」が、どういうわけかブームとなっていて、どこに行けば買えるか情報交換がされていた。それに近いものがあった。これは、私にとって、かなり懐かしい品だ。アップルジュースも、最近登場した、実まで赤いリンゴで作った「赤〜いりんごジュース」も買うことができる。

私は、リンゴのドレッシングを購入。この日は、あまり細かく見ずにその場を去ってしまったのだが、「あおもり北彩館」のホームページに、このイベントの事が詳しく掲載されていた。
http://www.umai-aomori.jp/event/2009/ecute1110.phtml
なんと、青森県内の洋菓子店14店舗が、それぞれ自慢のアップルタルトを持ち寄って販売されていて、食べ比べする事ができるのだという。青森県内でも、これほどの数のお店の品が一同に集まる事はないのだそうだ。太宰のふるさと、五所川原市の「自然菓子あるる」のアップルパイもあるらしい。元々、お菓子にはあまり興味がないのだが、こりゃあ、今日も立ち寄って買いまくりするしかないだろう。
念のため全部紹介すると、「洋菓子のジャルダン」(弘前市)、「みの農園のこだわりアップルパイ」(黒石市)、「自然菓子あるる」(五所川原市)、「ル・スゥブラン」(八戸市)、「ホテルニューキャッスル」(弘前市)、「菓子工房MANA」(十和田市)、「赤い林檎」(青森市)、「キーファルンバウム」(青森市)、「チャンドラ」(青森市)、「ブーランジェリーフー」(弘前市)、「パティスリーヴェルジェ」(弘前市)、「リンデンバウム」(弘前市)、「洋菓子工房ノエル」(弘前市)、「ラ・シェヌ」(つがる市)。

期日は、11月17日(火)〜11月30日(月)まで。という事は、ツアー当日も、開催中。またひとつ、青森ネタに包まれて、大宮太宰ツアーを迎えることになる。あらためて何か巡り合わせを感じるのである。

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ずいぶんと久しぶりに、野原一夫の『回想 太宰治』を図書館で借りてきた。ホームページ内の、太宰と埼玉との関係のコーナーをもう少し充実させようかと思って。確か巻頭に、野原氏がまだ、埼玉県の浦和高校へ通っていた時期に、三鷹の太宰の自宅へ行き、文化祭にて講演会への招待を掛け合うために、初めて対面した時の話があるはずと記憶していた。

三鷹訪問は昭和15年、野原氏が高校二年の事である。
太宰は講演会には消極的だったが、「浦和には名所はあるかね。」と若干の興味を示す。高校生の野原氏は、
「名所はないけど、鰻が名物です。太田窪(だいたくぼ)という鰻屋が町から少し行ったところにあって、そこの鰻は、大串で有名なんです。東京からもいっぱい食べにきます。」
と、太宰の興味を膨らまそうと必死になる。
結局この誘いは叶わなかったが、もし話が弾んで講演を引き受ける事になれば、昭和18年12月23日、「阿佐ヶ谷会練成忘年会」と称した埼玉県日高市の高麗神社ハイキングからさらにさかのぼり、初めての埼玉県来訪となったはずだった。

その鰻屋だが、もし“太田窪という名の鰻屋”で一所懸命にそのお店を探している太宰OR野原ファンの方がいれば、それは無理な事と言いたい。なぜなら、“太田窪”は旧浦和市内の一地域の地名であって、お店の屋号ではないからである。浦和地区には、中心街にも至るところに鰻屋が点在していて、最近では「鰻の街」として売り出そうとしているようだが、駅から少し遠く、太田窪周辺には、古くからの老舗が立ち並ぶ。その中でも、江戸時代から続く有名な鰻屋「小島屋」は、その頃、屋号でなく「太田窪」と地名で呼ばれていた。それだけ、この地域でも指折りの名店であることがわかる。
今でも高級料亭のような佇まいを残しているが、二千円台の鰻重から気軽に味わうことができる。「幻の太宰ゆかりの味」として訪ねてみるのも、一考の価値がある。

○小島屋
住所 : さいたま市南区太田窪2166
電話 : 048−882−2907
営業 : 平日 11:00〜15:00 ・ 17:00〜19:30(ラストオーダー)
土日祝 11:00〜19:30(ラストオーダー)
定休 : 月曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)

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三鷹まで来たなら訪れたい店があった。吉祥寺にある居酒屋「いせや」。太宰が生前通ったお店のひとつ、ということだ。
現在は、本店と公園口店の2店舗を構えていて、本店は残念ながら新しいビルへと変貌してしまったが、公園口店は昔のままとの事。
駅の南口から丸井のビルをかすめ、細い路地を抜ける。どうしてだろう、全く道順を事前に調べていないのに、すいすいと足が進む。
この先に井の頭公園があるということからだろうか、カップルがひじょうに多い。平日というのに。
次第に道は細くなり、輸入雑貨のお店や、可愛い喫茶店などが立ち並んでいる。はるか先にうっそうとした木々、公園が近いことを思わせる。
そのお洒落な通りのドン詰まり、なにやらモウモウと煙が上がっている。あった、「いせや」だ。

オープンな感じの店の軒では、数人の店員が、やきとりをひたすら焼いていて、うまそうなにおいがそこら中に立ち込めている。
店の前では、フリフリのドレスを着た若い女性が、持ち帰りの串が焼きあがるのを待っている。この極めてレトロな店とは、かなりミスマッチな光景だ。
カウンタは10席ほど、年配のおやじ衆が数人、背中を丸めて、チューハイを片手に黙々と串をほうばっている。
奥のテーブル席はグループの客であろうか、ワイワイと盛り上がり、笑い声が聞こえる。

私は外から店内を覗き込み、カウンタ席の空きを探した。その時、見えたのだ、確かに。
白いワイシャツにグレーのズボン、わずかに顔をこちらに向け、はにかみながらニヤリと笑う。そして、こちらを見て、二度、手招きする。
吸い込まれるように私は、店員の案内も聞かず、彼の席の左となりに座った。

「瓶ビール、ガツ酢、焼きものは、シロとカシラ。」

黒光りするカウンタの木目を数えながら、黙って静かに、コップを口へと運ぶ。うまい!
いくつか空いていた席もすっかり埋まり、でも、気が付いたら、私の右となりだけがずっと空いていた。
彼が座っているんだ。そうだろ、太宰さん。

ビールと、やきとりと、コップ酒と、煮込みと。。。。。よし、気が済んだ、帰ろう。
火照る頬で、足を引きずりながら駅に向かう私の右には、やはり彼がいるような気がした。

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陸橋をあとにし、市役所行き小田急バスに乗車、向かったのは古本カフェ「フォスフォレッセンス」。
2月に開催した「太宰が住んだ大宮 冬の探索ツアー」を主催下さったお店だ。開店の12時キッカリ、慌しい中を押しかけてしまった。
大宮の「MATCHBOX」が大宮太宰調査アジトとすれば、私にとってここは分室のような場所。
お届け物をお渡しし、アイスコーヒー、とその時、お店の電話が鳴った。NHK青森放送局の方が、お店を取材で訪れたいという内容だった。
取材の申込みは、この没後60年〜生誕100年の賑わいの中で多くいるけれども、当日の飛び込みは珍しいという。
しばらくして到着、入社5年という若いディレクターさんだ。
NHKではいくつかの看板番組で太宰を取り上げているが、また違った視点から太宰を紹介したい、というものだそうだ。
その意に反するように、その方を捕まえて、私の調査を重ねている「太宰が住んだ大宮」をご紹介した。
そして、先日の大宮太宰ツアーのチラシと、最近開設した「太宰が住んだ大宮」ホームページのアドレスを記した名刺をお渡しした。
いつか、大宮の太宰もNHKで紹介してくれないものか。どこの民放もやってないスッパ抜きな話題だと思うのだが。。。
NHKさんは、しばらくは桜桃忌までの三鷹周辺の動きを取材されるようなので、もしかしたら「フォスフォレッセンス」で年4回行われる「ダザイヴェート(フォス研ともいう)」にも顔を出して下さるかもしれない。
私も今回は参加させて頂こうかなと思っている。NHKさんと、多くの太宰ファンに会えるのを楽しみにしている。
「フォスフォレッセンス」を出て、向かったのは、これまた太宰にゆかりの場所、それは明日。。。

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